ミスをしても言い訳ばかりの部下にイライラさせられませんか?
明らかに自分が悪いのに、謝りもせずに言い訳ばかりされると「言い訳するな!」と怒鳴りたくもなります。
言い訳は自分の身を守ろうとするための発言であり、言い訳をしても何かが変わるわけではありません。
それどころか、言い訳をされた相手のストレスを溜めるだけです。
このような言い訳の多い部下にはどのように対応するのがよいでしょうか。
今回は、言い訳をする部下の心理や対処についてまとめました。
言い訳ばかりの部下をもてあましている方は参考にしてください。
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部下からのストレスで疲れている人は、よかったら参考まで。

目次
言い訳ばかりで行動しない部下は成長しない
そもそもなぜ言い訳が良くないのでしょうか。
仕事においての言い訳の例としては、
営業の目標達成ができなかった→「商品が魅力的じゃないからだ」
寝坊してしまった→「昨日は遅くまで残業していたからだ」
というような言葉でしょう。
このような言い訳をしているとき、上手くいかなかった原因を周りの環境のせいにします。
上手く行かない原因を周りのせいにしている限り、本人の成長はありません。
原因を周りのせいにしないならば、商品にどんな魅力があるかについて考えて売り出し方を工夫して売上目標を達成したり、疲れが溜まっているならアラームをしっかりセットして寝坊を防ぐという対策をとったりして、同じ失敗を繰り返さないようになります。
しかし、言い訳をして周りのせいにしている限りはこのような発想はできません。
プライベートではどんな考えでも構いませんが、仕事では言い訳をして周りのせいにせず、「失敗を繰り返さないために自分に何ができるか」を考えて行動しなければなりません。
言い訳はそのような成長の邪魔になってしまう行為であり、仕事においては避けなければならないのです。
言い訳が多い人の心理
では、このような言い訳が多い部下はいったいどのような心理なのでしょうか。
これには大きく3つの特徴があります。
①プライドが高い
彼らはプライドが高いために、自分の非を素直に認めることができません。
このタイプは言い訳によって、自分のプライドを守ろうとします。
このとき、ミスの責任を周りのせいにしたり、嘘をついてごまかそうとします。
こちらが強く責めれば責めるほど、相手の言い訳も激しいものとなります。
②自分に自信がない
仕事でもプライベートでも、常に否定されて来た人は、ミスしたときには「相手が追い込んでくる」と感じるクセがついてしまいます。
そのため、こちらが責めるつもりがないのに、自己防衛のために次々と言い訳を繰り出す傾向があります。
③責められたくない
失敗を上司から追及され、責められることを避けたいために一生懸命に言い訳します。
言い訳によって「自分は悪くない」「情状酌量の余地がある」ということをアピールするために言い訳をします。
言い訳する部下には、以上のような心理が働いています。
いずれにせよ、自分を守るための防衛本能のようなもので、意識している場合もあれば、自分でも無意識で話していることもあります。
普段から言い訳することがクセになっていることが多く、すぐに改めることができるようなものではありません。
注意すると言い訳するのは上司の態度にも原因がある

部下が言い訳する心理には、このようなパターンがあります。
それは部下の内面的な部分に原因があることが多いと言えるでしょう。
しかし、部下が言い訳する理由は、上司であるあなたの態度であることもあります。
その典型的なパターンが、ミスをしたときに「なんで?」と追求する行動です。
「なんで?」聞かれると、それに対する答えを返すことになりますが、ミスをしてしまった以上は言い訳にしかならないことが多いでしょう。
しかし、それでも上司から「なんで?」と追求される以上は答えなければいけません。
これが繰り返されるうちに、自然と部下の中でミスに対する言い訳を答えるようになってしまいます。
また、ミスをしてしまったときに上司からの厳しい叱責がある場合も、部下としては「自分を守らなければ」という意識が働いてしまいます。
これが進むと、「本当の理由を話すと責められるため、方便を使って言い逃れをしたい」という気持ちになってしまいます。
このような上司の対応によって、部下の言い訳ぐせがついてしまうこともあります。
言い訳ばかりする人の対処法
このように、部下の言い訳は上司の対応が原因のこともあります。
それでは、部下が言い訳をしないためには上司はどのようにすればいいのでしょうか。
ここでは5つの方法があります。
①結論だけ・結果だけを聞く
何かミスをしてしまった場合、大切なことは「原因の特定、フォロー、再発防止」です。
部下を叱るよりもそれが最優先です。
原因の特定をしようと部下に確認を取ると、色々と言い訳を述べてくる場合は、「結論だけ先に聞かせてくれ」と聞きなおし、フォローと再発防止に必要なことだけを聞き出しましょう。
そして、問題の解決を最優先するという姿勢を見せましょう。そういう姿勢を見せることで、部下としては言い訳をする必要性を感じなくなっていきます。
②一定の理解を示しながら聞いてやる
自分に自信が無かったり、プライドが高いタイプの言い訳は、自分を守るために必死なことが多いものです。
このときにその言い訳をさえぎっても、部下の頭の中は身を守ることでいっぱいになっているものです。
こういうときは、部下の言い訳をまずは聞いてやりましょう。
そして、部下の気持ちに寄り添って、理解を示してやるのです。自分のプライドが傷ついたままでは、部下は冷静になれません。
部下のプライド守ってやる、尊重してやるという意識も重要です。
話を聞いてやることで、「自分のことを受け入れてもらえている」と安心します。
そうなると、ようやく落ち着いて話ができるようになります。
③改善点を聞く
これは②と組み合わせると効果的な方法です。
まずは部下の言い訳を責めずにゆっくり聞いてやります。
そして、部下の言いたいことが収まってきたら、「よくわかった、大変だったね」としたうえで、「どうすればよかっただろうか?」「今後のフォローはどうしたらいいと思う?」と聞いてみるのです。
言い訳を聞いて「それなら仕方ないね」と終わらせるのではなく、「その後どうするのか?」「再発はどう防ぐのか?」ということを考えさせます。
これによって、上手くいかない状況を自分で打開させたり、再発防止策を自分で考えます。
④自信をつけさせる
言い訳の多さが自信の無さから来ている場合は、部下本人に自信をつけさせることが重要です。
子供の頃や、社会人の新人の頃に否定されながら育ってきた人は、自分に自信がないことが多いものです。
そのためには、褒めて励まし、普段の頑張りを認めてあげましょう。
また、比較的簡単な仕事を任せて完遂させることで自信を持たせましょう。
仕事を通じてだんだんと自信がついてこれば、失敗したときにも、自分のミスであることを認め、素直に謝罪したり、自己弁護をしないようになります。
⑤言い訳には意味がないと感じさせる
「言い訳は自分の成長を止めるだけであり、何も生み出さない。」「上手くいかない理由を周りではなく自分に求めることが大切」という考えを折に触れて伝えましょう。
これは、言い訳をしたときに話しても素直に聞き入れない可能性があるため、違う場面で話題に出し刷り込むほうが望ましいです。
・朝礼スピーチの場でエピソードを交えながら話す
・飲み会などアンオフィシャルな場でさりげなく話題にだす
・上司自身が言い訳をしたくなるような大変なときに、言い訳をせずに取り組む姿勢を見せる
というような場面で部下に刷り込み、「言い訳しない」というマインドを持たせることも重要です。
上司自ら「言い訳しない姿勢」を見せるのが最もよい
このように、部下の言い訳の心理や対処法についてご紹介しました。
本人がちょっとした愚痴のつもりであれば励ましてやるだけでよいですが、本気で言い訳をしている場合は考え方を変えさえなければいけません。
まずは話を聞いてやり、その上で「で、どうしたらいい?」と聞き、打開策を考えさせましょう。
また、折に触れて「言い訳は自分の成長を止める」ということを色々な形でしめし、そもそも言い訳を考えさせないことが重要です。
自分に自信がない部下には、自信をつけさせるアプローチも必要です。
そして、自分の態度が部下に言い訳をさせていないか振り返ることも大切です。
一番いいのは上司自身が言い訳しないという姿勢を背中で示すことです。そうなると部下も同じような思考になります。
このようにして言い訳をなくし、部下が成長できるよう導きましょう。
