転職活動には面接がつきものです。素晴らしい履歴書や職務経歴書が作れても、面接で上手くいかないと転職活動の成功は難しいでしょう。
逆に、面接で自分を効果的にアピールできると、自分の望む転職ができる可能性は高くなります。
そこで、今回は実際に私が転職活動を行ったうえで実感した、面接で成功するためのポイントをまとめました。
5つの視点からまとめたので、面接に苦手意識がある人はぜひ参考にしてください。
目次
志望動機は企業HPから
転職活動の面接では志望動機を聞かれることが非常に多いでしょう。
「たまたま条件がいいと思ったから御社を志望しました」では面接は受かりません。
転職サイトでは、志望動機は以下の3つで構成すると良いと言われています。
①応募先企業に魅力を感じる理由
②自分のキャリアでできること
③入社後に実現したいこと
ただし、実際問題としてこれらの3本立てて考えるのは難しいかもしれません。
そういうときは①の内容を深く考えるのが良いでしょう。
なぜなら、自分のキャリアや入社後に実現したいことだけ話した場合、その内容が応募先企業の求める人物像に合わないと逆効果になるからです。
たとえば、「部署を束ねる管理職としてのキャリアを積みたい」とアピールしても、応募先企業が実務担当者を求めている場合はミスマッチになります。
そのような事故を避けるためには、①の内容について深く考えることが効果的です。応募先企業に魅力を感じる点がないか探しましょう。
そのためには、応募先企業のHPを見て、自分が共感できるところに注目します。
特に企業理念や経営者メッセージ、事業内容紹介のページなどがよいでしょう。
そして、自分がなぜそこに共感できるか、魅力を感じるかを掘り下げて考えてみます。
このように考えると、説得力のある志望動機をつくることができます。
効果的なアピールのテクニック
新卒の就活では、人間性とポテンシャルを伝えることがメインですが、転職面接では、自分の経歴を上手く伝えることが中心になります。
しかし、面接官の質問の進め方によっては自分の経歴を上手く伝えられない可能性があります。
また、慣れないうちは「どのように伝えるのが効果的か分からない」という不安もあるでしょう。
そこで、以下の5つのテクニックを押さえておくと、どんな面接でも自分の経歴を効果的にアピールすることができます。
①経歴確認中に、「さりげなく1つ」アピールする
多くの面接では、高校~現在に至るまでの経歴を簡単に確認するところから入ります。
そのときに、ただ経歴を確認していくのではなく、さりげなくアピールすることが効果的です。
普通の流れ
面接官「大学を卒業した後は営業の仕事を経験されたんですね」
あなた「はい」
面接官「どのような商材を扱ったのですか?」
あなた「はい、個人向けの・・」
アピールする流れ
面接官「大学を卒業した後は営業の仕事を経験されたんですね」
あなた「はい、20人くらいの社員のなかで、常に上位3位程度でした」
面接官「それは優秀ですね、苦労した点はありますか?」
あなた「はい、最初は・・」
あまり話しを脱線してしまうのは良くないので、はさみこむのは1つの経歴あたり一つくらいにしておきましょう。
履歴書や職務経歴書に書ききれないことでアピールできるポイントはたくさんあるはずです。
そうしたポイントを、面接の経歴確認のときにさりげなく、くどくならない程度にはさみこむことで、アピール漏れを防ぐことができます。
②数値で示せないアピールは、「経験」そのものを伝える
営業や販売職であれば、自分の実績を、金額や社内の順位などで上手く伝えることができます。
しかし、経理や総務などの管理部門の仕事などでは、営業のように実績を数字でアピールすることが難しいものです。
このような場合は、「業務経験があるかどうか」がアピールのポイントになります。
総務であれば、備品管理や入社手続という業務だけの経験があることより、株主総会の運営や社葬の実施経験があるほうが魅力的に映るでしょう。
実績を数字で評価できないタイプの職種の場合は、「業務の経験の幅(いかに多くの種類の業務を経験してきたか)」をアピールすることを意識しましょう。
③会社や業務の説明では、自分がアピールできることを探す
転職活動の面談では、面接のときに会社や業務に関しての説明を受けることが多いものです。
そのときには、自分のどんな経験が生かせるかについて考えながら聞きましょう。
求人票の情報や、事前に入手していた情報以外に、実際に説明を受けることで「自分のこの経験が生かせるかも」と見つかることがあります。
用意してきた内容をしっかり伝えることが大切ですが、説明を聞いたうえで「これが生かせるかも」と気づいたものをその場でアピールすると、効果的に響くことが多いものです。
④逆質問で課題を聞き、それにあわせてアピールする
会社や仕事の説明の中でアピールできる点が見つからなかった場合は、逆質問(「何か質問はありますか?」と聞かれた場合)のときに、「御社(配属先の部署)での課題はなんですか?」と質問してみましょう。
それで出てきた課題を解決するために、自分の経歴でアピールできることないか考えましょう。
それが的を射たアピールであれば相手に響きますし、多少ズレていても、「自分のこういう部分が御社の課題を解決できる」という姿勢を示すこと自体が意欲のアピールになります。
⑤自分の経歴説明は、相手企業にあわせて変える
応募先の企業によって、応募者に求める能力や価値観が微妙に異なります。
同じ職種の応募でも、実務中心の業務を任せたい場合もあれば、管理職としての役割を期待したい場合もあります。
どんな企業にも同じようなアピールをするよりも、それぞれの企業の背景にあわせて自分の経歴のどこをアピールするかを変えるほうが望ましいです。
面接では「前職ではどんな仕事をしてきましたか?」という質問されることが多いものですが、その答えはどんな企業でも同じ内容にせず、応募先企業がより食いつきそうな業務について詳しく話すようにしましょう。
以上のようなポイントを押えることで、あなたの経歴を効果的に応募先企業へ伝えることができます。
質問にはできる限り1文で答える
事前準備をしっかりこなし、話す内容を固めていくと、本番の面接ではその内容をすべて話したくなるものです。
しかし、面接は双方向のコミュニケーションです。
あなたが長々と話してしまうと、言いたいことをきちんと聞いてくれないばかりではなく、「話が長い人だ」と悪印象を与えてしまいます。
つまり、綿密に準備することが逆に裏目に出てしまうこともあるのです。
そのため、相手に上手くアピールするためには、一つの質問に対しては一つの文(もしくは二文)で答えるようにしなければいけません。
しかし、一文で伝えようとしても、あれこれ詰め込みすぎると結局話が長くなります。
そこで、簡潔に話しつつ上手くアピールするためには、「質問の答えの中に、相手が食いつきそうなフレーズや内容を入れておき、追加質問を促す」という方法が有効です。
例えば以下のような流れで追加質問を促しましょう。
面接官「これまでの仕事の中で最も大変なことはなんでしたか?」
あなた「はい、営業部のリーダーに任命されたときです。はじめはどのようにリーダーシップを取ればよいか分かりませんでしたが、自分の考え方を変えることで成果を出すことができました。」
面接官「考え方を変えるとは、どのようにしたのですか?」
あなた「はい、自分のやり方をベストを考えるのではなく、それぞれの人に合った方法を磨くほうがよいと考えを変えました。」
このように、まずは結論を話しつつ、その中に追加質問を促すような言い方をしましょう。
自分をアピールしたいがゆえに、一気に長々と話してしまうことは逆効果です。
「アピールは短く、何回かに分けて」という姿勢が重要です。
面接の最後は再度アピールを
このように、面接の場で効果的に自分をアピールすることができれば通過率は上がります。
ここまでご紹介した方法で、「短く・何回も」アピールすることを心がけましょう。
そして、面接の最後のタイミングで、再度アピールすることが最も重要です。
面接のなかで感じた、「自分のこの部分をアピールしたい(すべき)」という点を面接の最後にもう一度アピールしましょう。
タイミングとしては、「面接はこれで以上ですが、あとは何かありますか?」と聞かれたときです。
「お話の中で、御社の課題が○○とお聞きしました。私の××という経験がその課題の解決にお役当てできると思います。よろしくお願いします。」という形でぜひアピールしましょう。
これがハマると、実際に「活躍してくれそうだ」と感じさせられるだけでなく、やる気があることのアピールにもなります。面接官の印象がぐっとあがります。
大体の応募者は、慣れない面接に疲れてしまい、最後のほうは気を抜いてしまがちです。
そんななか、最後にきっちりアピールすることで、好印象を残せます。
謙虚な性格の人は、気後れしたり恥ずかしく感じるものですが、その労力に対する効果は絶大です。
労力と効果のコスパが非常に良いです。非常にオススメです。
模擬面接は「緊張せずに話せるか」の練習
エージェントを活用すると、面接対策(模擬面接)をしてくれることがあります。
無料で練習できる機会なので、面倒臭がらずに利用するのがオススメです。
ただし、「模擬面接を完璧にするだけで通過できるわけではない」ということを知っておく必要があります。
エージェントでの面接練習は、緊張せずにハキハキと、相手に伝わりやすく話すことができるか、ということがメインだと思いましょう。
「話し方の良し悪し」の判断はできますが、「話している内容が通過できるレベルのものか」という判断はエージェントでは難しいものです。
話している内容や経歴が、応募先企業にとって採用に足るものかかどうかの判断は、やはり実際の面接で感触をつかむしかありません。
そのため、模擬面接では、まず自分が言いたいことをスムーズに話せるかの確認と考え、内容が企業に響くかどうかは実際の面接の場で確認するものと考えましょう。
同じような職種や業界に絞って複数の企業を受けていれば、面接官のリアクションや合否の結果から、響くポイントがわかるようになってきます。
面接で上手くアピールできれば通過率があがる
このように、面接が苦手な人向けの転職面接のコツをご紹介してきました。
「自分の能力や経験で採用されるかどうか決まるもの。面接対策なんて意味がない」と考える人もいるかもしれません。
それは確かに事実で、いくら面接のトークスキルを磨いても、肝心の経歴やスキルが足りないと受かりません。
しかし、せっかく評価されるべき経歴を持っていても、それが正しく相手に伝わらないと受からないのも事実です。
ある程度は履歴書や職務経歴書で伝えられると思いますが、面接の場で補足的にアピールできたり、書類について突っ込まれたときに上手く答えられるかどうかで面接の通過率は変わります。
そのため、転職活動の成功を考えたときには、面接のコツを意識することはやはり重要でしょう。
今回ご紹介した内容は、私が自分で転職面接を進める中で実感したコツなので、万人受けはしないかもしれませんが、役立ちそうなものがあれば参考にしてみてください。
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