部下を思って叱ったつもりが逆ギレされた・・という経験は、誰しも一度はあるでしょう。
「パワハラだ!」と騒がれたり、「私だって一生懸命やってるのに!」と言われたり、ふてくされて不穏な空気になったり・・世の中は理不尽です。
逆ギレされてしまうと上司としては叱る気がゼロになりますが、かといって部下が仕事をできないままなのも困ります。
そこで今回は、逆ギレする部下の心理や対処法についてまとめました。
逆ギレする部下の心理を知ることで、逆ギレされずに叱ることができます。
これらのコツを押さえれば、逆ギレされることもなくなり、部下を叱るストレスも減らすことができるでしょう。
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目次
逆ギレする人の特徴
そもそも、叱ると逆ギレする部下にはどんな特徴があるのでしょうか。
一言で言うと、「自己愛の強い人」です。
このタイプはプライドが高いため、人から指摘を受けることを嫌がります。
「失敗してしまった自分」を受け入れられないため、指摘や注意をされると自己防衛に走ってしまいます。
このように、精神的に未熟であるために逆ギレしてしまいます。
しかし、意外にも社会的地位が高い人(政治家・経営者・弁護士など)にもこの傾向があります。
社会的地位が高い人は、幼い頃にコンプレックスを抱え、それをバネにして努力するか、もともと能力が高いために褒められて育ってきたかのパターンが多いものです。
そのどちらのパターンでも、自分が否定されることを受け入れられず、批判をシャットアウトし責任転嫁をします。
ミスを指摘したら逆ギレされる理由
このように、自己愛が強く精神的に未熟な部下は、叱られると逆ギレをしてくると考えたほうがいいでしょう。
また、ここではさらに踏み込んで、逆ギレをしてくる部下の心理状況を考えてみたいと思います。
自己愛が強い彼らが逆ギレをしてくる理由とはなんなのでしょうか。ここでは3つご紹介します。
①自分のプライドに意識が行く
逆ギレするような人は「自分が失敗したことを受け入れられない」とご紹介しましたが、このような部下は叱られたとき、まず自分のプライドやメンツが気になります。
叱られたとき、彼らの思考は「人の前で指摘された」「上から目線で言われた」「自分の努力が否定された」というものに支配されてしまうのです。
そうなると「自分がどんなミスをしたか」という話よりも、「自分が傷つけられた」という考えになってしまい、逆ギレしてしまうのです。
②逆ギレによって話をはぐらかす
例えば、叱られたときに、そんな言い方なないでしょう!」と逆ギレしたとき、話の内容が叱られるようなミスについて」ではなく「あなたの言い方が良いか悪いか」にすりかわります。
あなた「この件でミスしたよね?何でこんなことしてしまったの?」
部下「なんですか!?なぜそんな責めるような言い方をしてくるんですか?」
あなた「いや、ミスして迷惑かけてるんだから仕方ないでしょう」
部下「そりゃそうかもしれませんが、私だって一生懸命仕事してるんですから、責めるような言い方はよくないと思います。そもそも今回の件だって、〇〇さんがきちんと事前に言ってくれれば・・」
・・・と、このような要領で、逆ギレによって自分のミスから話をそらしていくのです。
こんなことをしても自分の印象は悪くなり、再発防止策も考えられないため意味がないと思うでしょう。
しかし、この手のタイプにとっては、自分の印象や再発防止よりも「今自分が責められている状況をなんとかすること」が大切なのです。
「どうにかしてこの場をしのぐためにはどうすればいいか」ということが最優先になり、逆ギレによって話をはぐらかそうとします。
これは意図的にやっている場合もありますが、無意識・本能的にやっている場合もあります。
いずれにせよ「話をはぐらかそうとしている」ということにあなたが気づけないと、ズルズルと相手のペースで話をすることになります。
③我慢していたものが爆発してしまう
これは、自己愛が強くない人が逆ギレしてしまうときの理由でもあります。
「ずっと理不尽なことに我慢を続けていたが、何かのきっかけでそれが爆発してしまう」という逆ギレのパターンもあります。
この場合は本人も自分の感情をコントロールできない状態になるので、大声を出して取り乱すようなキレ方をします。
そして普段は物静かで大人しく、キレるような印象がない人がこうなります。
普段は穏やかな人がいきなりキレて取り乱すので、周りへのインパクトはかなり大きなものになります。
逆ギレさせないためのアプローチとは
叱ると逆ギレするような部下にはこのような理由があるため、叱るときには逆ギレさせないような接し方をするのが重要です。
では、部下に逆ギレさせないためにはどのように接するべきでしょうか?
その大原則は「まずこちらがキレない」ということです。
多くの人には「自分が怒られると怒り返したくなる」という傾向があります。
そのため、こちらが感情的になって怒ることは、逆ギレのリスクを高くしてしまいます。
そもそも、叱る目的は再発防止であり、相手を怒鳴りつけることではありません。
怒鳴ることは、叱る方法の一手段に過ぎません。いくら怒鳴り散らしても相手が反省しなければ意味がありません。
逆に、穏やかに話すことでも相手が十分反省し、再発が防がれるようであれば、大声で怒鳴る必要はないのです。
そのため、注意するときには冷静に諭したり、いつもよりも低いテンションで話すだけでも相手は反省するものです。
まずは不用意に怒るのではなく、「再発防止のために話をしたい」というスタンスで接することが重要です。
また、「クッション言葉」を積極的に使うことも効果的です。
「私も昔は同じミスをしたんだけどね」や、「慣れないうちは大変だよね」という言葉をかけつつ注意することで、相手のプライドが傷つきません。
プライドが傷つかなければ部下も冷静に話しを聞くことができます。
このように、怒りの感情を相手にぶつけず、プライドを傷つけないように伝えることで逆ギレを防ぐことができます。
逆ギレする部下への対処法
このように、部下に逆ギレされないような叱り方を心がけましょう。
しかし、それでも逆ギレしてくるような部下にはどのような対処が必要でしょうか。
これには主に3つの対処法があります。
①火に油を注がない
部下がヒートアップしてしまったら、こちらは逆に落ち着きましょう。
相手の怒りにこちらも乗っかってはいけません。こちらが冷静になれば、相手もだんだん冷静になります。
人は自分だけ怒り続けるのが意外と難しいものです。
このとき、間違っても「逆ギレですか?」「そもそもあなたが悪いんでしょ?」と、逆ギレを指摘するような正論をぶつけてはいけません。
相手がますますヒートアップしてしまい、話も本題とは違う方向にエスカレートしてしまいます。
相手が炎上したら、いったん話しを止め、落ち着くまで待つのがいいでしょう。また、日や時間を改めることも効果的です。
②論点をずらさせない
逆ギレによって論点をずらそうとする場合には、話を戻すことが大切です。
「そんな言い方はないでしょう」「そもそもどうして~・・」と話をそらそうとしたときには、「その話も必要なのはわかった。ただ、その話をする前に、まずこっちの話を終えてしまおう」と冷静に引き戻しましょう。
相手の逆ギレには乗らず、冷静に話しを進めることが大切です。
③上司に報告しておく
逆ギレするような部下は、叱られた腹いせにあなたの上司に訴える可能性があります。
「パワハラを受けた」「こんな仕打ちを受けた」と話しを盛りつつ訴えます。
その部下の人間性を理解できていない上司だと、部下の言葉を信じてしまう危険性があります。
こうなると非常に面倒くさいことになります。
そうならないように、部下を叱って逆ギレされたときには、その都度上司に報告をしておきましょう。
どんな話をして、相手がどんなことを話してきて・・という情報を客観的にまとめ、上司の耳に入れておきます。
事前にあなたからの客観的な情報を入れておけば、後に部下から訴えをされたとしても、安心です。
よほどポンコツな上司でない限りはあなたのことを信じてくれます。
「注意したら逆ギレされた!」とならないように
以上、叱ると逆ギレしてくる部下への対処についてご紹介してきました。
逆ギレする部下は自己愛が強く、プライドが傷つけられることに耐えられないという特徴があります。
そのため、注意するときには相手のメンツを立てることが大切です。
また、日ごろからの信頼関係も大切です。「この人は信用できる」と思わせましょう。
人は、心を開いた相手の言うことは受け入れやすいものです。
多少強く叱っても、信頼している相手であれば素直に聞き入れます。
部下との信頼関係を築くことを意識し、相手のプライドに配慮することで、逆ギレされずに叱れるようになりましょう。