管理職として経験が浅い人なら、部下を育てる方法に迷うこともあるでしょう。
部下をうまく育てられれば、チームの成果を挙げることができ、自分の仕事を任せることもできるでしょう。
その一方、部下が育たないと、あなたの仕事は辛いままで、チームの成果も出ません。
部下の育て方は、何か裏技があるわけではなく、一つひとつの細かい行動の積み重ねだと思っています。
色々なポイントをしっかり押さえることで、部下はしっかり育ってくれるものです。
今回は、そんな部下を育てる方法についてまとめました。
目次
部下を育てる方法①信頼関係を築く
まず何より、部下との信頼関係を築くことが大切です。
上司として信頼してもらえれば、あなたの言うことを素直に理解してくれるようになり、仕事へのやる気も持ってくれます。
部下を褒めるにも叱るにも、信頼関係ができていれば響く一方、それができていないと、効果も微妙です。
部下と信頼関係を築くためのポイントは、こちらの記事にまとめているので、気になる人は参考にしてください。
部下を育てる方法②褒める
部下を育てるには、やる気を持たせられるかということが重要です。
やる気を持たせる方法の王道は、やはり褒めることです。
褒めることは、コストがかからずに部下のモチベーションを上げる効果的な方法で、これが上手い上司は、部下を育てるのも巧みです。
こちらの記事に部下を褒める方法についてまとめているので、自分が上手く褒められているか確認してみるとよいでしょう。
部下を育てる方法③叱る
部下を育てるためには、褒めてやる気をあげることが重要ですが、それだけでは十分とはいえません。
部下の能力や意識を高めるには、出来ていないことを指摘し、叱ることも重要です。
そこで、部下を叱るときの5つのポイントをまとめました。
自信がない人は、これらの点を意識してみてください。
直接叱る
叱るときは、相手に対して直接伝えるのが大原則です。
また、メールで叱ることもオススメできません。
メールだとついつい感情的になってしまう恐れがあり、相手も誤解してしまう可能性があります。
なお、叱るときには1対1で叱るべきです。
第三者がいる場や、大勢の人の前で叱るのは相手のプライドを傷つけてしまいます。
叱る基準を明確に持つ
上司自身のなかで、「叱る条件」というのを明確にしましょう。
例えば、以下のような条件が考えられます。
- 遅刻したとき
- 提出物の期日を無断で破ったとき
- お客様をないがしろにしたとき
このような基準を持って部下に接すると、部下から「この人はブレない」という信頼につながります。
このような基準がないと、「新人だから大目に見てやろう」と対応になったり、同じことをしても気分が悪いときは叱り、そうでないときは叱らないということが起きます。
シンプルに、短く叱る
叱るときは短い言葉で、「何について叱っているのか」を明確にして伝えます。
叱る側としては、本当に相手に伝わっているか不安なので、同じようなことを繰り返して伝えてしまいがちです。
しかし、くどくど繰り返しても、相手は「もうわかったよ」と内心反発するだけです。
また、叱ったあとはネチネチ根に持たずに切り替えましょう。
叱る側の上司がいつまでも不機嫌なままだと、部下に必要以上にストレスを与えてしまいます。
最後は前向きに終わる
叱るべき内容を伝えたら、話の最後は前向きな雰囲気で終わりましょう。
「次からは気をつけて頑張ろうな」というような、これからの働きに期待をかけるのが効果的です。
また、「普段から一生懸命仕事してくれているのはよくわかっているから、落ち込みすぎずに頑張って」と、普段の頑張りを評価してあげることも大切です。
このような声かけをせず、叱って気まずい雰囲気のままで話が終わってしまうと、部下が気持ちを上手く切り替えられない可能性があります。
具体的な改善策を示す
これが最も大切なことで、叱るときには、必ず改善すべき点を明確に伝えるべきです。
叱るときには、感情のままにしゃべるのではなく、何を改善するべきなのかをはっきり伝えましょう。
例えば、
「今回と同じミスを繰り返さないように、〇〇の点を改めなさい」
「もし次に同じような状況になったときは△△しなさい。」
などのように話をし、相手が次にどうしたらいいかわかるようにしましょう。
具体的な指摘もないままただ怒鳴り散らされても、どのように改善すればいいのかがよくわからず、納得もできず、モチベーションが下がってしまいます。
そのため、叱るときには、内心冷静になり「相手を成長させる・行動を改善させるために叱る」ということを忘れないでください。
部下を育てる方法④フィードバックをする
日ごろの仕事に対して、フィードバック(振り返りとアドバイス)をすることも大切です。
職種によっては、売上や予算の数値目標が掲げられることがあるでしょう。
そういうときには、設定された目標と、その実績にに対しての結果がどうであったかを部下と振り返ります。
このとき、達成・未達成いずれの場合でも
- なぜその結果になったか
- 上手くいったこととその要因
- 上手くいかなかったこととその原因
- 今回の結果を踏まえて、今後の行動をどう変えるか
について部下の考えを聞き、あなたからもアドバイスしましょう。
このようにして振り返りを行ない、上司からの考えやアドバイスに部下が納得できれば、おのずと「次はこういう風にがんばろう」と思ってくれるようになります。
もし、目標数字が課されない仕事の場合でも、一定期間ごとに仕事を振り返る機会をとれば
同じように部下の行動を変えることができます。
部下を育てる方法⑤経験させる
上司による導きで部下を成長させることもできますが、それよりも効果的なのが、実際の体験をさせ、そこから自分で気づかせるということです。
こっちがいくら口で説明しても、聞く耳を持たない部下もいます。
そういう場合には、自分で経験させて気づかせることで成長させることができます。
仕事の経験には、成功経験と失敗経験があり、成功体験が良いもので、失敗体験がダメというものではなく、両方にそれぞれのメリットがあります。
部下の様子を踏まえて、どちらの経験を積ませるべきかを判断するのが大切です。
成功体験は自信・やる気を上げさせる
成功体験のメリットは
- 自信がつく
- チームに勢いをもたらす
- 「この上司のもとでやっていきたい」と感じさせる
ことです。
今の自分の能力や、やり方で成功する経験をすれば、それが自信となり、周りの人にも前向きな影響を与えてくれます。
また、上司の指示や方針で成功をつかむことで、部下に「この人の言うことを聞けばうまくいく」と実感させ、信頼感持たせることもできます。
したがって、成功体験は
- 部下に自信が無いとき
- チームに活力が無いとき
- 上司としてまだ信頼されていないとき
などにより効果のあるでしょう。
どちらかというと、チームにエネルギーがなく、腰が重かったり、部下がしらけていたりという環境のときに効果を発揮します。
ただし、実際こういう雰囲気の環境でいきなり大きな成功は難しいものです。
小さな目標を少しずつクリアしたり、上司から指示された方法で上手くいった・・などの経験から、少しずつ始めていくことが効果的です。
失敗経験は反省を促して改善させる
一方、失敗体験のメリットは
- 「今のままではダメだ」と自戒させる
- 新しい方法や姿勢を身につけるきっかけになる
ことです。
失敗の経験によって、自分の改善するべき点に気づかせ、改めさせることが出来ます。
また、今までのやり方の悪い点を見直し、新しい方法を身に着けようとするということもできます。
その失敗が大きければ大きいほど、本人に与えるショックは大きく、上司としてはフォローをすることが大切ですが、それを乗り越えたときの成長は大きなものです。
そのため、失敗体験は
- 自分の力を過信している状態を改めたいとき
- マンネリ化している状態を打破させたいとき
に効果的です。
それまでの成功体験で自信過剰になってしまい、新しい方法を受け入れるのに抵抗があるようなときや、仕事がマンネリ化してしまったときに効果を発揮するものだと思います。
また、チームは元気があるものの上司の言うことを聞かなかったり、エネルギーが正しい方向、会社の意図しない方向に向かっているときにも有効です。
本来は部下に失敗されてしまうと、会社になんらかの損害がでることがあるので、なるべく失敗はさせたくないところです。
しかし自信過剰はおごっている場合は、どこかで歯止めをきかせないと後々取り返しのつかない大きなミスを犯してしまう危険があります。
それを防ぐ意味でも、あえて失敗させることも、長い目で見ればプラスに働きます。
部下の成長は管理職のやりがい
以上のように、部下を育てる方法についてまとめてきました。
人を育てるというのは難しいことで、何か一つの事さえやればよいというものではありません。
こちら側が色々なことを実践し、時にはあえて失敗させた方がいいことさえあります。
しかし、部下が成長することで、部署での成果が出たり、あなたの仕事が楽になるなど、メリットは非常に大きいです。
また、部下が育つのを目の当たりにすると、何とも言えない充実感を得ることができるものです。
部下を育てる方法に悩んでいる人に、紹介してきた内容が少しでもためになれば幸いです。