新卒の就職活動ほどではないですが、転職活動においても志望動機は重要です。
しかし、転職活動では業界や職種が異なる求人に応募することもあり、もともと知らなかった企業に応募することもあるでしょう。
そうなると志望動機を考えるのが難しかったりします。
また、正直なところ自分の希望する待遇や環境の企業であればどこでもよく、その企業への立派な志望動機などないことも多いでしょう。
しかし、「待遇や条件が合うからです」と言う志望動機の応募者と、志望動機を立派に話してくる応募者であれば、後者のほうが企業にとって魅力的に映ります。
本当の「志望動機」がどうであれ、やはり企業に響く志望動機を作成する必要があると言えます。
そこで今回は、各種転職サイトに載っていた志望動機の作成方法と、私が実際に志望動機として作成した文章(バレを避けるために一部改変しますが)をこの記事の中で紹介したいと思います。
志望動機として作成した文章を載せたので、かなり具体的です。作成ノウハウだけ読んでもイメージが湧かないという人は参考になれば幸いです。
目次
志望動機を構成する3つの要素
大手転職サイトやエージェントのアドバイスを振り返ると、転職活動の志望動機は以下の3つの要素から組み立てるべきだと考えています。
それは以下の3つです。
①応募先企業に魅力を感じた部分
同業他社でなく、なぜ自企業に応募しようと考えたのか
②生かせる経験やスキル
自分のこれまで経験のうち、どのようなものが応募先企業でも生かせるか
③入社後に実現したいこと(貢献したいこと)
自分の経験やスキルを生かして、応募先企業でどのようなことを実現したいか
以下、順番にご紹介していきます。
応募先企業に魅力を感じた部分
まずは、同業他者ではなくその企業に魅力を感じた理由を考えましょう。
切り口には以下をポイントにすると良いでしょう。
・経営理念や経営者メッセージ
・事業内容や事業戦略
・その企業独自の商品やサービス
これらのポイントを探すために、会社HPに目を通し、魅力に感じた部分を取り上げましょう。
また、同業他社のHPも確認し、応募先企業との違いに着目してみるのもよいでしょう。
生かせる経験・スキル
自分の職務内容や経験、実績から、応募先企業で生かせそうなものを確認しましょう。
このとき、自分の考えや推測で選ぶのではなく、求人情報の「募集要項」「仕事内容」「求める人物像」を確認し、そこに合う内容をアピールすることが大切です。
そのため、複数の企業に応募する場合、企業ごとに取り上げるポイントを微妙に変えたほうがよいこともあります。
また、このとき、生かせるスキルを伝えるだけでなく、それを裏付ける具体的な説明も加えましょう(詳しくは後述の具体例を参考にしてください)。
入社後に実現したいこと
生かせる経験・スキルをベースにして、入社後にどのようなことをしたいかということをまとめましょう。
転職面接の場合は、「やりたいこと」が「自分の経験」をベースになっていることで説得力のあるアピールになります。
もし、新しいこと(自分の経験がベースにならないこと)に取り組みたい場合は、「なぜ新しいことに取り組みたいと思ったか」ということを、「自分の過去の経験」をベースにして説明できると説得力が増します。
また、ここで伝える内容も、あなたの独りよがりになるのではなく、企業の求めていることである必要があります。
求人内容の「求める人材」「仕事内容」から拾ったり、推測するなどで企業が求めていることをつかみましょう。
志望動機サンプル(魅力を感じた部分)
それでは実際に、私が実際に志望動機として考えていた文章をご紹介します。
もちろんこのまま使えるわけではないでしょうが、実際の文例を見ることでイメージが湧きやすくなると思います。
まずは、応募先企業に魅力を感じた部分のサンプルです。
①企業理念に共感したパターン
(食品メーカー)
御社の、「日本の食を世界に広げたい」という思いに魅力を感じました。学生時代から色々な国へ旅行にいっていましたが、やはり日本食はそのバリエーションや美味しさという意味で、世界に発信する価値があると感じています。
(ベンチャー企業)
「変わり続けること」をモットーとした企業理念に共感しました。自分もいつまでも同じことをし続けて仕事をするよりも、できることを増やしたり、自分の能力を上げることにやりがいを感じるので、とても共感できます。
(人材派遣)
「人が変われば会社がかわる」という理念に共感しました。現職でも同じ事務所のリーダーが変わることで雰囲気が変わることは多々あったし、自分がリーダーとして新しい部署に異動したことで、部の印象が変わったという声をもらいました。
②業種に魅力を感じたパターン
(介護業界の転職支援サービス)
介護の分野はこれからよりニーズが高まると思いますが、待遇の面で問題があると思います。それを改善させるためには、人材の流動性を高めて、良い会社に人が集まるようにすべきです。御社のサービスそれを実現できるため、社会的な貢献度が高いと考えているので魅力に感じています。
(集団塾)
ただ成績を上げるのではなく、受験を通じて子ども達の精神的な成長を促すということができるのが学習指導の素晴らしいところだと考えています。人の成長に直接関わることのできる御社の仕事内容に魅力を感じています。
③経営戦略に魅力を感じているパターン
(建築・建設業界)
景気が良いときにどんどん拡大するという方針ではなく、慎重にリスクを判断しながら成長していくという姿勢に共感します。業界的に勢いで拡大していくイメージが強いが、そうでないく、堅実で確実に成長していくという方針に魅力を感じています。
志望動機サンプル(生かせる知識・スキル)
続いて生かせる知識・スキルを伝える際の文例をご紹介します。
(営業経験)
反響型の営業を約10年間行っておりました。その経験を通じて、こちらの売り込みを一方的に行うのではなく、相手の考えや悩みを聞き、それに丁寧に答えることで信頼を得てきました。
(管理職経験)
10人ほどの部下をマネジメントしていました、部下のフォローと定期MTGで振り返りを行い、モチベーションを上げてチーム意識を持たせるように工夫しました。
また、自身が率先して目標達成に向けて動き、成功例と失敗例の共有を行うことでPDCAを回し、部署内社員の主体性を高めるよう導きました。
(採用)
現職では中途採用・新卒採用を共に行っておりました。面接においては、応募者を評価するだけでなく、応募者から好感を持ってもらい入社意欲を高めることも心がけました。
(クレーム対応)
現職では、現場の上長としてクレーム応対も行いました。一度ご迷惑をかけてしまった顧客の信頼を取り戻すため、常に先手を打って連絡することや、相手の期待を上回る手厚さで対応することを心がけました。
(総務)
現職では部下の管理から、自らも備品管理や入社退職の手続き、突発的に依頼が入る庶務業務を同時進行で行い、幅広い業務をマルチタスクで行っておりました。
このように、具体的な業務の内容や心がけたことを簡単にまとめてセットにすると良いでしょう。
志望動機サンプル(入社後にやりたいこと)
生かせる知識・スキルに続ける形で、入社後に実現したいことを述べると深みのある志望動機が完成します。
以下にサンプルをまとめました。
(営業での売上向上)
このような前職の営業の経験を生かし、御社でも提案型の営業にてお客様の支持をいただき、御社の売上アップに貢献したいと考えております。
(管理職経験)
御社においても前職と同じように部下へアプローチを行うことで、主体性を伸ばすことのできるマネジメントを行いたいと考えております。
(採用)
前職のこのような経験を生かし、採用活動において優秀な人材を確保することをすることで御社に貢献したいと考えております。
(クレーム対応)
前職のこのような経験を生かし、クレームだけでなく、難しい顧客や取引先との折衝を行うことで御社の利益につながるような対応ができると考えております。
(総務)
御社においても様々な業務が突発的に発生することと思いますので、前職の経験を生かし、複数の業務を遅れなくてきぱき進めることができると考えております。
最も優先すべきは「魅力を感じた部分」
以上のように、転職活動での志望動機のポイントとサンプルをご紹介しました。
志望動機をきちんと答えられることで、入社意欲の高さをアピールできます。
ただし、ここでご紹介したポイントは3つの要素を一気に話すことになりますので、作る(覚える)のが大変かもしれません。
その場合はひとまず最初の「企業に魅力を感じた部分」に絞って作成しましょう。
「生かせる知識・スキル」や「入社後に実現したいこと」は志望動機のときに話せなくても、そのあとに質問を受けることもあるので、改めて伝えることもできます。
「志望動機をどう作ったらいいいかわからない!」という人は、まず応募先企業のHPなどを確認し、あなたが魅力に感じるところがないかを探してみましょう。