上司、リーダーが自分で仕事を抱え込みすぎて仕事が回らないという悩み・現象はよく聞きます。
基本的には上司の仕事は判断を下し、指示をだすことや何か不測の事態のときに動くことです。
そのためには実務は行わず部下に仕事を振ることが仕事で、自分が高いパフォーマンスで仕事をすることではない。
しかし最近はプレイングマネージャーという言葉もあるとおり、上司自身が実務を行うというケースも多いでしょう。
そうなると自分は以下に最低限の実務をしつつ、部下に多くの仕事を振るかということが重要になるのですが、「人に任せるより自分でやってしまったほうが早い」と考えて自分で抱え込んでしまうパターンになりがちです。
そうなると冒頭の話の通り、上司が仕事を抱え込んでしまい仕事が回らずチームが機能不全になるという事態に陥ります。
それを防ぐためには「自分でやってしまったほうが早い」という考えを押し殺さなければならないものです。
そこで今回は、「自分でやってしまったほうが早い」と思ってしまわないように、またそうなっても思いとどまれるように意識すべき考え方をまとめました。
目次
仕事を任せることで浮く時間と労力をイメージする
この仕事を任せたらどれくらい自分の時間が空くのかをイメージします。
たとえば毎日10分かけて行なうルーチン業務の場合は、月に換算すると200分程度、それが1年続くと2400分程度浮くことになります。
また、任せるほどのたいした仕事ではない、と思っていても実際に任せてみて自分の手から離れると労力の節約になります。
1つの仕事をするためには、一旦その仕事のために頭を切り替える必要があるため意外と集中力を消費します。
会社としては極力コストを削減するようによく言われますが、それと同じように、上司は自分の時間と労力を出来る限り節約することが重要です。
振る気になれない時は前頭葉の疲れを疑う
はじめての仕事を人に振るときは説明をする必要があるため、自分の手を動かさない代わりに頭を使うことになります。
自分でやるときに比べて、説明をする際には脳に負担がかかることになります。
脳には前頭葉という部位があり、思考力や自発性(やる気)に大きく影響を与えていると言われています。
疲れがたまっており、この部位の働きが鈍いときは説明するために考えることが億劫になり「面倒くさいから自分でやろう」と判断してしまう傾向があるようです。
そのため、疲れているなと感じているときに「自分でやってしまったほうが早い」と感じてしまうのは脳が疲れているからではないかと疑ってみてください。
自分でやったほうがいいと冷静に判断しているつもりでも、実はそれは疲れている前頭葉がそう思わせているのかもしれない・・と疑ってみるのです。
そういう時はその場で結論を出さず、じっくり休憩をとり、リフレッシュした上で改めて考えてみてください。
他人の限界を自分で決めない
この人に任せても無駄だ、うまくいかない、と考えてしまうことがあると思います。
これは相手の能力を低く見積もってしまっていると思います。
もちろんいくら任せてもうまくいかず、諦めたほうがいいこともありますが、簡単に諦めてしまうのではチーム全体の成長につながりません。
最初はダメでも2回3回と任せてみるうちに上達するかもしれないし、ある分野がダメでもほかの分野で活躍してくれるかもしれません。
リーダーの側が部下の可能性を諦めてしまっては、伸びるものも伸びません。
リーダーにしか出来ない仕事のうちの一つには、「メンバーを成長させること」があります。
あいつに任せてもダメだと判断することは、リーダーが自分の仕事を放棄していることになると考えることもできるのではないでしょうか。
相手の可能性を勝手に低く見積もらず、「信じて任せる」という考えを持たなければなりません。
任せ方の上達を図る
自分でやったほうが早い、と思ってしまうのはリーダー自身が仕事の任せ方に自信が無いからと考えることができます。
慣れているルーチン業務と同じように「仕事の任せ方」にも慣れることで、仕事を振ることへの心理的ハードルが下がります。
また、以前の記事でも触れていますが、仕事の任せ方にもポイントやコツがあります。
これで仕事が楽になる!部下とチームを育てるための仕事の教え方
それに習熟することで仕事を任せるまでにかかる時間も労力も少なくなると思います。
そうなってくると「自分でやったほうが早い」と思うことがだんだんと減ってくるでしょう。
「リーダーの仕事はメンバーの成長」を常に意識
以上のような意識を持ち、仕事を自分で抱え込まずに周りの部下やメンバーに振ることが重要です。
確かに慣れている仕事だと、任せるより自分でやったほうが早いかと思ってしまいます。
正直それはその通りで上司がやったほうが早いのは間違いないでしょう。
しかし上司に求められるのは自分が早く仕事を終えることよりも、チームで成果をだすことではないでしょうか?
そのためには部下・メンバーに成長してもらうことが必須です。そのためにも自分で抱え込もうとせず、以上のポイントを参考にしてみてください。
それでも仕事を任せるのが心苦しいという人はこの記事を見てください。
それでも部下に仕事を振るのが心苦しくて不安な人はこれを読め!