部下育成

部下の叱り方が分かっている上司は、部下を変えることができる。

叱っているイメージ

「部下の叱り方が分からない」「関係が悪くなるので叱れない」という悩みを抱える上司は多いでしょう。

人は基本的に、叱られることも、叱ることも嫌なものです。

しかし、子どもが親や先生に叱られながら育っていくように、人が育つためには「叱られる」という経験は必要です。

 

それは部下の育成についても同じです。

部下を上手く叱ることのできる上司は、適切に部下を育てることが出来ます。

逆に、部下を叱れない上司のもとでは、部下が仕事を怠けたり、いつまでたっても成長しなかったりというリスクがあります。

そこで今回は、部下の叱り方のコツについてまとめました。

「どうすれば上手く叱れるか分からない」と悩む人は、この記事の内容をいかせば部下を上手く叱れるようになります。

「怒る」と「叱る」の違い


部下の叱り方を考えるうえで、重要なのが「怒る」と「叱る」の違いを知ることです。

「怒る」というのは自分の怒りの感情を相手にぶつける行為です。

これは、あなたのイライラをスッキリさせることにしかなりません。

「叱る」というのは、相手を育てるために、改善が必要な点を注意・指摘することです。

これは、相手のことを思って行なう行為です。

上司としては、当然部下には「怒る」のではなく「叱る」ことをしなければいけません。

 

そのために大切なのは、「改善すべき点を明確に伝える」ということです。

また、感情のままにしゃべるのではなく、言いたいことを論理的に伝えましょう。

論理的に話すことで相手は納得します。納得することで叱られた内容を受け入れるのです。

具体的な指摘もないままただ怒鳴り散らされても、どのように改善すればいいのかがよくわからず、納得もできません。

 

このように「怒られて」しまうと、部下はモチベーションが下がってしまいます。

「自分は部下を叱っているつもりだ」と思っていても、怒っているだけというパターンはよくあります。

このとき、あなた自身はスッキリするかもしれませんが、部下は成長しません。

部下を叱るときには、「相手を成長させるために叱る」いうことを忘れないでください。

部下を叱る技術


このように、部下を「叱る」時には、相手を成長させるという視点が必要です。

そして、上手に叱るた

めには、「叱り方の技術」というものがあり、それを活用することが重要です。

ここでは5つの叱る技術をご紹介します。

 

①直接叱る

叱るときは、相手に対して直接伝えるのが大原則です。人を介して間接的に伝えるのはただの悪口になってしまいます。

また、メールで叱ることもオススメできません。メールだとついつい感情的になってしまう恐れがあり、相手も誤解してしまう可能性があります。

なお、叱るときには1対1で叱るべきです。第三者がいる場や、大勢の人の前で叱るのは相手のプライドを傷つけてしまいます。

プライドが傷ついてしまうと、叱られたことを素直に受け入れることができなくなります。

 

②叱る基準を明確に持つ

遅刻したら厳しく注意する、提出物の期日を無断で破った場合は追及する、お客様をないがしろにした場合は叱る・・のような、「自分が叱る条件」というのを明確にしましょう。

このような基準を持って部下に接すると、部下から「この人はブレない」という信頼につながります。

このような基準がないと、「新人だから大目に見てやろう」と対応になったり、同じことをしても気分が悪いときは叱られて、そうでないときは叱られないということが起きます。

 

③シンプルに、短く叱る

叱るときは短い言葉で、「何について叱っているのか」を明確にして伝えます。

叱る側としては、本当に相手に伝わっているか不安なので、同じようなことを繰り返して伝えてしまいがちです。

しかし、くどくど繰り返しても、相手は「もうわかったよ」と内心反発するだけです。

 

また、叱ったあとはネチネチ根に持たずに切り替えましょう。

叱る側の上司がいつまでも不機嫌なままだと、部下に必要以上にストレスを与えてしまいます。

 

④最後は前向きに終わる

叱るべき内容を伝えたら、話の最後は前向きな雰囲気で終わりましょう。

「今回は失敗したけれど、次からは気をつけて頑張ろうな」というような、これからの働きに期待をかけるのが効果的です。

また、「普段から一生懸命仕事してくれているのはよくわかっているから、落ち込みすぎずに頑張って」と、普段の頑張りを評価してあげることも大切です。

このような声かけをせず、叱って気まずい雰囲気のままで話が終わってしまうと、部下が気持ちを上手く切り替えられない可能性があります。

 

⑤自分のために叱らない

部下の失敗によって、面倒くさい尻拭いをすることになったり、会社からの(あなたの)評価が下がるかもしれません。

しかし、部下の失敗は上司の責任です。あなたが責任を取ることになっても、そのストレスを部下にぶつけてはいけません。

自分のストレスを部下にぶつけるような接し方は、「叱る」のではなく「怒る」ことになります。

 

自分の都合やメンツで怒っているとき、それは必ず部下に伝わります。

そのような思いが伝わると、部下からは信頼されなくなります。

信頼されなくなると、叱ってもその内容を素直に受け入れてくれなくなってしまいます。

ダメな部下の叱り方


このように、部下の叱り方の技術は色々なものがあります。

このような技術を使って効果的に叱ることで、部下の成長につながるでしょう。

しかし、中にはミスが多くてどうしても数多く叱らないといけない部下もいるでしょう。

そういう「ダメな」部下には、他の部下とは違うアプローチが有効です。そのための3つのポイントをご紹介します。

 

①望ましい行動を示す

叱られるようなミスをしたときに、どういう行動をとるべきだったかを具体的に示してやりましょう。

勘の良い部下ならば、「こういうことはいけない!」と漠然と注意しても自分の行動を改めます。

しかし、ダメな部下は、漠然と注意されても、次からどのように行動すればよいのかが自分では分からないことがあります。

 

そのため、叱られた後も同じミスを繰り返してしまう危険性があるのです。

「今回と同じミスを繰り返さないように、〇〇の点を改めなさい」

「もし次に同じような状況になったときは△△しなさい。」

というように、具体的に改善されるための行動を指示する必要があります。

 

②話しを傾聴して事実を確認する

何回も叱られるタイプの部下には、「この部下はミスが多い」という印象がついてしまいます。

そのため、何かミスが起こると「今回もお前がミスしたのか」という考えになりやすく、その部下が悪いと決め付けてしまいがちです。

しかし、場合によってはそうではないこともあるでしょう。

このときに、冷静に話しを聞かないままに「またミスしたのか」と頭ごなしに叱ると、その部下が腐ってしまいます。

 

まずは問題となった事実と、その部下がどのように関わったのかを冷静に確認するところからはじめましょう。

この作業をすることで、「この上司は決めつけで叱ってこない」と感じさせることができ、信頼されます。

信頼されれば叱っても素直に受け入れてくれます。

 

③人格を否定しない

叱られることが多い部下は、あなたをイライラさせてしまうことも多いでしょう。

そのため、「だからお前はダメなんだ!」「この仕事は向いてないと思うぞ」のような、相手存在すべてを否定する言葉を言ってしまうことがあります。

 

叱るときの基本ですが、相手の人格を否定してはいけません。

このような言葉は相手を傷つけるだけであり、部下の行動を改善させることにはなりません。

「お前のだらしないところがダメなんだ!」と人格を否定するのではなく、「言われた期日を守るように、仕事の期日は手帳にメモしなさい」と具体的な指示や指摘をしなければ、仕事の成果があがりません。

 

また、相手の家庭事情や、学歴を否定するような言い方もダメです。

その部下にとって変えられない事情を責めても、具体的に行動を改善することができず、あなた自身が人としての信頼を失うだけです。

適切に叱ることで部下は育つもの


このように、部下の叱り方についてのポイントをご紹介しました。

最も重要なのは「部下を成長させるために叱る」という考えで接することです。

あなたのイライラを解消するために部下と接してはいけません。

 

叱ることで相手の行動が改善されないと意味がありません。

そして、どのように叱るかによって部下の行動が改善されるかどうかが変わります。

叱ったあとはフォローを入れることも大切です。叱られたあとに行動を変えていれば褒めてあげ、同じミスを繰り返すようなら強く言わなければいけないでしょう。

 

「嫌われたくないから部下を叱れない」という悩みはよく聞きますが、それでは部下は成長しません。

この記事で紹介したポイントをもとに、相手のことを思って叱ることで部下を育て、信頼される上司になりましょう。

 

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