部下に指示や注意をしたときに、いちいち反発されるとストレスが溜まります。
感情的になって文句を言ってくるタイプの部下もいれば、もっともらしい言い訳をしてくるタイプの部下もおり、対応に困りますよね。
反抗的な部下に対しては、冷静になって対応して、態度を改めさせることが重要です。
詳しくはこちらの記事にまとめているので、反抗してくる部下に困っている人は参考にしてください。
しかし、大切なのは、そもそも反発してこないような環境を作ることです。
管理職であるあなたの普段の対応によって、部下に反発を防ぐことができます。
そこでこの記事では、部下が反発してしまう原因を簡単にまとめ、それを防ぐための方法について詳しく紹介します。
ちなみに、仕事のストレスで疲れている人に、おすすめ癒しグッズを紹介しています。
部下からのストレスで疲れている人は、よかったら参考まで。
目次
あなたの部下が反発する理由
まずは、なぜあなたの部下が反発してしまうのかという理由にについて簡単にまとめておきます。
これには簡単に分けて、二種類の理由があります。
信頼関係ができていない
上司になって日が浅い、普段の言動が原因で信頼を失ってしまった・・などの理由で、部下との信頼関係ができていない場合、反発されてしまう可能性があります。
部下から信頼を得る方法や、部下の信頼を失ってしまう方法は色々あり、上手く信頼関係を築く方法は人によって違います。
こちらの記事では、部下との信頼関係を築く方法についてまとめていますので、不安がある人は参考にしてみてください。
部下の人間性に問題がある
普通の社会人であれば、上司との信頼関係が無くても反発はしませんが、部下の内面に問題がある場合、反発してくることがあります。
自己中心的、負けず嫌い、承認欲求が強い・・などなど、多少こじらせてしまっている部下の場合、上司に反発しがちです。
このケースの場合は、信頼関係を気づきつつ、反発を防ぐコミュニケーションを心がけることが大切です。
部下に反発を防ぐための3つのポイント
それでは、部下の反発を防ぐためには、どのようなコミュニケーションが必要でしょうか。
まずは、これから紹介する3つのポイントを意識することが大切です。
プライドを傷つけない
注意するときに、相手のプライドを傷つける言い方してしまわないか注意しましょう。
- 人格や性格を否定する「お前はのろまだな」「このグズが」など
- 人前でつるし上げるように叱る
- 過去のミスも引き合いに出しながら叱る
このような言動をしてしまうと、相手のプライドを傷つけてしまい、信頼関係が失われます。
発言をコロコロ変えない
深く考えずに言動をコロコロ変えてしまうと、部下としては「どうせあとから違うことを言われる」と思われてしまいます。
それが積み重なると、「この人の言うことは聞いてられない」と判断され、言うことを聞かなかったり、反発されてしまいます。
そのため、忙しくて疲れている時でも、部下への指示をいいかげんにしてしまうのは避けましょう。
また、あとから発言内容を撤回するときは、その背景や理由を合わせて伝えましょう。
相手を納得させる言い方をする
同じ内容でも、言い方によって相手が受け取る印象は変わるものです。
相手が部下で、指示を聞くのが当たり前・・という関係性でも、相手は感情を持った一人の人間です。
そのことを常に意識し、相手が受け入れやすい伝え方ができると、部下から反発されない上司になれます。
相手を納得させる言い方にはコツがあるので、ぜひそれを習得して、部下から反発されない上司になりましょう。
スムーズに願いを聞き入れてくれる「前置き言葉」
それでは、相手を納得させるためのコミュニケーションには、どんな方法があるのでしょうか。
その一つ目が、私が「前置き言葉」と呼んでいるものです。
もしあなたが仕事で忙しいとき、さらに仕事を依頼されることになったとしたら、どちらの言葉が受け入れやすいでしょうか?
- 「この仕事、今日中にやってほしいんだけど」
- 「忙しい中申し訳ない、この仕事、今日中にやってほしいんだよね」
多くの方は下の言葉のほうが受け入れやすいと感じるかと思います。
大きな違いとしては、依頼する前に「忙しい中申し訳ない」というフレーズが入っています。
このような、「相手の状況や立場を思いやり、それに触れる言葉」のことを「前置き言葉」と呼んでいます。
人はだれしも、自分のことをわかってくれると嬉しく感じる特徴があり、前置き言葉は、その心情に訴えます。
そのため、前置き言葉があることによって、一方的に言われるよりも依頼や指示を受け入れやすくなります。
また、相手との信頼関係が無いときにも前置き言葉は威力を発揮します。
信頼関係がない状態で、何か指示や依頼をされると、「なぜこの人の言うことを聞かなければならないのか」という抵抗が心の中で生まれやすいです。
そういう時に前置き言葉を使い、自分の気持ちを思いやってくれる言葉をかけられると「仕方ないからやってやるか・・」という心情にもなりやすいでしょう。
前置き言葉の作り方
前置き言葉の作り方は簡単です。
「この依頼・指示を出すときに、相手がネガティブに思うとしたらどんなことだろうか?」というのを考えて、それにあわせて前置き言葉を作ります。
苦手な分野の仕事を頼む
→苦手な分野だから乗り気じゃないだろうな・・
→「苦手な分野だから気が進まないかもしれないけど・・」
これまでより難しい仕事を頼む
→難しいから自信がないだろうな・・・
→「これまでより難しい仕事で、不安に思うかもしれないけど・・」
このように、そのシチュエーションにあわせ、相手の思いを想像して、前置き言葉を考えることができます。
立場が違う人も納得させる「たとえ話」
相手を納得させるためのコミュニケーション法の2つ目が、「たとえ話」です。
価値観や立場、経験が違うと、言いたいことがうまく伝わらないことが多いです。
とある仕事の重要性を相手に伝えたいときに、単に「この仕事は重要なんだ」と伝えても、それがどれくらい大事なのかを実感させるのは難しいものです。
たとえ話は、そういう時に効果を発揮します。
仕事の重要性を実感させたい場合は、
「この仕事は、大学受験で言ったらセンター試験くらい重要なものなんだ。」
「この仕事は、野球の試合で0-0の9回裏、2アウト満塁で立つ打席くらい重要なものなんだ」
「この仕事は、人気アイドルグループの推しメンの引退コンサートくらい重要なものなんだ」
「この仕事は、人気急上昇の若手俳優に、不倫報道が流れたあとの釈明会見くらい重要なものなんだ」
のように、さまざまなシチュエーションに例えて話すことで、その仕事がどれだけ重要なのかが、より相手に伝わるようになります。
相手に合わせたたとえ話を
例え話をするときには注意点が1つあります。
それは、相手が知らない(興味がない)分野でたとえても理解されないことです。
ジャニーズが好きな女性社員に、「今回の君の活躍は、三連単で万馬券を当てたことぐらいすごいことなんだよ!」とおもむろに競馬の話をしてもうまく伝わりません。
それよりも、「嵐のコンサートのS席チケットが当選したことくらいすごいことなんだよ!」と説明したほうが伝わりやすいでしょう。
普段から相手とコミュニケーションをとり、どんな趣味があるのかを知っておくことで、より伝わりやすい例え話が出来ると思います。
ちなみに、初対面などで相手の趣味などが分かっていない状態では、相手に合わせた例え話は難しいかもしれません。
その場合は、学校のシチュエーションを使いましょう。
ほとんど多くの方は学校生活を経験しているでしょうから、
「入学式に寝坊したときくらい今ピンチです!」
「御社との提携ができることになり、修学旅行の前の晩くらいワクワクしてます!」
などのように学校生活に例えると、どんな人にも伝わりやすいです。
説明不足病が相手の反発を生む
上司が部下を納得させるためには、説明不足を防ぐことがとても重要です。
実際、部下が上司に感じる不満の一つとして、「説明が足りない」ということがよく挙がります。
- 仕事に関する情報が降りてこないため、すれ違いが起きてやり直すことになる。
- 方針の意図がわからないため納得できない
など、上司から部下への情報が少ないために、仕事の進行ややる気に問題がでることが多いです。
このような説明不足は、上司が「そのくらい言わなくてもわかるだろう」と考えしまうことで発生します。
その結果、誤解を招いたり不満を生んだりなど、しっかり説明しておけば発生しない問題が起きてしまい、部下の反発を招いてしまいます。
このようなプロセスで、本来は無用な反発を招いてしまうことを、「説明不足病」と私は呼んでいます。
そのため、上司としては、「言わなくてもわかるだろう」という誘惑に負けず、
- なぜその指示が降りたのかという背景
- 仕事に関する情報(関係者の意向、成果物の活用方法など)
ということについて、説明不足に陥らないことが大切になってきます。
納得させるコミュニケーションで反発を防ぐ
このように、部下の反発を防ぐためには、相手を納得させるコミュニケーションを意識することが重要です。
反発してくる要因は、部下本人の性格によるところも大きいですが、あなたの振る舞い次第で防ぐことが十分可能です。
前置き言葉、たとえ話、説明不足病防止は、どれも慣れてしまえば難しいものではありません。
ちなみに、相手に反発されない言い方について、詳しく知りたい人には、書籍『人を動かす』がおすすめです。
ビジネス書では長く愛されているベストセラーで、半世紀近く前に出版された作品ですが、未だに多くの人に読まれています。
部下からの反発に悩む人は、コミュニケーションを意識して、反発されない関係づくりを目指しましょう。