部下から仕事の報告が来ないのは、上司にとって厄介な問題です。
「もっと早く報告があれば問題が大きくならなかった」「いちいち聞かないと報告してこない」という悩みはよく聞きます。
報告をしない部下に仕事を振るのは心配になりますが、かといって部下に仕事を振らないとあなたの負担は増えるばかりです。
部下が報告してくるようにするためには、どうすればいいでしょうか。
実は、上司の心がけや対応を変えることで、部下の報告を増やすことは可能です。
というのも、部下が報告してこないのは、上司であるあなたに原因があることが圧倒的に多いのです。
今回は、なぜあなたの部下が報告してこないかという理由と、報告させるためにするべきことをまとめました。
「部下が報告してこない・・」と愚痴る前に、この内容を参考にしてください。
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目次
あなたの部下はなぜ報告してこないのか
上司に仕事の報告をすることで、進め方のアドバイスをもらえたり、責任を移すことができます。
そのため、上司に仕事の報告をすることは、本来は部下にとってメリットのある行動なのです。
よほど変な感性の持ち主でなければ、部下も「上司には仕事の報告をしたほうがいい」と思っているのです。
しかし、それでもあなたの部下が報告をしてこないのはなぜでしょうか。
それは、「あなたへ仕事の報告をすることに、なんらかのデメリットがあるから」に他なりません。
つまり、あなたに仕事の報告をすることが嫌なのです。嫌だから報告をしてこないのです。
部下が報告を嫌がる3つの理由
では、具体的にはいったいどのようなデメリットがあるのでしょうか。
これから紹介する3つの対応をする上司は、部下は報告をしたがりません。。
「部下が報告してこない」と嘆く人は、自分がこのような対応をしてないか考えてみましょう。
①報告に対していつも不機嫌である
部下の報告に対して、叱るべきときも当然あるでしょう。
能力が低い部下の報告にはついついいつも叱りたくなることもあるはずです。
しかし、部下の報告に対していつも不機嫌であれば、部下からすると報告することがストレスになります。
その結果。叱られるの嫌だからミスの報告を隠したり、後回しになる・・ということが起きてしまうのです。
②新しく仕事を振られる
部下の仕事の報告を受けた時に、予想より早いペースだからと新しい仕事を追加で指示したり、報告を聞いて思いついた仕事を振ったりしていませんか?
部下にとってこういう上司は厄介で、もともと予定していた仕事が進まずに苦労します。
報告を聞く中で仕事を思いつき、無計画に仕事を丸投げしていくと、部下からすると、「この上司に報告をすると仕事が増える」と思われます。
このようなデメリットを与える上司には報告はしたくありません。
③対策を立ててくれない
上司に報告をする理由の大きなものとして、「うまくいかない仕事に対してアドバイスをもらえる」というものがあります。
アドバイスをもらい、仕事をスムーズに進めるようになるのが、部下にとって報告する大きなメリットなのです。
しかし、報告や相談をされても、「対処は自分で考えろ」と突き放すような上司には、わざわざ時間を割いて報告しようとは思いません。
また、報告にたいして励ましやねぎらいの言葉もなく機械的に聞くだけの上司も、報告したいと思われません。
報告に対して、このような対応をとる上司は、部下にとって報告するメリットがなく、デメリットが大きいのです。
あなたが報告に対してデメリットを与える上司であれば、部下は報告したいと思わないでしょう。
他にもある部下が報告してこないこんな理由
このように、上司のあなたの普段の対応が、部下に報告をさせない理由になってることが多いものです。
しかし、部下自身にも問題があるケースもあります。
上司としては、部下にこのような傾向が見られたら、修正する必要があります。
①「この程度なら報告しなくていい」と思っている
報告の重要性をあまり感じておらず、「このくらいなら報告しなくていいや」とたかをくくってしまうパターンです。
このように考えてしまう部下は、ちょっとミスをしても「なんとかなる」、問題が起きても「自分で何とかできる」と思い込む傾向があります。
②報告するタイミングがつかめない
上司であるあなたに遠慮しすぎてしまい、報告をしたいけど声がかけられないというパターンです。
上司が常に不機嫌だったり余裕がない様子だと、なおさらこのパターンは上司に報告ができなくなります。
このように、報告をしてこない部下自身にも問題があるケースでは、上司がそれに気づいて対処しなければ改善されません。
報告できる部下に育てるための5つの方法
では、部下が報告してくるようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
ここまで紹介してきた理由を踏まえて、5つの取り組みをしましょう。
①報告のメリットを感じさせる
部下からの報告に対して、アドバイスを与えるなどで、仕事をスムーズに進められるようにしましょう。
また、「俺が責任とるからこの調子でがんばれ!」というような声をかけることも重要です。
報告に対してアドバイスをくれたり責任を取ってくれれば、部下も進んで報告するものです。
このとき、さらに仕事を振ったり、嫌味や文句を言ってはいけません。
叱る必要がある場合でも、普段の頑張りを認めたり、再発防止の具体的なアドバイスをして、部下にとって少しでも前向きになれるような接し方をしましょう。
②話しかけやすくする
部下が気軽に報告できるようにするため、話しかけやすい雰囲気を意識しましょう。
不機嫌だっり、余裕のない様子を見せていては、部下は報告をためらいます。
普段から雑談で自己開示(自分のことを話す)することでも、あなたという人間に親しみを持ってもらえ、話しかけやすくなります。。
そうした日ごろの取り組みによって、部下はあなたに声をかけやすくなります。
③報告の基準を伝える
報告する基準を部下に自分で考えさせるのではなく、基準をはっきりと示しましょう。
「仕事の進捗がここまできたら報告する」、「困ったことがあったらすぐに報告する」「判断に迷うことがあったら報告する」などのルールを明確に示します。
それによって、部下が独断で仕事を進めなくなります。
なお、報告が必要ないようなことを言ってきた場合は、「こんなことまでいちいち報告するな!」と怒るのではなく、「今後はこのレベルのことは報告は不要だ」と伝えましょう。
④報告をするタイミングを決める
一日の中で、仕事の進捗などの報告を受ける時間を設けましょう。
あなたがどうしても話しかけやすい雰囲気を作れない場合や、部下が報告をしり込みしてしまう場合に特に有効です。
報告するという時間をルーチンとして決めてしまえば、部下もつい報告しそびれてしまったということにはなりません。
また、あなたが仕事をしているときに声をかけられると気が散ってしまうものですが、このような時間を設ければ、あなた自身も報告を受けることに集中できます。
そのため、報告のタイミングを決めることは、上司にとってもメリットが多いといえます。
⑤報告に対して感謝する
例えば以下のような声掛けはとても大切です。
・部下が気が利いた報告をしてきたときに、「その情報は大事だ、よく教えてくれた」
・悪い報告を早くしてきたときに「この時点なら十分対処できる、助かったよ」
・叱られるようなことを自分から申告してきたときは「報告を自分からしてきたこと自体は立派なことだ」
このように、報告してきたことに対して感謝やねぎらいの言葉など、前向きなフィードバックをしてやりましょう。
前向きな気持ちを伝えることは、ついおろそかになってしまいがちですが、このようなちょっとした声をかけることで、部下もモチベーションは大きく変わります。
こうした声掛けによって報告へのやる気をあげましょう。
上司の日ごろの行動が部下の報告を促す
このように、部下が報告してこないという問題は、上司であるあなたの行動次第で改善することができます。
報告してこない部下には本人なりの理由があり、あなたへ報告するメリットがないから報告しないのです。
「メリットなんかなくても、仕事なんだから報告するもんだろ」という気持ちもよくわかります。
しかし、メリットがなくとも自らきちんと報告してくるような優秀な部下だけではないでしょう。
「部下が報告してこない」とお悩みならば、ここで紹介した内容を参考に、部下が報告しやすいよう日ごろの行動を変えてみてください。