上司の指示がコロコロ変わり、その都度手直し修正をすることは面倒くさいものです。
このような上司は「ブレブレ上司」と私は呼んでいますが、ブレブレ上司によって仕事の進みが遅くなったり、関係部署に「ごめん、話が変わったから再度作り直して」「方針変わったからまだ時間が掛かりそう」というような調整が必要になったりします。
自分だけの仕事が非効率になるだけならまだしも、周りの時間を奪ってしまうようでは迷惑もかかり、自分の評判も悪くなってしまいます。
やはり部下としては、極力ブレられないように仕事を進めなければなりません。
そこで今回はブレブレ上司と仕事をしなければいけない場合、どのように対処すべきかをまとめました。
目次
考えが浅いために起こるブレ
まず、ブレてしまう場合には、2パターンあることを理解する必要があります。まず一つは深く考えていないことから起こるブレです。
この場合、物事が上手く行っていないとき場合の対処を指示するときに起こりがちです。
「(プロジェクトなどが)上手く行っていない」という報告を部下から受け、その報告からパッと気になった悪いところを直す指示を出します。
しかしそれを実行すると、また別の悪いところが見つかったために結局もとに戻すというパターンです。
例えば、
売上が落ちた→「値上げして売上をあげろ」と指示を出す→値上げが消費者の不評を買い、結局売れなくなった→値段を戻す指示を出す
というような流れです。その後のシミュレートをせず、安直に「値上げして下がった売上を取り戻そう」という判断をしたために、結局指示を出しなおしたというパターンです。
いずれにせよ判断を下すときにじっくり考えずにやっているので、判断ミスが起こり改めて指示を変えなければいけないという状態が起こっています。
また、じっくり考えずに判断を下した場合は、過去の自分の判断を忘れているパターンがあります。ろくに考えずに判断しているのであとから忘れてしまうのです。
その場合もあとから「こんな指示私は出していない!やり直せ!」というような愚かしい事態を巻き起こします。こうなると上司としての資質が疑われても仕方がありません。
社長や上司には「判断待ち」案件が次々と舞い込む
とはいえ、一応そういう上司へのフォローもしておきます。
特に社長のような、経営の上層部の一番の仕事は「判断」です。日々現場からもたらされる情報をもとに、企業活動の方針や舵取りをどうするのかを判断したり、ルールにはないイレギュラーなことが発生した場合にどう対処するのかの判断も下します。
社長だけではなく、上司もそのチームの中ではトップであるため、規模が違えど同じような役割を担う一面もあります。
このような立場の人は、毎日・次々と・実に色々な判断待ち案件が持ち込まれます。こうなるとすべてのことにじっくり時間をかけて考えることが難しくなります。
そのため、ある程度は瞬間的に結論を下さないと、とても回していけなくなるのです。
とはいえじっくり考えて判断しなくてもいいということにはなりませんが、部下としてはこの事実を踏まえておいてもよいと思います。
そのため、上司が判断するときに有益であろう情報を自主的に添えてあげ、誤った判断を下さないようにフォローしてあげるという姿勢も大切です。
真剣に会社の発展を考えているから起こるブレ
逆に、上司がしっかりと考えているからこそコロコロと指示を変えるというパターンもあります。
ビジネスの場においてはIT技術の発達や新しいビジネス形態の導入がめまぐるしく、旧態依然としているとおいていかれます。
お客さんや取引先の意向もコロコロ変わることもあるでしょう。
そうした変化に上手く適応するためには、自分たちも柔軟に変化していく必要もあります。
このように、生き残るために環境に適応させていくことを最優先に考えると、結果として次々と変化しなければならないこともありえるのです。
実際急成長するベンチャー企業の中には、次々とシステムや仕組みを変化させているケースもあります。
変化に対応している場合は、変化の意思決定に納得できるものが多いです。
「○○という背景があるので、今回変化する」という明確な理由があります。
信頼できる上司であればそういう説明もしてくれるのが普通です。
このような場合は「しっかり考えられたブレ」であると判断していいでしょう。
なお、一方でろくに物事を考えていない場合のブレはそのような理由はつけられません。
変化に対応している場合はついていくのが一番
このようにブレには、いわば「よいブレ」と「悪いブレ」があります。
私たちがそれらにどう対応していくのかというポイントですが、まずしっかり考えられたブレについてはその判断を尊重するべきです。
やり直しや変更にかかる手間のことを考えると愚痴のひとつも言いたくなりますが、組織として成果を上げ、生き延びるためには必要な犠牲だと考えて取り組むことが大切です。
この動きに反抗してしまうとチームの成果が上がりにくくなる可能性が高く、そのうちあなた自身の首をしめることになりかねません。
思慮が浅いブレブレ上司は表面的な言葉にとらわれない
一方、ろくに考えず指示を出す場合の対策は注意が必要です。
この場合大切なことは、「この手の上司は、要は結果を出せば文句は言わない」ということを知ることです。
上司は結果が思わしくないので騒ぐのであり、結果を出していれば何も言いません。
この場合私たちは、上司から「言われたことをこなす」よりも「結果を出すこと」を求められていると考えましょう。
そう考えると、上司の安易な考えによる指示を聞かずに、自分が思う改善案を実施してしまうという手もあります。
上司の出した安易な指示に従うことで別の失敗をすることが目に見えているのなら、自分で考えた、よりよい改善策に取り組むのがよいでしょう。
少し勇気がいるかもしれませんが、自分が出した指示も忘れている可能性もあるくらいですから、このくらいでも問題ないと思います。
ただし、これでうまくいかなかった場合は言い訳ができないことに注意です。(上司の指示にしたがってうまくいかなかった場合はある程度言い訳ができます。)
このように、深く考えずに喋っているだけなら真に受けずに流してしまうという手もあります。
結果を出すという意味ではこの方法が一番ではありますが、もう一つ次善の策もあります。ベタですが、指示の履歴をとっておくということです。
指示内容を後からメール送信し共有しておいたり、毎回の指示を議事録的に取り共有しましょう。このとき上司と自分だけではなく、極力他の人も巻き込んで共有することが大切です。
普通の神経をしている場合、自分の発言が記録として残り、多くの人に共有されることで「安易に変えられないな」というプレッシャーになります。
そういう意味ではこのような方法も効果的です。
ブレの種類にあわせて適切な対処を
以上のようにブレブレ上司の対策についてまとめました。まずは大切なことは良いブレなのか悪いブレなのかを把握することです。
信頼できる上司のブレは、「良いブレ」であることが多いです。ぐっとこらえてついてきましょう。「悪いブレ」の場合は、言われたとおりにやることよりも結果を出すために必要なことをやったほうがよいことが多いです。また、言質をとってプレッシャーをかけるという手もあります。
ブレることは一概に悪いこととは言えません。上司がどのような背景でブレているのかを察知し、適切に対応することを心がけましょう。
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