頼りない上司は仕事のやる気を奪います。
「上司ならば、仕事面でも人間的にも部下より優れているものだ」という思いを持つ人は多いでしょうが、それは幻想にすぎません。
もちろん頼りになる上司も多いですが、それと同じくらい頼りにならない上司もいます。
実力が無いのにゴマすりで出世した上司もいれば、他に人がいなかったから白羽の矢が立ったというパターンもあります。
頼りになる上司の下では、「ミスしてもこの上司がいるから安心」「この人に頼まれたら頑張ろう」という気持ちになります。
しかし、頼りない上司のもとではそんな気持ちには到底なれず、ストレスが溜まります。
このような上司に当たってしまった場合、どうすればいいでしょうか。
今回は頼りない上司の特徴や、「どう対応すればいいか」「どのように仕事をするべきか」についてまとめました。
頼りない上司に嫌気がさしている人は参考にしてください。
目次
頼りない上司の5つの特徴
一口に「頼りない上司」といってもさまざまなパターンがあります。代表的な5つの例をご紹介します。
①責任を負おうとしない
頼りがいのあるリーダーは、「俺が責任とってやるから、胸を張ってやってこい」と励ましてくれるものです。
また、そこまでいかなくとも、「チーム内の仕事の最後の責任は自分が負う」という姿勢を見せてくれます。
そして、その覚悟を感じた部下は「自分はこの上司のために頑張ろう!」と気合が入るものです。
しかし、頼りない上司は、「うまく行かなかったら君が責任とってよね」と責任をなすりつけます。
また、上司が責任を引き受けないといけない場面(目標未達で上から責められる時、クレームで「上を出せ」と言われた時など)にて自分が矢面に立たず、誰かに対応させます。
上司がこれでは、部下も「この人についていこう」とは思わず、やる気は下がります。
②ビジョンや方針を示さない
部下のやる気を上げるために有効な方法として、「ビジョンを示す」というものがあります。ビジョンと一口にいっても色々なパターンがあります。
・会社が目指していることはなんなのか
・与えられた目標にどのような意味があるのか
・自分たちの部署の仕事には、顧客や会社にとってどんな意義があるのか
などです。
前向きな内容であればどのようなものでもいいのですが、こうしたビジョンを上司が直接、自分の言葉で語ることが大切です。
また、「ビジョン実現のためにどのように仕事をするか」という大まかな方針(どのような行動や価値観を優先するか)の説明も重要です。
頼りない上司にはそのようなビジョンや方針の説明が一切ありません。
なんとなくの「頑張っていこう」という精神論で終わることが多々あります。
人は「○○のために頑張る」というものがあったほうが努力できるものですが、頼りない上司はそれを部下に与えられません。
③具体的な業務の指示をしない
「仕事のやり方は任せるよ」といって、具体的にどのように仕事をするのかの指示を与えないパターンです。
その仕事に慣れていて、具体的に何をすべきかが分かっている場合は「任せるよ」という振り方で問題ありませんが、未経験の仕事や自信がない場合には、具体的に何をするのかを伝えるべきです。
ある程度、実務の経験が長い人に対して、「この仕事は未経験だが、自分でやり方を模索しながら進めて欲しい」と指示することはあるかもしれません。
しかし、新人や経験が浅い人にやり方の指示もせず放置するのは、上司としての責務を果たしておらず、部下からは信頼されないでしょう。
この手の上司は、仕事についての具体的なアドバイスができません。
問題解決能力が低いため、部下から仕事の相談を受けてもアドバイスはもらえずただ慰められるだけです。
そして、ひたすら「次回から頑張れよ(何をどうがんばればいいかは言わない)」と言われます。
④叱らない・注意しない
遅刻や怠慢によるミスなど、気が抜けているときには上司は部下を叱らなくてはなりません。
それを、「嫌われたくない」「面倒くさい」という理由で叱らずに終わってしまう上司はよくいます。
叱るときは何もキレる必要はありません。声を張り上げず、冷静に注意することだけでも十分です。
こちらも参考になります。
こういう指摘がないと、「この上司は何をしても許される」と周りが思い、チーム全体の規律がなくなります。
これでは舐められてしまいます。当然、上司を尊敬できない環境では仕事へのやる気は下がります。
⑤自分の意見がない
自分の上司の言いなりになったり、客の言いなりになったりして、自分自身の意見や「意見を通そう」という姿勢がありません。
この上司は、自分の意見への反対意見がでたら、それにすぐ乗っかります。
人が良すぎたり、自分の信念が無いため、自分の意見を通そうという気持ちが無いのです。
また、このタイプは、なにかとすぐに自分の上司の意見を聞こうとします。
自分に自信がなかったり、責任感がない上司は、自分で物事を判断したり決断する意欲がありません。
その結果、上司や顧客、はては部下の意見にまでも簡単になびいてしまうのです。
上司ではなく自分が変わることが必要
このように、頼りない上司の代表的パターンをご紹介しました。
では、部下としてはこのような上司に対してどのように考えればいいのでしょうか。
まず大前提として、「上司の価値観は変えられない」ということを理解する必要があります。
もちろん中には部下が働きかけて上司が変わる例や、上司自身にある日心境の変化が起きるというケースもあります。
しかし、それを期待して何か行動を起こすのは無意味です。ほとんどの「上司を変える努力」は失敗するものです。
例えば、落ち着きのない子供をおしとやかにするのは実の親でも難しいものがあります。人の性格や価値観を変えるのはかなり難しく、そのためにエネルギーを割くのは効率がよくありません。
そこで、その分のエネルギーを「自分を変えること」に費やすことが効果的です。
上司が頼りなくても成果は出せる

やる気や責任感のある部下ほど、上司は明確な方針や具体的な指示を求めます。
しかし、頼りない上司にそれを求めるのは難しいです。
そうなると、あなたとしてはいくら頑張っても、上司の頼りない姿を見続けることで、頑張るのが馬鹿らしい気持ちになってきます。
こういうときは、「上司に頼る」という思考をやめましょう。
実は、会社において、頼りない上司でも成果を出すことはできます。
会社からその部署やチームに求められているのは成果を出すことです。
たとえ上司がどんなに頼りなくても、チームが目標を達成することができればそれでよしとなります。
上司が頼りなければ、部下であるあなたやその周りのメンバーが頼りがいのある人になればいいのです。
また、頼りない上司をさり気なくフォローするという方法も効果的です。
・「来週のプレゼンの件、資料できていますか?お手伝いしましょうか?」
・「後輩の○○君が仕事の進め方で困っていたので指示をしておきました」
のように、上司のやるべき仕事が抜けないようにアラートをかけたり、チームで起きそうな問題を先回りして解決してしまいましょう。
また、人は権限だけに従うものではありません。
少なくとも、「上司が頼りない」ということがチームの共通の見解になっているならば、上司以外の誰かがリーダーシップを発揮することで周りも喜んで協力するでしょう。
上司ではない人がリーダーシップを発揮してはいけないということはありません。
代わりにリーダーシップをとるのは最高の勉強の機会
チームでは、「必ずしも上司がリーダーシップを発揮しないといけない」というわけでもありません。
組織としては、誰がリーダーシップを取るかに限らず、成果を出せば評価されます。
本気で上司や部署を何とかしたいと考えるならばあなた自身がリーダーシップを取るという選択肢もあります。
そしてこの経験は、あなたが本当に上司になり、リーダーになったときに大きな財産になるでしょう。
頼りない上司の代わりにリーダーとなることで、どんな上司になってはいけないかを知るだけでなく、どのような上司になるべきかの実感をつかむことができます。
確かに、頼りになるリーダーの下では色々と学ぶことができます。
「こんな頼りない上司の下では何も学べない」と感じるかもしれません。
しかし、頼りない上司の代わりに自分がリーダーシップを発揮するという経験は非常に力になります。
これ以上ないほどリーダーシップの勉強になると言っていいでしょう。
上司に期待するより自分がリーダーになるほうが現実的
このように、頼りない上司の特徴や対策についてご紹介してきました。
頼りない上司には色々な特徴がありますが、その一番の対策方法は「そもそも頼らない」ということに尽きます
大切なことは「上司を変えるのでなく、自分を変える」ことです。
「上司である以上はこうあるべきだ」とあなたの理想を上司に押し付けても、何も変わりません。
ただ理想と現実に悩み、やる気がなくなるだけです。
「頼りになる上司がいるかどうか」ということではなく、「チームで成果を出せるかどうか」ということにフォーカスしましょう。
そのためにあなたが一肌脱ぐことによって、自分のためにもチームのためにもなります。
頼りない上司は遅かれ早かれ上司ではなくなるものです。その人を意識してストレスを溜めるのではなく、自分の成長する機会だと考えを変えるとよいでしょう。
リーダーシップについてはこちらも参考になります。
優秀な部下は優秀なフォロワーである。上司を抜くためにもまずは優秀なフォロワーになろう。
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