会社の中では責任転嫁する上司がよく見られます。
どこの世界にも人のせいにしたがる人間はいるもので、もしあなたの上司が責任転嫁をする人間だった場合は大変だと思います。
「何かあったら俺が責任を取る!」と励ましてくれたり、問題が起きたときに自分のミスをかばってくれたりする上司は映画やドラマの中だけかもしれません。
現実には、何か問題が起こったときに責任をあなたに押し付けてくる上司がよくいます。
そういう上司の下で仕事をするとやる気も奪われ、また責任を負わされるという危険性もあります。
ただやる気が無くなるというだけならまだしも、責任を負わされてクビになったり左遷されたらやってられません。
そこで今回は、そんな責任転嫁上司の特徴と、その対策についてまとめました。
責任転嫁上司にイライラしたり苦しい思いをさせられている方は参考にしてみてください。
目次
責任なすりつけ上司の3つの行動パターン
まずは、責任転嫁する上司の行動パターンを把握しておきましょう。
知らずしらずのうちに、あなたに責任やミスの尻拭いををなすりつけようとしている危険性もあります。
そうならないようにも、責任なすりつけのパターンを知っておくことが重要です。
①「そんなことは言ってない」「そんな指示を出した覚えはない」
上司に言われたとおりに仕事をして、それが失敗したときに起こるパターンです。
上司「なんでこんなことをしたんだ?」
あなた「以前にこうしろと言う指示をいただいたのでそうしました」
上司「はぁ?俺はそんなこと言ってない!」
というパターンです。
本当は指示をした自覚があるがはぐらかしている場合と、過去の自分の指示を覚えておらず、忘れてしまっている場合があります。
どちらにしても、上司として、ミスの責任を取る意識に欠けています。
②問題が発生したらいつの間にかいなくなる
顧客からのクレーム電話が来たり、窓口に怒鳴り込んでくるようなことがあったとき、いつの間に席をはずし、自動的に部下がその対応をさせられるパターンです。
本来は、問題が起きたときに責任を取るのが上司としての役割ですが、それを放棄してしまうのです。
「逃げよう」という意図をもってその場から離れたことが証明できなければ、部下から責められても「ごめん、そんなことになってたのを知らなかった」とはぐらかされて終わるでしょう。
③「○○の責任です」と上に報告する
これが一番直球の責任転嫁です。上から失敗についての責任を追及されたときに、「自分の責任です」ではなく、「部下である○○の責任です」と言い切ってしまうパターンです。
本当に部下のミスであったとしても、上司である以上は「自分の責任です」と言うのが本来の上司の役割なのですが、部下のせいだとしてしまいます。
このとき、会社の上層部がその上司の話を鵜呑みにし、その部下だけに責任を負わせるようであれば、社内に責任転嫁体質がはびこっています。
こういう組織にあまり未来はないでしょう。あなたも責任転嫁の術に長けて社内で上手く立ち回るか、転職してしまうのが無難でしょう。
責任転嫁する人の特徴
上司が責任転嫁する場合にはこのようなパターンがあるのですが、ではこのような行動をとるのはなぜなのでしょうか。
責任転嫁をする人間には以下の特徴があります。あなたの周りにこのような特徴がある人がいたら警戒したほうがよさそうです。
①自己愛が強い・プライドが高い
自分自身を完璧な人間だと思っており、自分が失敗をするのを認めることができません。
そのため、失敗した原因は自分以外にあると考え、少しでもそれにあたるものがあれば非難することに力を注ぎます。
「責任転嫁という行為が周りの信頼を失う」ということよりも、「自分の自己イメージを崩さないこと」を重視するのです。
②責められたくない・怒られたくない
今の地位にしがみつきたいという意思が強く、失敗によって自分の地位を失うことを恐れ、責任転嫁をしてしまいます。
また、失敗のリカバリや謝罪などの面倒な仕事をやりたくない、という理由で責任をなすりつけようともします。
これとは別に、責められることで自分のプライドが傷つくため、責任転嫁をしてしまうというパターンもあります。
③自分に自身がないために虚勢をはる
自分に自信がないため、周りに認めてもらいたいという欲求が強い傾向にあります。
自分が価値ある人間だと周りに思わせるためには、自分が失敗をして責められてしまうなんてもってのほかだと思ってしまいます。
そのために失敗の責任を誰かに負わせるという行為をしてしまいます。
このタイプは、「潔く失敗を認め部下をかばうことで、周りの人に認められる」ということがわかりません。
責任転嫁する上司の対処法
責任転嫁をする上司にはこのような特徴があり、自分を大切にしたいがために周りの人を陥れてしまいます。
では、このような人間にはどのような対策が必要なのでしょうか。
ここでは3つの対策をご紹介します。
①確認・承認をこまめにとる
とにかくこまめに報連相を行いましょう。
仕事を進めている最中に確認を怠り、失敗してしまった場合、このタイプの上司はあなたを守ってくれないと考えてください。必ずあなたのせいにされます。
多少手間がかかりますが、仕事を進めるときに「ではこの方法ですすめますがよろしいですね」と断りを入れて相手に必ず確認させましょう。
この確認はメールや議事録などの形で残しておくことが重要です。あとから責任転嫁されそうになったときに、このような記録が残っていれば反論できます。
②さらに上の上司へ訴える
①の方法でマメに確認をとり、きちんと記録が残っていれば、責任転嫁されたときには上司のさらに上の上司に訴えることも有効です。
このときは冷静に事実を伝え、客観的な証拠も突きつけます。
上司のほうが上層部から信頼されていることが普通ですから、「言った、言わない」の争いになってしまうと、どうしても上司のほうが有利になりがちです。
それを覆すためには、必ず客観的な証拠が必要です。
このようにして会社上層部にきちんと伝えることができれば、その会社が適正な判断を下せる体質であれば、きちんと上司を処分してくれるでしょう。
③いないものと考える
また、責任転嫁してくる上司を無視し、自分ですべて責任を負うつもりで仕事を進めることも良い方法です。
上司の指示にしたがって仕事をすすめ、失敗したらやるせないですが、自分で責任を負うつもりで自分で考え仕事を進めればイライラしません。
上司が細かく口を出してくる場合はこの方法はとれませんが、無関心な上司だった場合はこの方法が取れます。
上司に頼るのは最低限にし(決裁をもらうときも「私が責任を取ります」と明言しておけばその上司も承諾することが多いでしょう)、その上司はいないものとして自分が率先して動きます。
こうするれば、責任転嫁上司のもとでもあなたの納得のいく仕事ができるでしょう。
責任を負わせる上司は部下のやる気を失わせる
これは過去の自分の経験から感じたことですが、上司の責任転嫁による一番の罪は、「部下のやる気をなくす」ことだと思います。
上司が部下を引っ張る方法として一番の王道が「自分が率先する」ということです。
自分の努力する背中を部下に見せ、その姿勢で感化させるのが一番健全なやる気の出させ方です。
責任転嫁はこの真逆です。チームで何があっても「自分は知らない」「俺の責任ではない」「お前たちに問題がある」と突き放すようではやる気が上がらないどころか下がります。
責任転嫁されても害が無いなら流すのも一つの手
このように、責任転嫁上司との向き合い方をご紹介しました。
基本的に部下が上司に責任を負わせようとするのは難しいものです。
また、責任を認めさせても開き直るなんてこともあるため、認めさせたところで大して得るものはありません。
そのため、責任を負わせて気分が済むなら、そのまま責任を引き受け、波風を立てずにいくという方法もあります。
しかし、責任転嫁されたらクビや減給など、自分に被害が及ぶことになる場合は話が別です。
あなたに非が無い、責任は上司にもあるということを冷静に主張しましょう。
自分の身を守るためにも、ここで紹介した内容を参考にしてください。
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