よく「夢や希望を持とう」という話を学校や社会において言われます。
とはいっても数日で達成できるものでもなく、そんなできるかどうかもわからない壮大な話を大切にすることに本当に意味があるのかと思う人もいるでしょう。
たとえば志望の大学に合格したいと考えても、日々やることは毎日コツコツ勉強するのを1年間続けることになります。
また、自分の会社を立ち上げたいという目標があっても、その運転資金をためるために毎日働いたり、商品の確保や宣伝の文章を考えたりと長い間地道な作業を続けることになります。
つまり大きな夢や希望を持っても、やることは毎日小さいことの繰り返しであることが圧倒的に多いのです。
そうなると、はたして大きな目標に意味があるのか、そんな遠くて大きい夢や希望を持つことに意味はあるのかと自問自答することもあると思います。
目次
アルミンは、危険を冒してでも海を見たい
マンガ『進撃の巨人』のアルミンというキャラクターはそんな疑問に答えてくれます。
彼は主人公・エレンの幼馴染で準主人公的な人物です。
(出典:「進撃の巨人」)
体が弱く運動能力は低いため、巨人と戦うための能力は高くありません。
しかし頭脳明晰で、戦いの中で作戦を立案し機転を利かせ、エレンたちをピンチから何度も救う働きをしています。
そんな彼が、なぜ命の危険を顧みず巨人と戦うのかという理由がわかる象徴的な場面があります。
アルミンたちは巨人に奪われた領地を奪い返すため、巨人と決戦に向かう前夜、主人公のエレンたちと話をする場面があります。
そのなかで、アルミンがなぜ戦うか、彼の夢を語る場面があります。
(出典:「進撃の巨人」)
現代の社会に生きる我々にとってみれば、海を見ることは、わざわざ自分たちの命の危険を冒してまで望むことではないでしょう。
しかし、彼らにしてみれば、海というものは書籍の中でしか知らない未知のものであり、人生において一度は目にしたいと思えるほどのものなのです。
アルミンにとっては、それを実現するためには命を懸ける価値があり、彼を様々な困難に立ち向かわせています。
実際アルミンは他の場面でも、何度も「自分は海を見たい、そのために頑張るんだ」とエレンに呼びかけています。
(出典:「進撃の巨人」)
これが彼の生きるモチベーションになっているのだと思います。
夢や目標が自分を奮い立たせてくれる
このように
- これを実現するためには、命をかけても惜しくない
- 自分の人生は、これを実現するためにある
- これを実現できないと、絶対に死ねない
と自分が心から思えるような夢・目標があると、どんな困難においてもその夢が自分を突き動かしてくれます。
くじけそうなときも、気分が乗らないときも、不安や恐怖に襲われるときも、こうした夢・希望を再確認することで自分を奮い立たせてくれます。
このような意味で、夢や希望をもつことに価値があるのです。
よく、企業などで創業者が自社の「企業理念」や「バリュー」を公表していますが、企業にとっての存在意義というものを、私たち個人のレベルでも作るべきです。
人から押し付けられたものではなく、自分が望むものを
そして大切なのはそれを本当に自分が望むようなものであることです。
企業理念は、創業者にとっては純粋に自分で思い描いたものでしょうが、多くの従業員にとって企業理念はは与えられたものであり、それを「これを実現するために自分は生きている」と考えるのは難しいところがあるでしょう。
このように、人から押し付けられるようなものではなく、自分自身が自発的に思い描くものでなければいけません。
そしてこれはどんなものでもよいです。「世の中を良くしたい」なんて高尚なものでなくても構いません。
「異性からモテモテの人生を送りたい」「大金持ちになってハワイで暮らしたい」というようなものでもいいでしょう。
多くの人は子どもが出来たときに、それが一番の生きる意味になるのだと思います。
それも立派な生きる夢や希望です。実際子どものためならどんな辛い仕事でも耐えられるという人も多いはずです。
さすがに犯罪行為や、他の人に迷惑や危害を与えるようなものはダメですが、そういうもの以外であればどんなものでもいいでしょう。
大きな夢や希望が辛いときの心の支えになる
現実主義やクールな人だと、大きくて遠い目標を掲げても、意味が無いと感じることもあると思います。
しかし、「このためなら頑張れる」「このために生きている」という目的を持つことは、大変なことを乗り切るための力をわきあがらせてくれます。
そしてそれは人から押し付けられるものではなく、自ら湧きあがってくるものであることが一番大切で、人に自慢できるような立派なものである必要もありません。
そして日々の生活がその夢の実現につながっているならば、辛いことがあってもくじけずに踏ん張るための心のよりどころになるでしょう。
アルミンたちは人類が巨人に負けてしまわぬよう戦うのですが、その目的「海を見たい」というのも、極めて個人的な理由です。
しかしそうであっても、そのために困難にも耐えることはとても立派です。
私たちも形は違えど、自分の個人的な夢のために努力を続ける姿勢でありたいですね。
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