クラッシャー上司という言葉が最近言われています。
クラッシャー上司(クラッシャーじょうし)とは、労働問題にまつわる用語の1つ。
気分の浮き沈みが激しく、部下のミスを執拗に責め、あるいは暴言を吐いたりして次々に部下を鬱と休職や退職に追い込むなど、その言動で部下を次々と潰してしまう上司のことを指す。
出典:Wikipedia
ただ単純に「部下を潰すという上司」であれば会社としても害しかないので、部下から適切に声が上がれば降格や処罰されることになるでしょう。
しかし上司自身が優秀な成果を上げていたり、部下は潰すけれども部署の売上を大きく上げるということであれば、会社としては有能な人材であるため容認してしまう可能性があります。
そうなると部下としては社内に逃げ場がなくなるため心身ともに追い込まれてしまいます。
このようなクラッシャー上司は、ブラック企業と構図が似ていると思います。自分の利益のために部下や社員を利用し、相手を潰すという意味では同じです。
ブラック企業の中にクラッシャー上司がいた場合は最悪の組み合わせでしょう。
会社の方針そのものが社員を追い詰めるようなものになります。社員は次々と離職したり心身を病んでしまいます。
この「クラッシャー上司」という言葉や、それによる被害の存在を知っておかないと、あなたもその餌食となりクラッシュされてしまうかもしれません。
今回はクラッシャー上司の生態とその対策をまとめました。今後クラッシャー上司に襲われても自分の身を守れるようになりましょう。
目次
クラッシャー上司とブラック企業は構造が同じ
仕事においては成果を出すことを求められますが、それを求めるあまり長時間労働・過度なプレッシャーや罵倒をしてしまうのは当然よくありません。
しかし自分自身が長時間労働を行い、上司に罵倒されながらもその環境で生き残り成果を上げてきた人間は自分も同じような上司となって部下に圧力をかけることになります。
そして、その圧力に耐え切れず、心身を壊したり逃げ出す部下が居ても「あいつが弱いだけだ」と判断し自分の姿勢を改めることはしません。
上司がこのようなクラッシャーであっても、会社が長時間労働やパワハラを是正するよう動いてくれるならばまだ救いものです。
対処としては証拠をつかんで会社の窓口に訴えればよいでしょう。
しかし、中小企業中心に、経営方針そのものがクラッシャーであるケースがあります。
上司のクラッシャーな方針を容認したり、むしろ現場上司にそのような姿勢を求めるケースもあります。
また、「お客様の要望にお答えする!」「お客様を幸せにする!」という名目のもとに長時間労働や過剰サービスを強制するような文化の会社もあります。
「お客様の笑顔と感謝が我々の報酬だ」といわんばかりに社員が進んでサービス残業・休日出勤をするような風潮をつくり、体育会系のノリで罵詈雑言が飛び交うような環境の会社もあります。
このような企業がいわば「ブラック企業」なのでしょう。
ブラック企業の方針をう呑みにしてはいけない
怖いのは、このような環境の会社に入ったときに「これが当たり前」だと思ってしまうことです。
サービス残業・休日出勤は当たり前、上司から言われる罵声も自分がダメだから仕方がない、この環境に馴染めない自分が社会人として失格だ・・と思い込んでしまうと自分で自分を追い詰めて心身を崩してしまうのです。
このような事態を防ぐためには、まずクラッシャーな上司やブラック企業の存在を知り、これが正常ではないということを認識することです。
多くの人はブラックな環境に気づき、きちんと逃げることができます。
しかし、なかにはブラックな環境が当たり前だと思い込んでしまい、「他の環境も同じようなものだから逃げ出しても意味がない、適応できない自分がおかしい」と考えてしまうことがあります。
そうではなく、「この人はクラッシャー上司だ」「うちはブラック企業だ」というのを判断できる基準を持ち、当てはまるときにはしかるべき対応ができるようにならなければいけません。
クラッシャー上司やブラック企業を見分ける2つのポイント
クラッシャー上司やブラック企業なのかを見分けるポイントは簡単です。
・労働基準法に違反している働き方を強制しているかどうか
サービス残業や休日出勤を強制される場合はまずアウトでしょう。
強制されないまでも、周りの社員がことごとくサービス残業している場合も注意です。
・人格を否定する叱り方をしているか、罵倒しているか
叱ることはどの企業にもありますが、問題はその方法です。
人格を否定するような叱り方や、怒鳴り散らすような叱り方はアウトです。良識ある上司は叱る際は人格には触れません。また必要以上に怒鳴り散らすこともしません。
この環境が日常茶飯事であればその環境が異常です。
その環境の中でもしあなたの人格が否定されたとしても、それは異常な人間の異常な価値観による判断なので気にする必要はありません。
論理的な主張にだまされてはいけない
しかしクラッシャー上司やブラック企業の主張は一見すると論理的であることが多いものです。
例えば「成果を出すためには人と同じ事をやっていてはいけないんだ、人の2倍・3倍努力しないとダメなんだ!」「上手く行かない原因を人のせいにしてはいけないんだ、自分に原因があると捉えないとダメだ!」などです。
これらは確かにその通りなのですが、問題は叱るときに罵倒するかどうか、人格を否定するかどうか、サービス残業を強要するかどうかという点です。
一見すると正しい主張をしていたとしても、パワハラや不当労働が起きている場合は従うべきではありません。まともにとりあうと心身を壊されます。
言っている内容の正しさを見るのではなく、その実態を見極めましょう。言っていることがいくら立派でも、実態がブラックであれば離れることを冷静に考えましょう。
エネルギーがないならまずは小さな一歩を
また、このようなクラッシャーやブラックな環境におかれたときに恐ろしいのは、「抜け出すエネルギーすらも湧かないこと」です。
人格を否定されすぎて「自分は他の環境では上手くいかない、ここで働き続けるしかないんだ」と思い込んでいる場合や、肉体的に疲れすぎて新しい一歩を踏みだすエネルギーがない場合があります。
そのため、周りから見ると一刻も早く転職活動をするべきなのに、ズルズルと働き続けてしまうことがあるのです。
この状況で抜け出すためには、まずは環境を変えるための小さな一歩を踏み出しましょう。
転職サイトに登録するとか、ハローワークに行ってみるなどの動きをとってみるのです。
心身ともにエネルギーが少ない状態で、いきなり負担が掛かることをするのは難しいものですが、スモールステップとして少しだけ手や足を動かしてみましょう。
その一歩が次につながります、そしてその中で出会う第三者があなたのことを助けてくれるかもしれません。わずかな一歩でも歩んでいくことが大切なのです。
例えばこの記事が参考になるはずです。
転職サイトってどういうもの?何を選べばいい?の疑問に答えます
抜け出すためにはネガティブに思い込まないことも大切
以上のように、クラッシャー上司やブラック企業の環境に置かれたならば、逃げ出す準備を始めなければいけません。
確かに今の職場を辞めても他の仕事が決まらない心配があったり、家のローンが支払えないと不安になることが多いでしょう。
しかし、今のままの環境で仕事を続け、体を壊して仕事ができなくなってしまうということが経済的にも一番損をしてしまいます。
疲れているときはネガティブに思い込んでしまいがちです。あなた自身ではなく環境が異常なのであるということを認識して、少しづつでも環境を変える一歩を踏み出しましょう。
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