現場メンバーを取りまとめる中間管理職には、降りてきた会社方針を伝える役割があります。
経営層が会社の方針を決め、現場リーダーに大雑把な方針を示し、現場リーダーが部下に指示をだすことが多いでしょう。
その方針が、現場のモチベーションがあがるようなものの場合は心配はありませんが、そういうことばかりではありません。
業務量が増えたり、突然新しいことをはじめたりなど、現場の人たちから反発される方針であったり、また上司自身が納得できないこともあるかもしれません。
しかし、管理職として求められるのは、現場側に立ち経営層に反発することではなく、逆に現場のメンバーを納得させ、その方針のとおりに動かしていくことです。
そのために管理職には「上からの方針をうまく伝え、それに従えて動かしていく能力」というのが求められることになります。
つまり、上層部からの方針を「翻訳する能力」が必要ということです。
なかな大変なことではあるのですが、今回はそのためのポイントをまとめました。
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目次
会社方針が出された背景を伝える
会社方針には必ず背景があります。多くの場合、それは組織(会社)関係者の誰かにとっての利益の向上です。
それがメンバー自身のためであることがベストなのですが、もちろんそういうケースばかりでは無いと思います。
他の部署であったり、顧客であったり、経営層であることもあるでしょう。
たとえメリットが自分達に関係するものでなかったとしても、それをしっかりと現場のメンバーに伝えることで、その方針が会社にとっては意味ある決定だということを理解してもらいましょう。
人のモチベーションは、「なぜそうするのかがわからない」という状態になった場合に下がりやすくなります。
それを防ぐには、その方針の背景を伝えましょう。
部下にしてみれば、直接上層部とコミュニケーションをとる機会がありません。
そのため、上司がどのように方針を説明するかによって、部下が方針をどう理解するか変わります。
上司が方針決定について詳しく説明することで、部下はその方針に意義を見出せる可能性が高まると思っておきましょう。
会社方針は主体性を持って伝える

また、上司自身が「自分はこの方針を受け入れてやっていくつもりだ」という姿勢を見せることも非常に重要です。
上司自身に人望があれば、「納得はしきっていないけど、上司がそのようにするならついていく」と部下が受け入れやすくなります。
上司自身がその方針を受け入れるためには、方針転換によって「誰にメリットがあるのか」を考え抜くことが大切です。
それがお客さんや現場社員なのであれば、部下も納得しやすいので積極的に伝えるべきです。
上層部からの説明中に「誰が得するためのか」という情報も盛り込まれている場合はそれも強調して伝えるだけでなく、さらに上司自身が考えるメリットも重ねて伝えると説得力が増すでしょう。
一方、メリットが「会社が儲かるためだけ」という場合は、現場社員は不満に思う可能性もあります。
しかし、会社が儲かることで会社の規模が大きくなり、ひいては現場社員の待遇にも反映されていく・・ということを伝えて理解を得るということもできるでしょう。
一番良くないのは、そうした取り組みを放棄し、「俺は納得していないけど、上からの方針だから従うしかないわ、よろしく」と丸投げしてしまうことです。
こうなると部下のモチベーションは一気に下がります。
あまりに理不尽な方針の場合は、上司も投げ出してしまいたい気持ちはわかるのですが、それだと上司がいる意味がなくなってしまいます。
会社方針は具体性を持って伝える
また、ただお題目のように「これからはこういう方針でいこう」という話をするだけでは足りません。
その方針のもと、具体的にどう行動を変えていくか、ということも示す必要があります。
- 具体的にどの行動を増やすのか/どの行動をなくすのか
- いつから行動を変えるのか
- はじめから一気に変えるのか/だんだんと変えていくのか
- 変えるための準備として、どのようなことをいつまでに行うのか
といった視点で意思決定を行い、部下と共有します。
ここまでの翻訳作業(背景を伝える・主体性を持って伝える)がスムーズに行けば、このような意思決定どおりに話が進むでしょう。
管理職に求められるのは「翻訳」の仕事
以上、部下に会社方針をうまく伝えるための、3つのポイントをご紹介しました。
管理職という立場は、経営層と現場をつなぐ役割を果たさなければなりません。
したがって、上からの方針を「背景を詳しく伝える」「主体性を持って伝える」「具体性を持って伝える」という「翻訳」の仕事が求められます。
上層部から伝えられる方針は上司自身も含め、現場部下に負担を強いるような内容であることも多いでしょう。
そんな方針でも、ここで紹介した3つの翻訳作業で伝えれば、仕事を回しやすくなると思います。
