「やる気があるかないかは、仕事の成果に大きく関わる」ということは、よく言われます。
管理職にとって、部下がやる気を出してくれれば、こちらも前向きな気持ちになり、職場の雰囲気も明るくなります。
しかし、部下のやる気がゼロの場合は、仕事もうまく進まず、暗い職場になってしまうでしょう。
部下のやる気は、管理職の言動によって、ある程度コントロールできます。
部下本人の問題で、こちらではどうしようもできないケースもありますが、上司側が部下をやる気にさせるコツを実践することで、部下のやる気を上げることは可能です。
そこで今回は、「部下のやる気がない」という悩みをもつ管理職に向けて、部下のやる気を上げるための方法をまとめました。
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目次
部下のやる気を出す方法・基本編
まずは、部下のやる気を出す方法として、基本的なことをまとめてみました。
これらは、上司としての心構えに関する書籍にもよく載せられていることで、部下のモチベーションを上げたいなら、最低限押さえておきたい内容です。
どれも難しいことではないので、まずは以下に挙げる内容ができているかチェックしてみましょう。
任せたい仕事の意義を伝える
任せる仕事について説明するときに、単純にやり方を伝えるのではなく、
- 「その仕事がなぜ必要なのか」
- 「その仕事をやることによって、誰に・どういうメリットがあるのか」
といったことを伝えましょう。
自分の仕事に意義を感じることができれば、前向きに取り組むことができるようになります。
その仕事をするメリットを伝える
その仕事をすることで、部下が得られるメリットを説くことも重要です。
- 「会社から評価され、出世に近づく」
- 「その分野の経験・スキルが身につく」
- 「社外の人とのつながりができる」
など、仕事にはメリットとなる側面もあります。
そういうメリットのなかから、部下が魅力に感じるメリットを見つけ、それを説明してあげましょう。
仕事ぶりの評価を伝える
普段任せている仕事について、あなたから部下へ、仕事ぶりの評価を伝えてやりましょう。
意外と忘れがちな点ですが、上の立場の人から褒められ頼られると、それだけでモチベーションは上がります。
部下の仕事ぶりについて、定期的に感謝やねぎらいの言葉をかけたり、今後成長してほしいところや、今後の期待をかけましょう。
部下のやる気をなくす言動をしない
部下のやる気は、上司との信頼関係によっても大きく変わります。
信頼関係があれば、「この上司のためなら頑張れる」と頑張ってくれる一方、上司を信頼していないと、やる気になれないものです。
そのため、部下からの信頼関係を失わないことを重視しましょう。
部下の信頼を失ってしまう言動について、以下の記事にまとめています。
間接的に伝えることで部下のやる気を上げる
部下のやる気がない状態を防ぐには、ここまで紹介したような、基本的なことが実践できていることが大切です。
そのうえで、部下のやる気を上げるためのテクニックや注意点について紹介していきます。
まずは、部下のやる気を上げるテクニックとして、「間接的に伝える」という方法があります。
これは、相手を直接褒めるのではなく、第三者に対してその人を褒め、間接的に本人に伝えるという方法です。
人は直接言われる言葉より、第三者を介して言われることに信憑性が高く感じる傾向があります。
そのため間接的に褒めることは、直接伝えるよりも真実味を持って相手に伝えることができるのです。
また、間接的に伝える相手のチョイスも重要です。
ストレートにほめる場合は、相手に関係が近い人や、機会があるならば家族に伝えるとより効果的です。
いつも間接的に褒めてばかりだと、相手に気持ち悪がられるので、基本直接褒めることを心がけつつ、たまに間接的に褒めるという形をとれば、相手やる気をうまく持ち上げられます。
褒める以外のコミュニケーションは必ず直接!
逆に、指示を出す時や注意するときに間接的に伝えると、部下のやる気をなくしてしまうので注意が必要です。
間接的に指示を出すと、あいまいに伝わってしまったり、相手に不誠実な印象を与えます。
また、部下の愚痴を言ってしまうのは、間接的に注意する・叱るのと同じことになります。
たとえ的を射ていた指摘であっても、言われた部下からすると、「なぜ直接言ってくれないのか」という不信感が募ります。
また、その内容もゆがんで伝わることが多く、誤解を招き話がこじれることが多いです。
そのため、褒める以外のコミュニケーションは、原則直接話すようにしましょう。
理不尽に腐らず立ち向かう姿を見せる
また、管理職の心得として、「理不尽な状況に腐らず立ち向かう」ということも大切です。
顧客や会社の上層部から、理不尽な要求や指示が降りることはよくあり、それによってやる気がなくなることは良く起こります。
このとき、管理職自身がそれをどのように受け止め、どのように話すかということが部下に影響を与えます。
管理職自身がげんなりしてやる気を失ってしまうと、当然部下のやる気もなくなり、逆に、それにめげずに明るく振る舞うことで、部下も前向きになるものです。
理不尽な指示が降りた時の対処法
こういう場合は、まず理不尽な要求や指示があったことを、部下と共有しましょう。
理不尽な指示が降りているのに、あかたも妥当な指示であるようにふるまうと、この人は無理やり自分たちをごまかそうとしている、言いくるめようとしている」と部下に不信感を与えてしまいます。
そうではなく、理不尽な状況を共有して、明るく受け入れ打開策を考えていく・・ということを上司が積極的にできると、チームも明るくなります。
管理職が理不尽にぐちぐち言わず、ぐっと堪え前向きに頑張っていく姿は、メンバーにとって励みになり、あなたへの信頼感が増します。
このように、「この件は理不尽だけども、がんばっていこう」と声をかけたり、上司自身がその理不尽に腐らずに向き合う姿を見せることが大切です。
また、チームは大きな困難・危機にぶつかったとき、落ち込むのではなく発奮し団結できることもあります。
それを起こすのは、やはり管理職の明るく前向きな姿勢です。
そのため、理不尽な状況になったら、それを乗り越える姿をメンバーに見せて、信頼感を高めるチャンスとして利用してやりましょう。
注意するときは相手の気持ちに寄り添う
そして、部下のやる気を無くさないためには、注意や指摘をするときにもコツがあります。
それが、「相手の気持ちに寄り添うこと」です。
管理職である以上、部下に対して言いにくいことを伝えるとき必要があります。
このような言葉は、相手の心に嫌な思いをさせるものです。
それを防ぐためには、相手に指摘をする時に、一方的に言うのではなく、相手の気持ちによりそうフレーズを入れましょう。
例えば、大事な会議に遅刻してしまったとき、
「どうしてこんな大事な会議に遅刻してしまうんだ!先方からの信用問題に関わるんだぞ!」
ではなく、
「きっと前日は緊張して眠れなかったり、これまでの準備で疲れていたからこんなことになってしまったかもしれないね。」
「でもここで遅刻してしまうことは先方からの信用問題になるじゃないか」
という言い方をします。
どちらも叱っていますが、後半の方は相手を気遣うような言葉をかけています。
また、組織の上層部の方針転換を伝えるとき(特に理不尽なことを伝えるとき)には、
「今回、○○という指示が会社から降りたから、よろしくね」
ではなく、
「今回、○○のような指示がある。」「これはあなたにとって都合が悪いということを私は理解している。」
「なるべくそうならないようにしたいと考えたのだが、××という理由・背景があって今回のような指示が下りたんだ」
という言い方をしましょう。
言い方を多少変えても、結局相手にとって都合の悪い事実は変わりません。
しかし、人は自分の気持ち・言い分を理解してもらうことで「自分のことを大切に思ってくれている」と感じます。
そのため、せめて気持ちはわかってあげ、「あなたを軽視しているわけではない」というメッセージを伝えるだけで、相手の理解も得られることが多いと思います。
逆に、そうしたクッションを挟まず、ただ一方的に指示・命令を伝えるだけでは、相手にしてみれば都合の悪い指示を受けるだでなく、「自分はどうでもよい存在なんだ」と思われてしまいがちです。
そのような印象が、部下のモチベーションを下げてしまうことを意識しましょう。
管理職によって部下のやる気は変わる
以上のように、部下のやる気がない状態を変えるための方法について紹介してきました。
人はやる気によって仕事の成果が大きく変わるものです。
そのため、管理職としては、なんとか部下のやる気を上げていきたいものです。
やる気は部下本人の気持ちの問題ではありますが、管理職の取り組みによっては、プラスの方向に変えることも十分可能です。
部下のやる気がないと悩む人は、ここで紹介したことを試してみてください。