上司への相談は、仕事を円滑に進めるために非常に重要な要素です。
自分が担当する仕事は、あなた一人ですべて完璧にこなせることばかりではないでしょう。
そういうときには上司への相談が必要になります。
しかし部下にとっては、上司に相談することで「こいつは面倒くさいやつだ」「そんなこと一人で解決しろ」と思われたらどうしよう、という不安もあるものです。
しかし、会社という場でビジネスをする上では、適切に相談をして成果を出すことが求められます。そのためには必要に応じて上司へ相談しなければいけません。
また、実際に上司へ相談したときに「で、あなたはどうしたいの?」と少々冷たく突き返されたことはありませんか?
上司に相談することは大切ですが、それも適切な方法で相談をしないと上司から叱られてしまうことも確かです。
つまり、上司への相談は「適切な方法を知り、必要に応じて行う」というスタンスが重要なのです。
そこで今回は上司への相談の適切な方法と、「相談できない」と悩む人へのアドバイスをまとめました。
目次
上司へ相談するときの3つのポイント
まずは上司へ相談するときに心がけるべき3つのポイントを押えましょう。
プライベートでの恋愛相談とは違いますから、相談するときに心がけるべきマナーを知ることが大切です。
①まずは自分で調べる
分からないからといって何でもすぐ聞きにいく姿勢はいけません。まずその問題の答えが自分で見つけられないか調べることが必要です。
社内のマニュアルに載っていないか、似たような前例がないか、研修のときに教わっていなかったかなどを振り返りましょう。
調べればすぐ分かることを敢えて上司に聞いてしまうようでは、逆に上司から怒られてしまいます。
②要点をまとめておく
相談するときにはダラダラと要領を得ない話し方をするべきではありません。
要点を絞らずに上司に話はじめてしまうと、話の内容を理解してもらうことにエネルギーを使ってしまいます。
そうなると本当に力を入れるべき「解決法の検討」にかけられる力が奪われてしまいます。
また、上司への相談は上司の時間を奪うということになります。そういう意味でも、上司が簡潔に理解できるようまとめておく必要があります。
このとき、話のはじめに「どのような案件についてか」を話すことが重要です。
最後まで聞かないとどういうことを相談したいのか分からないのでは、上司が話を理解するのに疲れてしまいます。
③相談するときには上司の都合を伺う
相談するときには、上司の都合を確認し、落ち着いて相談を聞いてもらえるシチュエーションを作りましょう。
「お忙しい中申し訳ありません、1点相談があるのですが今お時間よろしいでしょうか」と聞くのが一般的な方法です。
上司から「今忙しいから後にしてほしい」といわれた場合はいったん引き下がり、声がかかるのを待ちましょう。
また、事前にメールで大まかな用件と時間が欲しい旨を伝えておくのも、非常に有効な方法です。
メールの場合は上司の都合で、見たいときに見ることができます。対面での時間がなかなか取れそうにない場合はこの方法も有効です。
このようなポイントを押さえておけば上司への相談はスムーズに行くものです。
適切な形で相談できる部下は、上司にとっても安心できる相手になるので、あなたに対してプラスの評価になるでしょう。
「上司に相談できない」と悩む人に伝えたい3つのポイント
以上のポイントを押さえ、効果的に上司へ相談をすることで、仕事がスムーズに進むようになります。
しかし、相談に慣れていない人はやはり相談することに不安を感じることがありません。
そんな人には以下の3つのポイントを意識してください。
①相談タイミングが遅くなると致命的な問題もある
例えばクレーム対応は最初の対応がとても重要です。
最初の対応を間違えると余計に炎上してしまう一方、適切に対処するとで簡単に収まることもあります。
適切なクレーム対応をする上で、上司の決済やアドバイスが必要という場合は、必ず早急に行いましょう。
上司に相談ができなかったばっかりにクレームがヒートアップし、会社への損害が大きくなるのは避けなければいけません。
その結果上司から「なぜ相談しなかったんだ」と叱られてしまっては、元も子もありません。
②普段から会話することで相談もしやすくなる
「上司へ相談しにくい」と感じる一つの理由としては、「そもそも上司に話しかけにくい」ということが挙げられます。
その場合は、日ごろから雑談などのコミュニケーションをとることを心がけてみましょう。
飲み会の席や休憩時間、会議の待ち時間や移動時間など、直属の上司であればちょっとした時間で雑談を振っても差し支えないタイミングがあるはずです。
また、社交的な上司であれば何かのタイミングで雑談を振ってもらえることもあるでしょう。
そのときに変に遠慮せず、話を広げることで上司との関係を深めましょう。
雑談によってお互いの仕事以外の一面を知ることで、人として話しやすい関係性ができるものです。
③相談によって上司の良し悪しが分かる
部下であるうちはあまり意識しないかもしれませんが、相談を受けたときにどう対応するかによって、良い上司か悪い上司なのかがハッキリわかります。
上司に求められるのは、部下としてチームが成果を出すことです。
そのためには部下が力を発揮してもらうように支援するのが必要なことで、そのため部下からの相談に乗ることはかなり優先度が高いものです。
多くの上司はそれを分かっており、極力部下からの相談には乗ろうとしてくれます。
一方、部下からの相談に冷たくあしらうのは、上司としてするべきことではありません。
そのため、「上司は部下の相談に乗ることも仕事の一つだ」と考えてどんどん相談をするべきです。ただし、その時は適切な方法で行うように意識はしましょう。
相談によって上司を味方につけるテクニック
また、上司への相談を利用して上司を自分の味方につける方法もあります。
たとえばあなたが営業の仕事をしているとして、成約率が同僚に比べて思わしくないとします。
このとき、「成約率が良くないこと」を思い切ってそのまま上司に相談してみるのです。
ちなみにその際には、自分なりにしている努力を伝えることも必要です。
このような相談をすることで、上司からすると「この部下は成約率を低いことを自分で自覚しており、それを克服するために努力している」と感じてもらうことができます。
なにも相談していないと、最悪「手を抜いているから成約率がわるい」と上司に感じさせてしまう危険もあります。
部下が成果を出してもらうことが上司の評価につながるので、必ずなにかしらのアドバイスをもらえます。そしたらそれをしっかり実践しましょう。
そしてその結果報告をまた相談という形で行うのです。そうするとまた更なるアドバイスをしてくれるものです。
なにか失敗したとしても、普段から努力しているあなたを知っている上司は、頭ごなしに叱られずに暖かくアドバイスしてくれることも多くなります。
このような方法で上司へ相談することで、上司を味方につけ、また有益なアドバイスももらえます。一人で悶々と悩むよりも成果をだす確率もぐっと上がるでしょう。
「相談しても無駄だ」と感じる上司への相談方法
ここまでは上司がすべて相談にのってくれる「良い上司」を前提に話してきましたが、残念ながらそうではない上司も多くいます。
彼らは部下からの相談に乗ることを面倒くさがったり、人の話をじっくり聞けないという理由から、部下からの相談に対して「また今度聞くよ」「なぜそんなこと自分で考えられないんだ」などと言って突き放します。
否定ばかりする上司の2つの原因と上手く転がすための2つの方法
上司がこのようなタイプの場合は、部下としては相談する気がかなり失せてしまうものですが、それでも上司への相談が必要なときもあるでしょう。
そういう場合は以下の2つのポイントを意識することで、いくらかは話がしやすくなるはずです。
①「自分の辛さ」よりも「会社の不利益」という視点で話す
良くない例:
「同僚のAとそりが合わなくて仕事に対するモチベーションがあがりません。皆も困っています。」
良い例:
「同僚Aとの打合内容にあいまいなところがあり、言いたいことがうまくつかめず成果が出せずにいます。他のメンバーも同じような思いをしているようです。」
中身としては同じことなのですが、良くない例だと、「ただ甘えている」という印象をもたれてしまう可能性があります。
良い例のほうでは具体的に困っているポイント(話の内容があいまい)に触れ、それが原因で成果が出せないという内容で相談をします。
良くない例の言い方だと「それは君が頑張って解決するべきだろう」と一蹴されてしまう危険性があります。
つまり、「困っているから助けてよ!」というような相談の仕方は、仕事においては望ましくありません。
部下の相談の内容にこのような「ツッコミどころ」があると、上司としては部下の相談の内容の前にそこが気になってしまい、相談したい本題まで話が進まないという事態を引き起こしてしまいます。
相談をする場合には、そのような「ツッコミどころ」のない表現をすることが必要です。
これができると相談内容を上司に受け入れさせることが可能になります。
②自分なりの解決策を提示する
相談するときには自分なりに考えた解決策もセットにして相談したいところです。
「○○という事象が起こっており、対応を悩んでいます。私としては××という方法をとろうと考えているのですがいかがでしょうか」
という言い方をしましょう。
困っていることを伝え、それに対する自分なりの解決策を提示し、その良し悪しを判断してもらう・・というスタンスが望ましい相談です。
この方法で相談されると、相談された側は提案された案でよければそれでいいよ、とすぐにゴーサインを出すことができます。意思決定も早くなります。
またそれが良くない場合は代替案をその場で出すことができます。
提案された案がボツになったとしても、その案の良くない点を踏まえて代替案を思いつくことができるので上司にかかるストレスが少なくなります。
うまく上司に相談に乗ってもらうことが成功への鍵
以上ようなポイントを押さえれば、上手に上司への相談ができるはずです。
仕事で上手くいかないことがある場合は、やはり直属の上司に相談してみるのが一番です。
相談して逆に叱られたらどうしようという不安もあるかもしれませんが、適切な方法で行えば上司との信頼関係を築くことができます。
相手が相談に乗りたがらない厄介な上司の場合でも、やり方によってはうまく話すことができるものです。
上司への相談を上手く活用して、仕事をスムーズに進めていきましょう。
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