社会に出ると、仕事のやり方は教えてくれますが、リーダーシップについて教わる機会は多くないはずです。
私自身も、リーダーというものが良くわからないまま上司になり、悪戦苦闘&試行錯誤しながら、だんだんと「上司とはこんなものか」という実感を持つようになってきました。
その中で役立ったのが、リーダーシップに関する書籍です。
当時は自信がなくて、30冊くらい読みました。
参考になったもの、自分には合わないと思ったものなど色々ありましたが、今回は、その中でも、私自身が特にためになったものを紹介します。
本を読んでも、すぐにすべての内容を理解して、実践できる人はほとんどいないと思います。
しかし、本の内容のうち、一つだけでも、「これはやってみよう」と思えるものを見つけて、それを実践してみることが大切です。
成功しても失敗しても、それは自分にとって生きたノウハウになります。
何もしないで一人で悩むよりは、本を読みながら少しずつ実践することで成長が早くなると思います。
目次
リーダーが身につけたい25のこと
リーダーになりたてで、何をどうしたらいいかわからない人にオススメの一冊です。
上司として自信がない人は、自分がリーダーシップを発揮できるか不安になるかもしれません。
しかし、本書では、リーダーシップは特別な才能ではなく、誰しも持っているものだと説明しています。
例えば、「親にお願いしてゲームを買ってもらう」ということもリーダーシップだと説明しています。
このような説明をはじめ、リーダーがやるべきことは何なのか、それをどんなふうに実践すればいいのかということを、色々な点から説明してくれます。
漠然とリーダーという仕事に不安を感じている人でも、本書を読めば、リーダーとして何をするべきなのか、また逆になにをしてはいけないのかが、具体的にイメージできるはずです。
こうして、チームは熱狂し始めた。
リーダーにとっての課題の一つが、部下のやる気アップです。
極端なことを言えば、やる気さえ持たせれば、部下が自分で成果を上げるようになり、逆にやる気がなければ、どんなに優秀でも成果をだしてくれません。
「いかに部下をやる気にさせられるか」というテーマで色々なノウハウが詰まっているのが本書です。
本書では、熱いキャラを前面に押し出している筆者による、リーダーシップの本ですが、中身は以外と緻密にノウハウがまとめられています。
部下をやる気にさせる・意識を変えるという点に力を入れており、
目標数字をただ示すだけではなく、部下が「これならいける!」という目標達成のプランを描く
部下が自分で思う「なりたい自分」と「今の自分」をすり合わせ、なりたい自分になるための目標を作る
チーム内で各メンバーのポジションや立ち位置を明確にして、「自分はこの分野で頑張ろう」という意識を持たせる
など、かなり具体的な内容がたくさん載せられています。
いきなりすべてを取り入れるのは難しいとは思いますが、本書の中でもすぐにできそう、自分なりにアレンジしてやれそう、というものを実践することで、部下のやる気アップにつながるはずです。
人は本当にやる気になると、言動が大きく変わります。
部下がやる気になっている様子を見ると、リーダーであるあなた自身も励まされ、さらに頑張れるという好循環が生まれます。
本書の内容を参考にして、部下のモチベーションアップに挑戦してみてください。
絶対に目標達成するリーダーの仕事
トヨタの自動車ディーラーで、車販売の目標達成を48ヶ月連続で達成したという筆者による、マネジメントのコツが紹介されています。
そのため、営業や販売チームのリーダーにオススメの一冊です。
48ヶ月というのは社内でも前人未到の記録のようで、いったいどんな凄いノウハウなのかと思って読んでみましたが、意外とその内容は地道なものでした。
そのエッセンスも、4つの「感」と4つの「力」にまとめられており、理解しやすいものでした。
私が特に「なるほど」と思ったのが、「継続力」という要素です。
売上目標の達成は、たまたま成功するなど、単発で達成することはあるかもしれません。
単発で目標を達成だけなら、後先を考えずに、プレッシャーや気合で何とかなるかもしれません。
しかし、それでは長続きせず、部下のやる気を下げたり、反発されたりなどの弊害が起こるものです。
本書では、そのような目標達成ではなく、やる気や仕事への満足感の向上など、部下のメンタルのケアも重視しています。
売上目標を課されているリーダーで、勢いだけで乗り切る以外のリーダーシップを参考にしたい人に特におすすめです。
任せ方の教科書
「部下に仕事を任せるより、自分でやったほうがマシだ」「ちゃんと仕事を振ったつもりなのに、なぜか旨くやってくれない」なんて悩んでないですか?
リーダーにとって、部下にうまく仕事を振るスキルは重要で、これかできると自分も楽になりつつ、部下からも信頼されます。
本書では、仕事を部下に任せるためのコツというテーマで、様々なノウハウがまとめられています。
例えば仕事を任せるときのポイントとして、以下のように説明しています。
上司が部下に指示を出すときは、次の4つを明確に示すべきです。この4つを明らかにしてこそ、指示は明確に伝わるようになります。
・条件① 「期限」を示す
・条件② 「優先順位」を示す
・条件③ 「目的・背景」を示す
・条件④ 「レベル」を示す。
(出典:「任せ方の教科書」)
期限を定めるのは誰でもすると思いますが、部下の仕事の様子を見て、優先順位まで指定してますか?
部下の仕事を把握し、優先順位の指示を意識するだけで、「任せた仕事が期限までに終わらない!」という事態は防げるものです。
また、仕事の「レベル」を示すことも意外と重要です。
例えば、資料作りを依頼したとき、大体の内容をまとめたラフな案でいいのか、そのまま顧客に提出するくらい作りこんだものが必要なのか、それによってかける時間も完成度も全く変わります。
このように、仕事の振り方について、気を付けるべき内容や大切なことが、まとめられています。
「仕事の振り方に自信がない」「どうも部下が指示どおりに動いてくれない」という人にオススメです。
仕事をきちんと任せられるようになるだけでなく、部下から「指示がわかりやすい」という信頼も得られるようになります。
人を動かす
リーダーに限らず、仕事においてコミュニケーション力は重要ですが、特にリーダーにはコミュニケーション力が求められます。
上司は、部下の嫌がる仕事を指示したり、至らないところを指摘しなければいけないからです。
そのため、コミュニケーション力の有無が、信頼を得られるかどうかに直結します。
本書は、相手から反発を受けず、上手に相手を動かすノウハウがまとまっています。
「自分の失敗を紹介してから指摘する」「自分の誤りを素直に認める」「相手が関心あることを見抜く」など、それほど難しくのない、かつ具体的な方法が紹介されています。
そのため、よほどプライドの高い人でない限り、簡単に実践できます。
また、相手の揚げ足をとったり、騙すようなテクニックではないというところもオススメです。
無理矢理言うことを聞かせるのではなく、信頼や共感を得て、相手を動かせるようになるので、部下や仕事仲間と長期的に良い関係を築くことができます。
「部下から反発されてしまう」とか、「表面上はハイハイ言ってるのに全然言うことを聞かない」などの悩みを抱えている人に特におすすめの一冊です。
試行錯誤を繰り返すといつの間にか成長する
本を読んで、「これはよさそう」と思ったものを実践すると、成功することにあれば、うまくいかないこともあります。
上手くいったものは継続し、失敗したことは反省として次に生かします。
そしてまた別のことを実践し、成功したら継続・失敗したら反省・・・と繰り返すことで、だんだんとあなたのリーダーとしての引き出しが増えていきます。
その結果、いつの間にか上司としてのノウハウがたまり、部下から信頼されるようになったり、成果を上げられるようになってくる・・というのが私の実感です。
一冊の本を読んだだけで、いきなり理想的なリーダーになれる、という都合の良い話はありませんが、地道に本からの学びを試行錯誤することで、着実に成長できるようになるはずです。
ここまで紹介してきたのは特にオススメの本なので、リーダーシップについて学んでみたい人はぜひ参考にしてください。