仕事においてストレスはつきものです。
仕事を進めたいけど上司が使えないから上手くいかないだとか、お客さまからのクレームが辛い・・などなど色々なストレスがあります。
お酒の場で同僚に愚痴を漏らすことですっきりできるようなストレスもあれば、もっと大きなストレスもあります。
これは特に人間関係によるストレスが多いでしょう。
「上司からの指示に従わなければいけないが、部下からの反発が大きく、何とか間を取り持たないといけない。」「上司からの叱りが非常に激しく、いつ怒られてしまうかと毎日ビクビクする。」というようなレベルもあります。
ここまでくると愚痴を言うだけではストレスを上手く発散することができず、出社することに気が重くなり、しまいには心身が病んでしまうということにつながります。
そのための考え方として、最近「レジリエンス」という言葉が注目されています。
このレジリエンスという考え方を身につけることで、降りかかるストレスに上手く対処できるようになります。
今回は、この「レジリエンス」についてまとめました。
ちなみに、仕事のストレスで疲れている人に、おすすめ癒しグッズを紹介しています。よかったら参考まで。
目次
レジリエンスとは「心が折れないための考え方」
レジリエンスとは心理学の用語です。
家族、人間関係、健康問題、職場や金銭的な心配事、その他より起こり得る「脆弱性 (vulnerability) 」の反対の概念であり、自発的治癒力の意味である。
「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳されるが、訳語を用いずそのままレジリエンス、またはレジリアンスと表記して用いることが多い。
出典:Wikipedia
少し難しいですが、簡単に言うと「ストレスから回復する力」、「ストレスに負けない力」と考えてよいです。
つまり、レジリエンスが高ければストレスに負けずに仕事ができ、レジリエンスが低ければストレスに負けてしまい、心身に支障をきたしやすいということになります。
また、レジリエンスの大きな特徴として、「レジリエンスが高い=鋼のメンタル」ではないということが挙げられます。
「レジリエンスが高い」というのはどんなストレスも鋼のように跳ね返すのではなく、柳の木のように受け流すスキルや意識が高いことを指すようです。
一般的に“心が強い”とイメージするのは、“鋼のような”、“跳ね返す”、“硬い”、“頑丈な”というイメージを持つが、
レジリエンスというのは、楽観性のように自分のいる状況に対して前向きに、不安とかそういうものに打ち負けないでしなやかにこなしていく。
そういう心の持ちようがレジリエンスだということ
これはイメージとしては合気道でしょうか。ストレスから真っ向から取っ組みあってねじ伏せるのではなく、相手の力を受けずに受け流すようなイメージです。
よく、ストレスに強いことを「鋼のメンタル」、ストレスに弱いことを「ガラスのハート」という表現をしていますが、ストレスをぶつけられてもどれだけ頑丈か、ということではなく、ストレスをどれだけ上手く受け流せるか、ということが大切なのかと思わされます。
レジリエンスを高める3つの考え方
ではレジリエンスを高めるにはどうすればいいのでしょうか。
レジリエンスを高めるためには特殊な訓練は必要ありません。考え方を変えることで高めることが可能です。
ではどのように考え方を変えればいいのでしょうか。今回私が紹介したいのは3つです。
ストレス・苦労からの学びを見つける
例えば、上司からいつも嫌味を言われ、それが毎日ストレスになっているとしましょう。
このとき、ただ「上司の嫌味がイライラする・・」と考えるのではなく、「こういう言い方をすると相手に不快感を与えてしまうのか」という気づきがあったり、「嫌味にイライラしないためのコツ」などを閃くかもしれません。
また、仕事でミスをしてしまったときは、再発防止のコツを見つけたり、関係各所へのお詫びの方法を身をもって学ぶことになるでしょう。
このように、どんな苦労やストレスにも必ず気づきや学びがあります。
それは生きていくうえでの知恵となり、将来の自分がより良くなるための糧となります。
※たまたま同様のことをこの記事でも取り上げていました
そのため、ストレスを受けることがあれば、それは必ず自分の学びとなることを意識して、そしてどういう学びであるかを考えてみましょう。
そして、「価値があるものだ」と自分の中で感じれば、受けるストレスも弱くなる傾向にあります。
問題を大きく捉えすぎない
2つ目は「問題は大きく捉えすぎない」ことです。仕事や職場におけるストレスで、永遠に続くものはありません。
上司は配置換えや退職によって変わるのが普通で、プロジェクトもいつか終わりになります。
仕事の方法もIT技術の進歩によって変化します。社内の体制も改革があればガラッと変わることもあるでしょう。
このように仕事においては予期せず環境が変わることが多々あり、それによってストレスの元となる問題も解決することが多いです。
また、自分では大変な問題だと思っていても、他の人に相談したら意外と簡単に解決できることもあります。
このように、ストレスの元となる問題は自分で感じているほどたいしたことはないケースがあります。
そのため、あえて楽観的に考えることが大切です。
- 「この問題は永遠には続かない、○○の時期には決着がつく」
- 「この問題は本当に大きな問題なんだろうか、そんなに気にするようなことなのか」
- 「同じようなストレスや問題を抱えている人は他にもいないだろうか」
などの思考をし、大げさに考えないようにしましょう。
困難は分割して考える
また、これに近いものとして、「ストレスの元になる問題を分割して考える」といいうことも有効だと私は考えています。
フランスの哲学者、デカルトの言葉に以下のようなものがあります。
困難なことはすべて、扱うことができ、解決が必要な部分へと分割せよ
ここから、「困難は分割せよ」とよく言われます。
ストレスに感じる問題があれば、それをそのまま受け入れず、分割して小さくしようと考えるのです。
例えば
- 上司が嫌で会社に行きたくない場合→ひとまず今日は会社には行こう
- 営業の飛び込み訪問が嫌だ→ひとまず3件だけやってみよう
と考えてみるのです。
これは短期的な対処かもしれませんが、ストレスの元を分割して考えてみることで、ストレスに負けないための第一歩を踏み出すことが出来ます。
こう考えればレジリエンスが高まり、ストレスで行動する気力が湧かないときなども、この考えで、小さな行動からまず起こしてみることが出来るようになります。
レジリエンスを高める3つのテクニック
また、それ以外にもストレスと適切に向き合う具体的なテクニックを実践することもレジリエンスを高めることになります。3つご紹介します。
紙に書き出す
意外に思うかもしれませんが、結構効果的です。
ストレスに感じていることとその原因、自分がそれにストレスを感じている理由、どのような対処をするべきか、ということを思いつくままに紙に書き出してみます。
書くことによって思考が整理され、自分がどう向き合えばいいかがクリアになります。
これによって頭の中のモヤモヤがスッキリし、ストレスが軽減されます。
運動する
運動によって頭の中がすっきりするとよく言われます。
これはただ気分転換になる、という感覚ではなく科学的な理由があります。
運動によってセロトニンやエンドルフィンという神経伝達物質が増加し、不安を解消し、前向きな気持ちになるという研究結果が発表されています。
激しい運動はもちろん体が疲れてしまいますが、軽いランニングやジョギング程度を行なうことで、ストレスを軽減する神経伝達物質を分泌させることができます。
夢中になる趣味を持つ
ゲームやスポーツ・読書など、なんでも構いませんが、それに没頭して、それをやっている間は仕事のストレスを一切忘れるという趣味を持つことも大切です。
大きなストレスが長く続くと、仕事ではない日でもそのストレスを感じることがあります。
そんな中でもすべてを忘れることのできる趣味があれば、そのストレスを忘れることが出来ます。
頭の中をいったんリセットすることができるでしょう。
ストレスは跳ね返すのではなく受け流す
このように、「跳ね返すのではなく、受け流す」という視点でストレスに負けない考え方やテクニックを知っておくことは非常に重要です。
仕事をしている限りは、ストレスと無縁ではいられないでしょう。そのときにただ耐えたり、悩んだりするよりも、受け流す思考でいることで上手く向き合えます。
考え方や難しくないテクニックなので、はじめるうちに少しずつでも慣れていくものです。
これらの内容を実践し、あなたのレジリエンスを高めていきましょう。