上司が特定の部下にえこひいきしてイライラする・・というのは職場でよくある話です。
他の部下には厳しいのに、ある部下には優しかったり色目を使ったりという行為が、えこひいきにあたります。
このような上司のえこひいきは、周りの人に不公平感を与え、やる気を奪ってしまいます。
えこひいきは職場に悪い影響を与えるため、避けるべき行為なのですが、実は上司の側にそれなりの理由があり、あえてえこひいきをしている場合もあります。
また、えこひいきされる人の特徴を知り、あなた自身がえこひいきされるのを狙ってみるという考え方もあります。
そこで今回は、えこひいきする上司への対策だけでなく、えこひいきされるコツについてまとめました。
えこひいきという行為は良くないことではありますが、えこひいきする上司の人間性を変えるのは難しいことです。
目次
えこひいきする上司の心理
そもそも、なぜあなたの上司はえこひいきをするのでしょうか。
まずは代表的な2つの要因を紹介します。
相手から特別扱いされたい
まず、特定の部下をえこひいきする理由としてあげられるのが、「その相手から特別扱いをされたい」という理由です。
このえこひいきをしてくる上司は、
- 特定の異性にこびを売る
- 同性には厳しく、異性には優しい
- 上司にゴマをする
という言動がよく見られます。
これは「好意を持っている相手に好かれたい」だったり、「上司に気に入られ自分の地位を上げたい」という考えから来ており、人間としてレベルが低いと考えられます。
厄介ごとを避けたい
また、「厄介ごとを避けたい」という理由の場合もあります。
このパターンの代表例は、
- 大人しい部下には強く出て、口うるさい部下にはあまり言わない
というものです。
「自分が言いやすい人にはズケズケ言うけれど、言いにくい人にはあまり言えない」という、面倒くさいことを避けたいがために起こるパターンです。
どちらの理由にせよ、えこひいきをする上司は不公平感を生み、周りのやる気を下げるほか、適切な人事評価をしてもらえないことになります。
えこひいきする上司への対策
では、えこひいきをする上司にはどのような対策をとればよいでしょうか。
まず前提として、上司の人間性や価値観を変えることはかなり難しいです。
それよりもあなた自身の対応や、考え方を変えたほうがよほど効果的です。これには3つポイントがあります。
上司がえこひいきしている背景を探ってみる
その上司が「なぜえこひいきをしているか」を分析してみることが意外と有効です。
単純に異性の部下に慕われたいからという幼い理由の場合もあれば、部下を育てるために厳しくあたっている、逆に潰さないように優しく接している、気難しい部下を操縦するために穏やかに接している、などの理由が考えられます。
えこひいきしている内容を記録に取っておき、冷静に見返してみると、そのときは気づけなかったことが分かることもあります。
そしてえこひいきの背景が分かったら、それを上司に伝えてみるのも効果的です。
- 「○○さんって気難しいから接し方に気をつけないといけないですよね」
- 「○○さんは将来期待できる人なので、今が大切な時期ですよね」
のような形で、えこひいきの事実を伏せ、背景のほうを伝えます。
これがハマると、あなたはその上司のよき理解者となります。
上司がえこひいきしているポイントを探る
その上司が、部下をえこひいきしているポイントを探りましょう。
これは、「外見がよい」「若い」「自分にこびてくる」というポイント以外にも「挨拶がしっかりしている」「仕事に前向き」「実は難しい仕事をこなしていた」という理由が考えられます。
外見や若さだとかの理由の場合は、「こいつはどうしようもない人間だ」と内心その上司を見下しましょう。
しかし、挨拶や仕事への姿勢がえこひいきしているポイントだった場合、えこひいきされる人に見習うという選択肢もありえます。
また、このパターンの場合、上司がきちんとした基準を持ってその人を評価しているということが分かり、納得感が生まれることもあります。
異動や転職で職場を離れる
えこひいきの背景やポイントを探ったところで、その上司への失望が大きくなるだけということもあります。
そして上司のえこひいきが目に余る場合は、今の職場を離れるという選択も一つの方法です。
えこひいきは不公平感によってやる気を奪い、正当な評価もされません。
えこひいきされない環境であれば、やる気を下げられず前向きに頑張りやすいでしょう。
また、環境が変わることであなたを正当に評価してくれる可能性も上がります。
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えこひいきされる人の特徴
えこひいきは不公平感を感じさせるため、良くない行為ではありますが、えこひいきされることで職場で得をすると考えることもできます。
気が進まないかもしれませんが、どうせなら開き直ってえこひいきされる側に入ることを狙うのも、悪い選択肢ではありません。
そのためにも、えこひいきされやすい人の特徴を押さえておきましょう。ポイントは3点あります。
素直である
仕事を振られたときに気持ちよく引き受けたり、指示や指摘に対して反論せずに受け止める部下は上司にとって接しやすく、大切にしたいと思わせます。
このように思われることで、上司からえこひいきされやすくなるでしょう。
逆に、何かと反発したり反抗的な態度を取る部下は、上司のプライドを傷つけ、ストレスを与えてしまいます。
上司も人間ですから、「こいつはかわいくない」と思われてしまうと態度が冷たくなってしまうものです。
仕事ができる
仕事ぶりが優秀な部下は上司にとって頼りになります。
チームの売上の大半上げるようなエースがいる場合、上司もその社員を大切にしなければいけないと感じさせます。
このような部下はえこひいきされやすいでしょう。
また、優秀な成果を上げるわけではないが、上司の苦手な仕事が得意な部下も重宝されます。
優秀な成果を上げるのは簡単なことではありませんが、あなたのタイプによっては、上司が苦手なジャンルの仕事を得意になるのは難しくないかもしれません。
外見がよい
イケメンだとか美人だとか、若いだとかオシャレだとかそういう特徴です。
一応、えこひいきされやすい条件ではあるので取り上げましたが、これを理由にえこひいきする人間は、下心あることが大半です。
これでえこひいきされる立場になっても、(飲みに誘われるだとか)面倒くさいことになり、周りの人からも嫌われます。
この条件でえこひいきしてくる人間には、気に入られないほうが無難でしょう。
あえてえこひいきをしている場合もある
えこひいきをする上司について、色々とご説明してきましたが、実は部下を育てるためにあえてえこひいきしていることもあります。
例えば、素質はあるが自信がないために上手く仕事ができない場合、上司としては自信をつけさせるように優しく励ますという接し方がよいでしょう。
全員同じように接するのではなく、部下一人ひとりに合わせた接し方を取るほうが、育成という面では効果的なこともあります。
このとき、他の部下からしたら「えこひいきだ」と感じても、部下を育てるためにベストな接し方をしていることもあります。
また、逆に、期待している部下にあえて厳しく接するパターンもあります。
いわば「逆えこひいき」です。
色々な部下の中で、「この部下は将来有望で活躍しそう」と部下もいれば、その逆の部下もいます。
このように、部下それぞれに対しての期待値が違うのはよくあります。
このとき、上司としては期待値が高い部下にはより大きな成果を求めるし、ミスに対しても「なぜお前がこんなミスをするんだ」と怒りがちになります。
それに対して期待値が低い部下に対しては、対して成果を求めないし、ミスをしてもそれほど怒りが湧かないものです。
このような理由で、同じミスに対しても上司の怒り具合が違ったり、同じ成果に対しても上司の褒め具合が違うことになるのです。
それを部下の側からすると「同じミスなのに自分だけ他の人より怒られる」「同じ成果を出しているのに自分はあまり褒められない」と感じてしまい、不公平感が生まれてしまうのです。
本来はこのような不公平感を部下が感じないよう、上司から「お前には期待しているから厳しくする」という声かけを行なうべきなのですが、上司が不器用な場合は、そうした声かけが無いこともあります。
あなたが「他の人に比べて厳しくされている」と感じる場合は、このパターンになっていないか考えてみるとよいでしょう。
このように、期待値の高さから厳しくにもかかわらず、あなたが勘違いしてしまい、やる気が下がってしまうのは非常にもったいないことです。
もし、あなたが「逆えこひいき」を感じる場合は、なぜ上司が自分だけに厳しいかについて考えてみましょう。
えこひいきの見分け方
このように、上司によっては部下を育てるために適切に態度を変えている場合もあります。
では、その違いをどのようにして見分けるかですが、以下の点に注意して考えてみるとよいでしょう。ポイントは3つあります。
自分の利益だけを考えたえこひいきか
「上司にゴマをする」「同性に厳しく異性に甘い」などの自己保身や自分に気を引きたいというえこひいきは、人間性の低さによるものと考えてよいでしょう。
このえこひいきをしている上司からは、なるべく離れられないか考えてみる価値があります。
同じ人でも状況によって厳しくなるか
新人で期待値が低いうちは優しく接することが多いですが、経験を積んでいくことで期待値は上がります。
期待値が上がると、求められるレベルも上がり、だんだんと厳しくなるものです。
このように、部下の成熟度に合わせて要求を厳しくするような逆えこひいきの場合は、上司としては適切に態度を変えていると判断していいでしょう。
部下に将来のキャリアについて定期的に話し、キャリアアップを意識させているかどうか
部下のことを考えて態度を変える上司は、期待している部下に「将来こうなって欲しい」というイメージを持っているものです。
そして、その期待を直接伝え、部下のやる気を上げようともします。
これをやっている場合も、適切に部下に接していると考えてよいでしょう。
まずは、えこひいきの背景をつかもう
このように、上司のえこひいきには色々なパターンがあり、奥が深いものです。
ここまでご紹介した基準で上司を観察し、えこひいきの背景をつかみましょう。
えこひいきをしている上司は、人間性に問題があることが多いですが、中にはそうでない人もいます。
そうでないにもかかわらず「この上司は人間性が低い、やってられない」と腐ってしまうのは本当にもったいないことです。
そうならないためにも、「厳しい態度をとるのは期待しているから」という可能性があることを、部下としてはぜひ知っておきましょう。