あなたの周りに「仕事をしない上司」は居ませんか?
仕事を部下に丸投げして押し付け、自分はネットサーフィンやソリティアを楽しむ。
明らかにあなたより仕事をしていないのに、給料は上司の方が多い・・なんてことはないでしょうか。
このような上司はどこの職場にもおり、周りの部下のやる気を下げるほか、上司が仕事しないためにプロジェクトが進まず失敗してしまう、ということもあります。
このように、仕事をしない上司は職場に大きなマイナスの影響を与えます。
そんな上司に対して、どのように対応するのがよいのでしょうか?
そして、このような上司がなぜか会社から評価されるケースもあります。
部下のやる気を下げるような上司が会社から評価される理由はなぜなのでしょうか?
今回はこれらの点についてまとめました。
上司が仕事をしないことで悩んでいる方は、この内容が参考になれば幸いです。
目次
仕事をしない上司が周りにストレスを与える理由
そもそも、なぜ仕事をしない上司は周りにとって害悪なのでしょうか。
まず、このような上司は、部下に仕事を押し付けます。自分がやるのが面倒だからという理由で部下に仕事をやらせるのです。
また、仕事を任せるときももちろん詳しい指示などだしません。丸投げします。
そして自分は定時にあがり、部下が毎日残業・・というパターンです。
確かに、部下に仕事を指示する権限は上司にはあります。
よほど理不尽なものでない限り、上司からの仕事の指示に部下は従わなければなりません。
しかし、上司が仕事をしている様子がないのに、仕事を押し付けられたり、丸投げされた部下は「何で自分が・・」と感じてしまうでしょう。そしてモチベーションがなくなってきます。
また、押し付けた仕事を提出したら文句をつけられたり、ピントがずれた指摘をしたり・・という行為も部下のやる気を失わせます。
本来、上司はチームとしてより良い成果を出すために、部下に指摘するのは当然のことなのですが、上司への不満があるために、指摘が素直に聞き入れられなくなります。
このように、仕事をしない上司は部下にとって邪魔になり、「居ないほうがいい存在」になるのです。
仕事をしない上司の対策
では、運悪く仕事をしない上司の元で仕事をしなければいけない場合、どうすればいいでしょうか。
これには大きく分けて3つの対応があります。
①居ない存在として扱う
そもそも、期待するから裏切られた気持ちになるのです。
普通、上司は「頼りになる存在」と思うかもしれませんが、仕事をしない上司に対してはそのような幻想を捨てましょう。
「この上司は空気みたいな存在だ」とあなたのなかで開き直ることができれば、イライラも溜まりにくいものです。
上司の存在を無視し、あなたが仕事を頑張る理由(キャリアアップや生活費を稼ぐためなど)を思い出して前向きに取り組みましょう。
②おだてて依頼する
これは上司に仕事をさせる方法なのですが、「仕事してください!」正面からぶつかっても「何でお前が上司に指示をするんだ」と叱られて終わります。
そこで、「上司を持ち上げながら仕事を依頼し、上司から叱られずに仕事をさせる」ように仕向けるのです。
たとえば、
「この書類の最終チェックですが、やはり課長に見ていただかないと、他の部下たちでは不安で・・」
「プロジェクトの打合なんですが、先方への要求を通すためには、部長のお力添えをいただけると助かるのですが・・」
というような言葉をかけてみると良いでしょう。
③さらに上の上司を使う
あえて、上司のさらに上の上司に仕事を依頼します。このとき、「忙しすぎて自分たちでは手が回らない」ということを言い訳にしましょう。
それを聞いた上の上司は、「君たちの直接の上司は何をやっているんだ」とその上司に注意してくれるケースがあります。
「(直接の)上司が仕事をしないんです」とさらに上の上司に告げ口する方法もありますが、角が立つのを避けたい場合は、告げ口の代わりにこのような掛け合い方をしてみるという方法もあります。
仕事をしない上司にイライラする前に考えてみたいこと
このように、仕事をしない上司へは、これらの対策を試してみることも効果的です。
しかし、仕事をしない上司に対してイライラする前に、いくつか考えてみるべきこともあります。
①仕事をしなくなった理由があるかもしれない
普通、仕事をしない上司はやる気がなく怠け者ですが、実はその上司がかつては一生懸命働いていた可能性があります。
出世しているということは、なにかしら会社から認められたことがあった可能性が高いでしょう。
会社上層部から理不尽な仕打ちに合いやる気をなくしてしまった、そもそも近いうちに辞めるつもりなので頑張らない、今の自分の代わりの社員が居ないから手を抜いている・・など様々なパターンがあります。
上司が仕事をしない原因が分かれば、少しは気持ちも落ち着きます。そして、仕事をしない原因によって、あなたがどのように対応するべきかも変わるでしょう。
一度、上司が仕事をしない理由について分析してみるとよいでしょう。
②実務をしている上司が良い上司とは限らない
日ごろからあくせく実務をこなしている上司は、部下からみると一生懸命働いており信頼できるでしょう。
しかし、上司に余裕が無いときにチームに突発的な問題が起こったら、その上司は余裕を持って対処に当たれるでしょうか。
例えば部下の誰かが急に入院してしまい、一ヶ月くらい働けなくなった場合、上司に余裕があれば代わりに埋めることが出来ます。
また、できる上司は、こういう事態になったときに備えて効率的に仕事をするための仕組みを整えるなどの仕事をします。
普段から限界まで実務をしている上司がこういう動きをとるのは難しいでしょう。
つまり、部下と一緒の仕事にあくせく働くことが、必ずしも良い上司とは限らないのです。
それぞれの職場で違いはありますが、上司は本来、部下とは違う仕事をすることが多いものです。
このことを知っておくと、余計なイライラはせずに済むかもしれません。
丸投げや押し付けするばかりで信頼できない上司は別ですが、そうではないが、実務をあまりしない上司は、本来の上司の仕事に力を入れているのかもしれません。
上司が仕事をしていないのに会社から評価される理由
仕事をしない上司は部下にとって憎むべき存在ですが、仕事をしないくせになぜか会社から評価される上司もいます。
それはなぜなのでしょうか?
最近はプレイングマネージャーという言葉もあり、実務をする管理職も増えていますが、本来、上司は自分自身は実務をおこないません。
部下である一般社員は与えられた実業務で成果を出すことが求められますが、上司には違うことが求められます。
求められるのは以下のことです。
・チームに求められる成果を出すこと
・部下を成長させ、自分の後任をつくること
・部下には出来ない、大きな視野で考えること
これら3つのことを実現させるためには、「いかに自分が実務をせず、これらの仕事に時間を割けるか」ということが大切になります。
一部の企業で、管理職は必ず年に1回、1週間程度の有給をとらせる仕組みがあります(その間は携帯電話を持たず、一切連絡してはいけないと徹底していることもあります)。
これは、「自分がいなくても、仕事が回る仕組みが出来ているか」のチェックを目的としています。
このように考えると、自分が仕事をしなくても成果も出しているチームの上司は「優秀だ」と会社から評価される可能性が高いのです。
そのため、部下からすると「あの上司は仕事をしていない」と思われるような上司は、「部下のやるような実務はしていないが、上司としての仕事を遂行している」という可能性があるのです。
この場合、部下としては面白くないかもしれませんが、上司としては優秀である可能性があります。
もちろん業務時間にネットサーフィンをするような場合は話が別ですが、部下がやるような仕事はしていないものの、それとは別の仕事をしているようであれば、本来の上司としての仕事をしている可能性が高いでしょう。
本当に優秀な上司は、仕事をしていなくても信頼される
このように、部下から不満をもたれがちな「仕事をしない上司」についてご紹介しました。
この人たちは部下のやる気を奪うような存在です。
しかし、なかには仕事を全然していなくても部下から信頼されている上司もいます。
よく言われるのが「普段は仕事を全然しない上司が、チームがピンチのときに助けてくれて感動した」なんてパターンです。
多くの場合、上司は部下よりも経験が豊富だったりスキルがあるものです。
その力を普段は別のところ(実務ではなく上司としての仕事)に向けているので、部下としては仕事をしていないと思われます。
しかし、いざという時に上司が実務に対して力を発揮すると、部下よりもいい成果をだすので尊敬されるのでしょう。
このように、いざというときの仕事ぶりを例として、他のどの要素でも構わないので、何か部下から尊敬されたり、信頼を得ることが大切です。
尊敬や信頼を得ていれば、普段仕事をしていなくとも「この上司のことだから、何か重要なことをやっているのだろう」と感じてくれるでしょう。
逆に、そういう関係がないと、部下からは「あの上司は全然仕事をしない」と不満に感じられるものです。
このように、「仕事をしない上司」と一口にいっても色々あります。
手を抜きたいだけ、面倒なことをしたくないだけの怠け者であれば職場にとって害でしかありません。
しかし、上司の本来の仕事を行なっている場合もあります。
「この上司は仕事をしない」とイライラする前に、その上司のことをよく観察してみてください。
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