会社内でリーダーや管理職になるとき、自信がないと不安を抱えることはないでしょうか。
特に、始めてのリーダーだったり、年上の部下ができるという場合なんかは、「自分が上司でいいのだろうか」と不安になることもあるでしょう。
上司として自信がないと、部下の方も「この人についていって大丈夫だろうか」と不安になり、信頼されなくなる可能性もあります。
それでは、上司として自信を持つためにはどうしたらいいでしょうか。
この記事では、上司として自信をもつために必要なことをまとめました。
目次
まずは仕事の実力があるかどうか
会社のなかで出世して上司になる場合は、仕事の実績や経験の長さをかわれてというケースが多いはずです。
たとえば営業の管理職ならば、営業として優秀な成績を上げたなどの実績が評価されて、出世するなどのケースが多いでしょう。
このような経緯で上司になった場合は、部下たちも最初からあなたを信頼していることが多いはずです。
もしこのパターンで上司になっても自信がない場合は、仕事の実務で役に立つ知識やノウハウを積極的に伝えるようにしましょう。
「この人の言うことを聞けば仕事がうまくいく」という実感を持たせられれば、それだけで十分信頼を得ることが可能です。
上司としては自信がなくても、実務に自信がある場合は、アドバイスやサポートに力を注ぎ、部下の仕事がうまくいくように全力を尽くしましょう。
実務の経験や能力がない人が意識したい5つのポイント
しかし、中途入社でいきなり管理職になる場合や、社内人事の都合によっては、実務経験がない部署の管理職になることもありえます。
こういう場合は、自分自身に実務という後ろ盾がない分、上司としてやっていけるか自信がないこともあるでしょう。
このケースでは、部下のやる気を上げることに力を注ぎましょう。
「この人のもとで仕事を頑張ろう」という気持ちにさせることができれば、部下は前向きに仕事をしてくれます。
そして、部下のその様子を見ることで、上司として自信を持つことができると思います。
そのために重要になるポイントを、5つ紹介します。
自部署の仕事の意義や役割を伝える
自分たちの部署がどういう役割を担っているのか、会社全体にどのような貢献をするのかということを明確にして伝えるようにします。
多くの場合、一つの部署のメンバーは、会社全体の仕組みや他の部署がどのような仕事をしているかを詳しくは知らないものです。
そこで、
- 他の部署がどのような目的で努力をしているか
- それが自分の部署とどういう関りがあるのか
- そのうえで自分達はどのようなことをしなければいけないのか
ということを伝えることが大切です。
こういう説明によって、会社組織に対しての連帯感や自部署の役割に意義を見出します。
人は自分のやっていることに価値を感じることが出来れば、モチベーションがあがります。
ただし、話が長くなるなる可能性があるので、年一回や月一回の改まったミーティングなどで話すのがよいでしょう。
求められていることを明確に示す
営業のように数字目標があればそれを、そうでなければどのようなレベルの仕事を求められているのかを明確にして具体的に伝えます。
「具体的に」というのは、入社して1日目の新卒でもはっきり分かるように噛み砕いて伝えることです。
これを示されることで、部下達が何を目指せばいいかが明確に分かるようになります。
管理職には目標数字などが示されることが多いですが、一般レベルの社員だと、意外とここが明確にならないまま仕事をしているケースが多いので、注意が必要です。
これは、自部署の意義や役割と同じように、ミーティングの場でかっちりと伝えるのが基本です。
意義・役割・目標は繰り返し伝える
地味なことですが、非常に重要です。
1回だけ言われても人は忘れ、そして風化します。
そのため、自部署の意義や役割や、求められることや目標については、繰り返し発信し浸透させる必要があります。
繰り返し伝える際には、ただオウム返しのように同じ言葉を話すのではなく、例え話や成功事例、誰かの引用など、手をかえ品をかえ色々な表現をして話しましょう。
口頭で伝えるだけではなく、定期的にメールや社内ツールで発信したり、壁に張るなど、見える化することも大切です。
「どのような仕事をするべきか」「どれくらいのレベルでするべきか」といったことを、日常的に刷り込むことを意識しましょう。
部下の仕事ぶりを評価する
良いことをしたり、成果を出したら褒め、悪いことをしたら指摘したり叱ったり改善を促したりします。
人は評価をされず、がんばっても怠けても同じだと思った場合は、自然と楽なほうへ流れます。
そうならないように、メンバーそれぞれの働きや行動を評価することが大切です。
具体的な方法としては、多くの人の前で頑張りや成果を讃えたり、個別に面談して一人ひとりの成長や最近の努力を認める機会をとるなどがあるでしょう。
自信がないうちは、成果を出したら褒める・認めるという方に力を入れましょう。
また、「皆さんの頑張りがあるから成果が出ている」「いつも頑張ってくれてありがとう」という感謝やねぎらいを言葉にすることでも効果はあります。
「責任は自分がとる」という姿勢を見せる
また、責任が大きいと思われる案件は、部下が安心して仕事に打ち込めるように「責任は自分がとるから思い切ってやろう」という発破をかけることも重要です。
部下の中には、「上手くいかなかったらどうしよう」と不安を持つ人もいます。
そういう時に、「上司が責任をとってくれるから」と声をかけてくれれば、リラックスして仕事に打ち込むことができるうえ、あなたの存在を頼もしく感じてくるようになります。
熱血リーダーは理想の上司?
このように、上司として自信が場合、部下のやる気を上げることに力を注いでみることをオススメします。
また、一般的に憧れの対象になる上司像として、「熱血リーダー」を意識する人もいるかもしれません。
実際、ドラマやドキュメンタリーなどで、熱血なリーダー像が取り上げられることがあります。
こういう場合、熱意に溢れたリーダーが、やる気のなかったメンバーを感化させて、チームを成功に導くというサクセスストーリーが描かれます。
しかし、自分にはそんなリーダーはできないと感じる人も多いでしょう。
確かに熱血リーダーは華やかで、成功しているケースが多いですが、私の経験や、周りの人を見るかぎり、成功しているリーダーは熱血タイプばかりではありません。
部下をうまく引っ張るリーダーには、熱血以外にも以下のようなタイプがあると感じています。
そのなかから、自分の性格に合った上司のタイプを目指せばよいと思います。
仕事能力で引っ張るタイプ
とにかく実務に優れており、「自分の言うとおり仕事をすれば成功する」という状態を作ることができる上司です。
部下に対するメンタルの細かいフォローは苦手なものの、「この人の言うとおりに仕事をしていれば間違いない」とメンバーから信頼される関係を作ります。
また、実力の背景にはリーダーの仕事に対する真剣な思いがあり、それが部下がついてくる源泉となっている傾向があります。
具体的なデータを示すタイプ
このタイプは、部下に対して仕事の目標や役割をしっかりと伝えることに長けたタイプです。
- 売上目標に達成するためには具体的に一日あたり○○円必要
- 一日に○○円作るためにはこのような行動をとることが必要
- 自分たちに求められている仕事は〇〇
- 自分たちに求められている仕事をこなすには、〇〇をしなければいけない
など、目標や会社から求められている役割について、説得力のある説明を部下に伝えることができます。
また、説得力そのものだけでなく、説得力のある指示を伝えるために深く物事を考えている姿勢に、部下が尊敬しついてくる傾向があります。
人情で部下の心をつかむタイプ
部下のことを良く観察し、その働きぶりを見て適切なタイミングで褒めたり、サボっている時は注意します。
高圧的に命令をすることは無く、部下の気持ちを尊重しながら指示を出していきます。
注意をするときも、一方的に話をするのではなく、部下が受け入れやすいような話し方をします。
下記記事内の「注意するときは相手の気持ちに寄り添う」の部分が参考になります。
このような姿勢が、「自分達を見守ってくれている」という思いが部下からの信頼を作り、思いやりも上手に示すことができます。
「熱血」よりも「熱意」が大事
いくつかのタイプを挙げてみましたが、このようなタイプのうち、自分に合ったタイプで上司として仕事をしていけば、部下から信頼される可能性が高くなります。
無理に熱血を演じなくても、部下から信頼され、上司として自信をつけることができるはずです。
なお、ここまで紹介したタイプの中に一つだけ共通していることがあります。
それは「熱心である」ということです。
それぞれのタイプは、実務能力を伸ばすことであったり、目標や役割を伝えること、部下のことを思いやることなどに熱意を持っています。
人は、相手の言動に心がこもっているかどうかを見分けることに敏感です。
うわべだけで仕事をしていればすぐにバレる一方、熱心に仕事をしていると、それをくみ取ってくれることも多いものです。
上司として自信がないと不安な人は、自分にあったタイプのリーダー像を見つけ、熱心に管理職の仕事に取り組んでみましょう。
信頼はすぐには得られないかもしれませんが、熱心さが伝われば、必ず心を開いてくれ、その部下の様子が、あなたに上司としての自信をつけてくれるはずです。