上司であっても仕事でのミスはしてしまいます。
しかし、そのときに部下への謝りかたが下手な上司が多くいます。
まずそもそも、自分よりも地位の低い人に謝ることが苦手で、素直に「ごめんなさい」と言えません。
人望の無い上司ほど、自分の謝りを認めることができず、謝罪の言葉を口にすることができません。
出来る上司は自分に非があるときは素直に認め、謝罪して部下からの信頼を得ているものです。
そこで今回は、「部下に謝るときにはどうするべきか」についてまとめました。
大切なことは、上司であるあなたのプライドを守ることではなく、適切に謝って部下との関係を良好にすることです。
いつも偉そうにしているよりも、必要なときには素直に謝ることのできる謙虚な姿勢こそが部下との信頼関係を強くします。
「謝るのが苦手だ」、「部下との人間関係が上手くいかない」と悩む人は参考にしてください。
目次
上司が部下に謝罪できない心理とは
まずは、なぜ上司が部下に素直に謝れないかについて考えてみましょう。
部下への謝りかたを知る前に、素直な気持ちで部下に謝れるかどうかが重要です。
人間は、人の発する言葉と同じように、その態度・様子をよく見ています。
あなたが「謝ればいいんだろ」と思って謝罪の言葉を発しても、部下はあなた気持ちに気づきます。
そんな謝罪では逆効果になってしまいます。
そのため、部下への謝罪のハードルとなってしまう2つのポイントを把握しましょう。
①プライドが許さない
プライドが高いため、「部下に謝ったら負けだ」のような思い込みをしていないでしょうか。
このような価値観がある場合、自分の非を認めて頭を下げてしまうと格好がつかないと考えてしまいます。
しかし、今の世の中、素直に自分の非を認めて謝罪ができないことで、さらに問題がこじれてしまうことが多々あります。
それに対し、立場ある人が謝りを潔く認めて頭をさげ、反省している様子を見せることで逆に印象はよくなります。
このことが理解できない限りは、この時代に上司として部下と良好な関係を結ぶことはできないでしょう。
②責任を問われることを恐れる
失敗をしてしまったときにはその責任を問われることがあります。
それを恐れてごまかそうとしたり、非を認めないという態度をとる上司もいます。
確かに、あなたに非が一切ないケースで謝ることはよくありません。自分の身の潔白を主張すべきです。
しかし、100%でないにしても自分が責められるべきポイントがある場合は、その点については非を認め、その上で主張しましょう。
そのような姿勢のほうが、相手にとっても、全く非を認めずに反論してくるよりは受け入れやすいものです。
また、これは大切なことですが、「非を認めること」と、「相手が望む賠償をするということ」は別問題です。
世の中には、ミスにつけ込んで、それに見合わない大きな賠償を求める人間がいます。
そのような賠償には応じる必要はありません。
相手の賠償に応じないために、自分の非を認めないという考えもありますが、それでは相手の怒りの気持ちが収まりません。
そこで、「非を認める=相手の賠償に応じる」ではないと考え、まずは非を認めたほうが良いでしょう。
部下に謝りたいときに注意すること
このように、部下への謝りかたの前に、謝ることへの心理的ハードルを越えましょう。
その上で、部下に謝るときは、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
①タイミングよく謝る
基本的にはミスが発覚し、自分に非があることが明らかになったらすぐに謝るべきです。
最初にはぐらかそうとする意思が見えると、怒りの気持ちが大きくなります。
部下に謝ることに心理的な抵抗がある場合は、すぐに非を認めて謝ることができません。
しかし、タイミングよく謝罪することで、部下のネガティブな気持ちがこじれるのを防ぐことができます。
対顧客へのクレーム対応でも、初動が大切とよく言われます。
つまり、自分に非がある場合は以下に早く適切な謝罪ができるかということが重要です。
これは部下への謝罪についても同じことが言えます。
②言い訳しない
どうしても自分保身のために言い訳や弁解をしてしまいがちです。
それも必要なことですが、伝える順番を間違えないようにしましょう。
まずは自分の非を認め、謝罪の言葉を伝えます。
そしてその次に、相手が「なぜこのようなミスが起きたか知りたい」という気持ちになったうえで、ことの流れを伝えるべきです。
謝罪する前にいきなり言い訳や弁解をはじめてしまうと、相手に「この人は自分が悪いと思っていない」と感じさせてしまいます。
③素直な反省の気持ちを伝える
先ほども触れていますが、表面的に取り繕っただけの謝りかたは相手に不快感を与えてしまいます。
もし、あなたが「謝ればいいんだろ」と強く思ってしまうと、それが態度や言葉の端々に出てしまうものです。
人は他人の悪意には敏感ですから、このような姿勢が見えると謝罪の意味がなくなります。
まずは、自分に非があることをきちんと認め、それで部下に迷惑をかけてしまったという事実を自分のなかで受け入れましょう。
そしてその反省の気持ちを素直に部下に伝えるのです。
そうすると、あなたから出る言葉や表情、声のトーンがそれにふさわしいものになります。
それによって、部下としてもネガティブな気持ちが収まる方向に進みます。
非あるときは、潔く謝るのが好印象
部下へ謝るときには、このようなポイント意識することが大切です。
やはり、色々な人を見ていると、その人が注意されたときにどんな対応を取るかは年齢や肩書きに関係ないなと感じます。
例えば「一切言い訳をせず、潔く非を認める新卒社員」もいれば、「言い訳を並べ、他人のせいにする取締役」もいます。
自分に非があり、謝るべきときにどのように振舞うかは相手への印象にとても大きな影響を与えます。
潔く認め謝る姿に好ましい印象を持つ一方、言い訳がましくごまかすような姿勢はとても見苦しく、印象がさらに悪くなります。
最近はタレントの不倫が報じられることが多いですが、そのときのその人の応対によって世間の反応が好意的かそうでないかハッキリ分かれるのにもうなずけます。
やはり自分に非がある状況では、言い訳や責任転嫁をせずに潔く非を認め謝ることが望まし言えるでしょう。
苦しいときにどう振舞えるか
以上、効果的な部下への謝りかたについてまとめてきました。
以前、「しくじり先生」という番組で、プロボクサーとして有名だった亀田親子が出演していました。
彼らは一時期、飛ぶ鳥を落とす勢いでボクシングの世界で有名になり、世界チャンピオンにもなりましたが、自分たちの問題行動が取り上げられたときに適切に振舞うことが出来ず、世間から大きなバッシングを受けてしまいました。
彼らがそのとき学んだこととして、
「勝ちざまより、負けざまにその人の強さが表れる」
という格言を話していました。
勝っている、成功しているときは思いのままに振舞えばよいでしょうが、負けてしまった時は周りから責められます。
このようなときに、潔く謝れるかどうかがその人の器の大きさが分かります。
ビジネスの場では、普段上司は上の立場として部下に指示をしたり、叱責することもあるでしょう。
部下のミスをカバーしたり、フォローすることも多々あると思います。
そんな中であなたがミスをしたときに、自分のプライドが気になってしまうのか、それとも素直に非を認めるのかによって、あなたの心の強さが問われます。
あなたがミスをしてしまったときは、この内容を参考にして、部下に素直に謝り、信頼を勝ち取ってください。
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