動かない部下を持つと、上司は苦労します。
「何度指示しても動かない」「期限を守らない」「何を言ってもやる気がない」という悩みを持ったことはないでしょうか。
厳しく命令したほうがいいのか、優しく丁寧に依頼したほうがいいのか、接し方を変えれば指示通りに動くのか・・といろいろ悩んでしまいます。
動かない部下には「何を言っても響かないからもうだめだ」と諦めたくもなりますが、多くの場合、部下が指示通りに動かないのは上司の接し方にあります。
では、どのように接すると部下は動くようになるのでしょうか。
そこで今回は、部下が動かない理由や、部下を動かすためのポイントについてまとめました。
動かない部下に苦労している人は参考にしてください。
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目次
部下が思うように動かない理由
部下が動かない理由には、色々なものがありますが、主に上司の接し方や姿勢が原因です。
そのなかでも代表的なものをここでは3つご紹介します。
動かなくても被害がない
例えば、あなたの部下が期限までに提出物を出さなかったとき、「明日までにだしてよ~」という声をかけるだけで終わったりしていませんか?
「提出物を期限どおりに出す」ということをチームの中で徹底し、出さなかったときに厳しく叱るという対応をとれば、その部下は次からきっちり提出するはずです。
つまり、部下にとって「動かなくてもいい環境」を作ってしまうことで、実際に部下が動かなくなってしまうのです。
自主性に任せすぎる
部下のやる気をあげるためには、細かすぎる口出しをせずに、ある程度自由にやらせたほうがいいという考えがあります。
しかし、部下が未熟なうちにそうしてしまうと、部下は「自分で仕事の方法を考えて進めていいんだ」と思うようになり、何かにつけて自分で考えて動くようになります。
もちろん、自分で考えること自体は悪いことではありません。
しかし、上司から指示された内容に対して、自分流に解釈して仕事することが習慣化してしまうと、上司の指示通りには動かないという習慣がついてしまいます。
自分の基準で優先順位をつける
実際の職場では同時進行で仕事をすすめることが多いですが、その優先順位付けを部下に任せっきりになってしまうと、部下が自分の都合で優先順位をつけます。
上司としては優先して欲しいことがあったとしても、部下はその通りにはやらず、自分なりの優先順位で取り組んでしまいます。
これは、上司が指示を出すときに優先順位を明確にしないことや、指示を出した後に進行状況のフォローをしないということが原因となります。
このような3つの原因で、「部下が動かない」という現象がおきます。
これらに当てはまる場合は、あなた自身の接し方を変える必要があるでしょう。
指示通りにしなかった場合には叱り、一定レベルまでは自主性に任せずに進捗状況を確認すること、そして優先順位の確認や、指示のあとに投げっぱなしにしないことが重要です。
上司にとって、これらのことは面倒くさいかもしれません。
優秀な部下は、ここまでやらなくてもきちんと動いてくれますが、そうでない部下にたいしては、このような取り組みが必要です。
自主性のない部下を変えるためには

このように、動かない部下は上司の対応によって変わるものです。
しかし、大きな仕事であればあるほど、部下には自分で考え、かつ上司の指示や意向に合わせて仕事をするという自主性が必要となります。
このような自主性を部下に持たせるためには、どうすればいいのでしょうか。
そのための5つの方法をご紹介します。
心から納得させる
人は、言葉による説得でも動きますが、心から納得することで自発性が生まれます。
心で納得していない場合は、上っ面でだけ従う(上司から指示されたからやっている)という状態なので、自主性は生まれません。
心から納得させるためには、
- その仕事がなぜ必要か、何のためにその仕事をするのか
- どのようにその仕事をするのか
- その仕事をしたことによるメリット、しなかったことによるデメリット
という内容を説明することが重要です。
やり方を丁寧につたえる
ある程度何をするかが分かっていても、細かいところをどうしたらいいかが分からない場合は、動きが鈍くなります。
それに対して、やるべきことが全て明確になっている場合、あとはそれをするだけの状態になります。
この状態になることで、部下自身の心の中に迷いが無くなり、積極的に動けるようになります。
思いを伝える
上司がその仕事にかける思いを伝え、部下を感化させましょう。
これは、①の内容を熱心に伝えることが大切ですが、ポイントは「何度も伝えること」です。
「一度話したから分かるだろう」という考え方をしている限りは、部下に上司の思いは伝わりません。
部下を操作しようと思わない
上司の「言うことを聞かせよう」「思い通りに動かせよう」という意図が見えてしまうと、部下は警戒します。
人間は人の悪意に敏感なので、「自分を思い通りに操ろうとしている」と感じさせてしまうと、それに反発します。
「操ってやろう」という考えではなく、部下を一人の人間として尊重するという姿勢が、自主性を生むためには必要です。
もちろん、自主性を求めず、言われたとおりに仕事すればいいということならば、操ろうとする意図が見えても問題ありません。
しかし、部下に自主性を持って欲しい場合は話が別です。
「これは仕事の指示だから黙ってやれ」と働かせるのではなく、上司の仕事への思いを熱心に伝え、部下に自然と「この人と一緒に仕事をしたい」と感じさせることが必要です。
やらないことを決める
抱えている仕事が多すぎて、自主性を持って仕事ができない状態になることがあります。
このとき、その部下はただひたすら目の前の仕事をこなしていく状態になります。
この状態を解消するには、上司であるあなたが、部下の抱えている仕事を見直し、不要なものは簡単にしたり失くしたり、誰か別の人に振るという調整をしてしまいましょう。
また、抱えている仕事の優先順位を部下が間違えている場合もあります。
その場合は今抱えている仕事を洗い出して順位を付け直しつつ、日頃から業務の優先順位を伝えましょう。
優先順位を指示しつつ、それをつけるための考え方を粘り強く教え続けることで、だんだんと自分で優先順位をつけられるようになります。
このように、抱えている仕事を整理することで部下に余裕が生まれるため、仕事に対して自主性をもって働くことができます。
動かない理由は何なのかをヒアリングする
このように、動かない部下を変えるための方法には色々あります。
こうした方法を試す以外にも、動きが鈍い理由を率直に聞いてしまうという方法もあります。
責めるようなトーンではなく、「この仕事を優先してやってほしいんだけど、取り組めていない理由は何?」と普通のトーンで聞いてみるとよいでしょう。
部下が動かない理由には、色々なケースが考えられます。
- やり方がわかっていなかった
- 着手するのにためらう理由があった
- その仕事に不満を持っていた
などのパターンがあるので、まずはそういう理由を聞き出し、それに合わせて対処します。
例えば、本人の能力的にできないことがわかったならば、最初は上司が手助けする必要があります。
また、その仕事へのモチベーションに問題がある場合は、詳しく話しを聞いてやり、前向きになるように導きましょう。
失敗させ胸に強く刻ませる
また、動かない部下のなかには、仕事や上司をなめており、上司の言う通りに仕事をしないというパターンもあります。
これは、ちょっとしたこと(例:購入したお客様にアフターフォローをするなど)をするよう上司から言われた際に、「これくらいはやらなくていいだろう」とタカをくくってサボるパターンです。
こういうときには、実際に失敗させて痛い目を見させるのが最も効果的でしょう。
そのミスが会社の運営にとって許容範囲であるならば、部下の成長を促すためにあえて上司が何も言わず失敗させてみるということも効果的です。
と言うのも、人は「他人から言われたこと」よりも「自分で実感したこと」の方が強く印象に残ります。
先ほどの例で言うと、「購入したお客様へのアフターフォローは大切だ」と上司に言われるよりも、アフターフォローをさぼってお客様からクレームを受けた方が、フォローの大切さを学びます。
そのため、引き起こされるミスが会社にとって大きなものではない場合は、あえて上司から注意をせずに自分で教訓として学ばせることも効果的です。
動かない部下は上司しだいで動かすことができる
このように、動かない部下を動かす方法についてご紹介してきました。
動かない部下にやきもきする上司は、ついつい自分で仕事をやってしまいがちです。
しかしそれでは部下は成長せず、チームの成果も上がりません。
上司として優秀かどうかのポイントは、自分が成果をあげるのではなく、部下に成果を上げさせられるかどうかということです。
そのために上司は部下に仕事をさせなければなりません。
こちらも参考になります。

部下に仕事をさせるということは、任せ、失敗したら尻拭いをし、教育するということの繰り返しです。
そしてその背景には、指示しっぱなしではなくフォローをいれ、仕事に意義や意味を何回も説くということが必要です。
動かない部下を変えるのは大変ですが、管理職は自分の能力の向上ではなく、部下を動かすことに苦労しなければいけません。
動かない部下を動く部下に変える力がつけば、どんな部下も動かせるはずです。
これらの内容を参考にして、上司としてレベルアップしましょう。
