言うことを聞かない部下に悩んだことはないですか?
上司としていろんな部下と仕事すると、部下が言うことを聞かないことにイライラする経験もあると思います。
指示を出しても、言うことを聞いてくれないと、チームとしての仕事も上手くいきません。
しかし、あなたの態度や接し方を変えることで、相手の態度は変わるものです。
そこで今回は、部下が言うことを聞かない理由と、その対処についてまとめました。
言うことを聞かない部下にイライラしてしまう人は、参考にしてみてください。
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目次
人は「何を」より「誰に」言われるかで判断する
あなたの言うことを聞くか聞かないかにおいて、一番重要なのは、「信頼関係があるかどうか」ということです。
なぜなら、人は「言われている内容」よりも「言われている相手」によって言うことを聞くか判断するからです。
例えば、学生が、親や嫌いな教師に「勉強しろ」と言われても無視するのに、信頼している教師の言うことは聞く・・なんてことは良くあります。
信頼関係ができていないと、「嫌い」という感情が先に立ってしまい、「言うことを聞こう」「この人の言っていることはもっともだ」とはならないのです。
逆に、信頼している相手であれば多少理不尽なことでも受け入れます。
「この人が言うんだから、何かもっともな理由があるのだろう」と好意的に解釈してくれます。
このような傾向があるため、あなたの言うことを聞くかどうかは、「信頼関係があるかどうか」ということが非常に重要です。
そのため、部下が言うことを聞かない場合は、「話している内容が正しいか」よりも「信頼関係が築けているか」について振り返る必要があります。
信頼感がマイナスの場合は、どのように伝えるかではなく、まずどうやって信頼関係を高めるかということに力を注ぐべきです。
信頼されない上司の3つの代表例
このように、部下が言うことを聞かないのは、あなたとの信頼感がないのが原因になりがちです。
それでは、どういう上司が部下から信頼されないのでしょうか。
代表的な3つの例を紹介するので、少しでも当てはまってないか、振り返ってみるのもいいかもしれません。
部下の話を聞かない
部下の話を聞かず、一方的に指示をしたり、部下が提案や意見を言っても、一方的に否定している場合、信頼されません。
また、理想論や精神論ばかり押し付け、現実的な指示を出さない場合も、「この上司の言うことは聞けない」と思われます。
指示が下手くそ
仕事の指示をする際に、丸投げしたり、言うことをコロコロ変えていると、上司への信頼はなくなります。
後出し的に「こういうことじゃないんだよね」とダメ出しをするパターンも信頼を失い、「この上司の言うことを聞いても失敗するだけだ」と思わせます。
身の保身しか考えていない
トラブルがあっても自分が表に出ずに部下に後始末を押し付けたり、部下が挙げた手柄を横取りするなど、自分の保身しか考えていない上司は信頼されません。
「この人のもとではやっていけない」と思われてしまい、言うことを聞かないどころか、非協力的になってしまいます。
このような行動を日ごろからとっていると、上司としての信頼を得ることができず、部下は言うことを聞きません。
ここまであからさまにダメなことをしていなくても、ちょっとしたことで部下の信頼を失うというケースもあります。
こちらの記事に詳しくまとめられているので、気になる人は見てみてください。
部下の言い分を聞いて言うことを聞かせる方法
言うことを聞かない部下を変えるためには、まずや信頼感を高めることが大切です。
そこで、今すぐ部下に言うことを聞かせる方法として、少々手間はかかりますが、「部下の話や言い分をいったん受け入れる」というものがあります。
そもそも、信頼感が無く、指示に従わない場合、「指示の内容に納得がいかない」「自分の話を聞いてくれない」という不満を感じていることが多いです。
そこで、まずは「なぜ言うことを聞かないか」という言い分をしっかり聞きましょう。
そのうえで、「あなたの言いたいことはわかった、でもこういう理由があるから、会社の方針に従ってくれ」と伝えます。
ちなみに、「部下の言い分を聞く=その意見を受け入れる」と思うかもしれませんが、それは違います。
部下の言い分を恐れずに聞き、その上で、会社の指示の背景について説明してやりれば問題ありません。
理屈よりも感情に訴えることも重要
また、このような話をするとき、言い方に工夫することも非常に大切です。
人が動くかどうかは、「理屈」ではなく「感情」で決まるとよく言われます。
そのため、相手の感情に訴えながら話すことで、うまくいきやすくなります。
書籍「人を動かす」では、相手をその気にさせるための具体的なテクニックが豊富に載っています。
例えば、
- 相手の関心を探り、それを取り入れた言い方にする
- 自分の間違いを素直に認める
- 相手の顔を潰さない
など、コミュニケーションをする上で、見落としがちだけども重要なコツを知ることができます。
コチラの記事でも詳しく紹介しています。
優秀な部下・年上の部下に言うことを聞かせる方法
この応用編として、特に言うことを聞きにくい部下への対応方法も紹介しましょう。
優秀な部下が言うことを聞かない場合
言うことを聞かない部下の代表例として、まずは「優秀な部下」が挙げられます。
優秀な部下はチーム内でも他の社員よりも大きな成果を上げることが多く、指示をされなくても自ら考え動くものです。
しかし、自分で考えて動くからこそ、納得がいかない場合に言うことを聞かないケースがあります。
このような場合は、以下のように話をしましょう。
「会社からの方針としてこんな話が出ている」と率直に伝え、賛同できるか聞く
反対なら、その理由を聞く(わがままではなく、それなりに理屈が通っていることが多いです。)
部下が成果を上げることを知っているので、上司個人としては、部下のやり方を尊重したいということを伝える
その上で、会社方針の背景も理解させつつ、どうするかという「落としどころ」を一緒に探す
このステップで話を進めることで、部下が折れたり、上手い妥協点が見つかりやすいです。
たとえ理想どおりにいかなくても、相手を尊重する姿勢が相手に伝わるため、信頼を得やすくなります。
年上の部下が言うことを聞かない場合
また、年上の部下も言うことを聞かないことが多いです。
特に先輩だった人が部下になった場合や、部下の方が社歴が長い場合は、上司としても指示や指導がしずらいものです。
年上の部下の方も、自分より年下や後輩の場合には素直に指示が聞けないなんてこともあります。
こういう場合は、「相談を持ちかけ、いつの間にか味方になってもらう」という方法がおすすめです。
例として、経営層から、「既存顧客に取り組んできた営業チームに、これからは新規開拓に力を入れる」という指示が来ている場合を考えてみましょう。
この時、他の部下と同じように一斉に伝えるのではなく、個別に話しをする機会を設けます。
そして「新規顧客に力を入れるよう言われているが、どうしたらいいと思うか」と相談してしまうのです。
このように相談をされると、年上の部下もあなたと同じ側に立って考えてくれます。
そして(これが重要なのですが)、その部下も自分でアドバイスをした手前、反対意見を表明できず、あなたと同じ立場で他の部下に話してくれます。
このようにして上手く頼ることで味方に加え、反発を防ぐことができます。
部下からの信頼感を高める方法
このように、ケース別に部下に言うことを聞かせるポイントを紹介してきました。
このような具体的なコツ以外にも、日ごろから信頼感を高める方法を実践すれば、苦労せずに部下が言うことを聞いてくれる下地が作れます。
感謝の言葉を伝える
日ごろ業務をこなし、仕事を回してくれることに、感謝の言葉を伝えることは意外と大切です。
特に、部下が誰かを助けたり、活躍をしたときなどは、「頑張ってくれたね、ありがとう」と伝える良いチャンスです。
感謝されるだけで、意外と簡単にモチベーションも上がり、上司への信頼感も増します。
必要な時には注意する
明らかに部下の不注意や怠慢で問題を起こした場合、叱らずになぁなぁになってしまうと、舐められてしまいます。
そこで、部下が指摘されるような問題行動をした時は、しっかり注意しましょう。
日ごろから話を聞く
また、日ごろから部下の発言に耳を傾けてやることも大切です。
希望やお願いを受け入れるということではなく、言い分を聞いてやり、「あなたの言いたいことはわかったよ」と理解してやることが大切です。
また、相談を受けたら、アドバイスしたり、励ましてやることも信頼感の向上につながります。
相手が幼いほど信頼関係が重要
このように、言うことを聞かない部下に対応する際には、信頼関係を築くことが非常に大切です。
ちなみに、一般的に、若く考えが甘い人は「言われる相手」で判断し、年配で考え方が成熟している人は「言われる内容」で判断する傾向があると言われています。
自分が接する相手がどちら側の人なのか・・つまり相手の成熟度合いを測ることは重要です。
そのため、「誰に言われるか」で判断する傾向が強そうな場合は、特に信頼関係を意識しましょう。
こちらの記事も参考になると思います。
上司の接し方で言うことは聞かせられる
以上、「部下が言うことを聞かない!」とイライラする人に向けて、信頼関係の大切さや、言うことを聞かせる方法についてまとめてきました。
- 人は「何を」ではなく「誰に」言われるかで判断する傾向があること
- 人は「理屈」よりも「感情」で動くかどうか決めるということ
を押さえておきましょう。
部下が言うことを聞かずに悩んでいる人は、これらの内容を参考にし、部下へのアプローチ方法を工夫してください。
こちらのページでは、部下との接し方に悩む人向けに記事をまとめています。