部下が退職するときには朝礼の場でメッセージを伝えたり、寄せ書きを渡すことがあるでしょう。
退職する部下に対して、ポジティブなメッセージを伝えれば、チームも前向きな雰囲気になり、残る社員へのやる気にもつながります。
また、上司に対して感謝の気持ちを上手く伝えたい、失礼の無いように無難なメッセージを送りたいということもあるでしょう。
そこで今回は、退職する部下や上司に対してのメッセージのコツや、簡単な文面をまとめました。
退職する人へのメッセージをどうしたらいいか、自信がないという人は参考にしてください。
なお、メッセージと同じくらい困るのが、プレゼントをどうするかという問題です。
上司や部下など、職場の人へのプレゼントの定番についてはコチラの記事にまとめているので、必要であれば参考にしてください。

目次
部下への退職メッセージの例
部下が退職するときのメッセージでは、上司ならではの言葉を伝えられると、相手の心に響きます。
残る社員があなたのメッセージを聞いて、あなたの株を上げるということもあります。
王道パターンとシチュエーション別のメッセージのポイントと例文を紹介します。
部下退職メッセージの王道パターン3つ
まずは王道パターンです。
上司ならではの視点で、部下をねぎらったり、努力や実力を認めてあげる言葉をかけると、相手も喜んでくれます。
①成長して頼もしくなった
「今までお疲れ様。最初は不安そうな表情だったあなたが、いつのまにか成長してくれて、頼もしくなってくれました。
あなたの助けがあったからこそ、ここまで成果を上げることができました、ありがとう。次の職場でも頑張ってください。」
②あなたなら新しい職場でも活躍できる(必要とされる)
「今までお疲れ様!いつもテキパキ働いてくれてすごく助かりました。
そんな○○さんなら次の職場でも、すぐに戦力になると思うよ。さらなる活躍を願っています。」
③あなたを失うのは私達にとって大きな痛手
「チームを引っ張ってくれた君が抜けてしまうのは、わが部署にとって大きな痛手です。
でも○○さんが決めたことだから応援するよ、今までありがとう!」
3つの共通するポイントとしては、「部下のこれからについて、上司がきちんと応援してあげること」です。
一生懸命育ててきた部下が退職してしまうとき、上司としては恨み節の一つでも言ってやりたい気持ちになることもあるかもしれません。
しかし、ネガティブな気持ちをぶつけても、チームの雰囲気が悪くなるだけで、その結果残る人のモチベーションが下がります。
そのため、明るい言葉で送り出してやる方が、自分たちにとってもメリットになります。
結婚退職する場合のメッセージ
部下の中には、結婚による退職をする場合もあるでしょう。
この場合、基本的には「結婚おめでとう」から始まり、「幸せな家庭を築いてください」で〆るのがよいでしょう。
また、以下のようなメッセージを使うのもよいものです。
①職場が明るかったのはあなたのおかげ
「結婚おめでとう!職場が明るかったのは○○さんの明るい人柄のおかげでした。
これからもその明るい性格で、幸せな家庭を築いてください」
②寂しいけど、幸せそうな様子なのでよかった
「結婚おめでとう。○○さんがいなくなってしまうのは寂しいけど、結婚の話をするときの○○さんの幸せな様子を見てると、良い選択をされたんだとしみじみ思います。
相手の方と一緒に、幸せな家庭を築いてください。」
このように、仕事ぶりなどでのメッセージが思い浮かびにくい場合は、人柄や、結婚のことを話している様子について触れるのがよいでしょう。
なお、ひと昔とは違い、出産に関することはデリケートな話題になりつつあります。
また、結婚しても子供を産まない選択をするケースも珍しくありません。こっそり不妊治療をしている場合もあります。
そのため、普段から「子どもを育てる」「妊活する」と公言しているわけではない限り、出産に関する内容は触れない方がいいでしょう。
体調不良で退職する場合のメッセージ
部下の中には、体調不良が原因で退職してしまうこともあるでしょう。
ほかのケースよりも、どのようなメッセージを送ればいいかを迷うのがこのケースです。
そのときは以下ようなメッセージが使えます。
①お疲れ様、ゆっくり休んでください
「おつかれさまでした、仕事が大変だったかもしれませんが、これからはまずはゆっくり休んでください。」
②また落ち着いたら顔を見せて
「今ままでおつかれさまでした。まずはゆっくり休んで、また落ち着いたら顔を見せてくれると嬉しいです」
③あなたの仕事が助けになりました
「お疲れ様でした。○○さんの仕事が私の助けになっていました、ありがとうございました。これからはゆっくり休んでください。」
この場合のポイントは、深刻な雰囲気にならないように、感謝の言葉を伝えたり体を気遣うメッセージにすることです。
とくに相手の病状がよく分からない場合は、症状の重さもよく分からないため、無難な言葉にとどめておいたほうがよいでしょう。
上司が退職・異動する場合のメッセージ

ここまでは主に部下への退職メッセージをご紹介してきましたが、あなたの上司が退職や異動する場合もあると思います。
お世話になった人ならば、気の利いた言葉を伝えたいし、とはいえ失礼にならないように気をつけたいところです。
上司へのメッセージ王道3つ
まずは王道です。お世話になった上司ならば、その感謝や、実力や仕事ぶりを尊敬する言葉をストレートに伝えるのが良いでしょう。
具体的には、たとえば以下の3つような言い方があります。
①仕事ができるようになったのはあなたのおかげ
「今までお疲れ様でした。仕事のやり方を色々と教えていただき、今の自分が仕事ができるようになったのは○○さんのおかげです。
本当にありがとうございました。新天地でも活躍されることを祈っています」
②あなたから学んだことを生かします
「今までお疲れ様でした。○○さんと一緒に仕事をさせていただき、たくさんのことを学ばせてもらいました、それを生かして頑張っていきます。
新しい職場でも○○さんならすぐに活躍されるのは間違いないと思っています!ありがとうございました。」
③あなたのような上司になりたい
「今まで本当にありがとうございました。○○さんの仕事ぶりは本当に尊敬できて、自分の○○さんのような上司になりたいと思っています。
これからのさらなる活躍をお祈りしています」
これに以外にも、印象深い出来事について触れたり、「尊敬しています」というストレートな言葉をメッセージの中に入れることも効果的でしょう。
ちなみに、上司へのメッセージの注意点では、上から目線な言い方になっていないか注意が必要です。
自分としてはそのつもりがなくても、文章にしてみると意外と上から目線な言葉になっていることがあります。
例)○○課長なら、次の職場でもぜんぜん通用すると思います!
→「通用する」という表現が上から目線な印象を持たせる。
関わりが少ない上司へのメッセージ
また、あまり関わりがなく親しくない上司の異動でメッセージを求められた時も、どうすればいいか悩ましいものです。
先ほどの例文のような言葉を送ろうとしても、普段関わりがない場合は、しらじらしくなります。
そんなときはどうすればいいでしょうか。
この場合は、「他の人から〇〇(ポジティブな言葉)と聞いていました」というフレーズを使うとよいでしょう。
「同期の社員から、“〇〇さんはとても頼りがいのある人だ”とお聞きしていました。
もし機会があれば、一度一緒にお仕事ができればと思っていました。新天地のご活躍をお祈りしています。」
のようなメッセージが無難でしょう。
定年退職する場合のメッセージ
上司・部下に関わらず、定年退職する相手へのメッセージを送ることもあるかもしれません。
その場合は以下のようなフレーズを取り入れると、適切なメッセージになるでしょう。
①第二の人生を楽しんでください
「今までお疲れ様でした。在職中は色々と教えてくださり、ありがとうございました。これからは第二の人生を楽しんでください。」
②仕事振りから学ばせていただきました
「今までお疲れ様でした。一緒に仕事をするなかで、その姿勢や経験から色々学ばせていただきました。ありがとうございました。」
③お体にお気をつけください(ご自愛ください)
「今までお疲れ様でした。これまでのお仕事ぶりが多くの方の模範や助けになっていたと思います。退職後はお体にお気をつけください。」
定年退職する相手には、苦労をねぎらったり感謝するメッセージがよいでしょう。
また、これからの活躍を祈るというフレーズの変わりに、体をいたわったり、これからの生活を楽しんでくださいという言葉を伝えるのが適切です。
同僚への退職・異動のメッセージ
続いて、同僚が退職や異動する時のメッセージについて紹介します。
同僚の場合は、上司や部下に比べて距離が近く、遠慮する必要がないことも多いでしょう。
同僚メッセージの定番
このように、同僚へのメッセージは肩ひじ張らずに思いの丈を綴ればよいですが、無難なものにしたい場合は、以下の3パターンが考えられます。
①一番印象深い思い出に触れる
「〇〇の時は本当に大変だったね、でもあの時の経験が今はすごく貴重な思い出です。
○○さんなら新しい環境でもすぐに活躍されると思います。応援しています。」
②存在が励みになったことを伝える
「仕事で大変なことがあっても、同じ立場で頑張ってる○○さんが居てくれたから、私も頑張れました。いつか機会があれば、また会うことができれば嬉しいです。」
③入社時の思い出を語る
「○○さんと一緒に研修を受けた時のことが、昨日のように思い出されます。
もうあれから3年ですね。これから環境が変わりますが、新天地での活躍を祈っています。」
接点があまりなかった同僚へのメッセージ
とはいえ、確かに同僚であるものの、接点があまりない場合は、特に思い出などもないため何を描けばいいか困ることもあるでしょう。
そういう場合は、親しくない上司へのメッセージと同じように、「周りからの評判」に触れるのが無難です。
「〇〇さんは、同期の間でも、特に仕事に熱心で真面目だと評判でした。
新天地でも、その真面目さできっと活躍すると思います。新天地での活躍を祈っています。」
また、同じ研修を受けていたなら、それに触れるのもいいでしょう。
「○○さんとは、仕事での関わりは少なかったけれど、同じあの研修を受けた仲間として、勝手に親近感を抱いてました(笑)。
これからは環境が変わってしまうけれど、辛いときはあの研修を思い出してお互いがんばりましょう。」
基本的に同僚へのメッセージで注意することはありませんが、「家族などの他の人がメッセージを読む可能性」にだけは気をつけましょう。
同僚だと、ついついぶっちゃけるメッセージを書きたくなるかもしれませんが、色紙などに書いた言葉が、家族などに見られる可能性があります。
二人ではっちゃけたあの夏の思い出は、一生忘れないよ
部長の不倫を暴いた時のことは、今でも強く印象に残っています
このようなメッセージを見た人は、「あの夏の思い出ってなに?」「部長って不倫してたの?」みたいな疑問を持ちます。
読む相手によっては、余計なトラブルを引き起こす引き金になるので、他の人に読まれる可能性も考えておきましょう。
口頭でメッセージを伝えるときのコツと例文
ここまで、色々なシチュエーションでも退職(異動)のメッセージのポイントや例文を紹介してきました。
ちなみに、あなたが上司の場合、退職する部下に対してのメッセージを、朝礼のような場で伝えることもあるかもしれません。
こんな時、どのようにメッセージをつくるのが良いかをご紹介します。
まず、メッセージの構成としては、
- 相手の労をねぎらい
- 相手ならではのエピソードをいれ
- 感謝の気持ちを伝え
- これからの活躍・幸せを祈る
というパターンがよいでしょう。
この中で特に膨らませたいのが、②の相手ならではのエピソードです。これを入れることで、メッセージに特別感が生まれます。
これらを組み合わせることで、例として以下のようなメッセージができます。
「今までお疲れ様でした。売上目標に向けてお互いフォローしあい、一緒に3ヶ月連続で目標を達成できたことが印象的な思い出です。
○○さんはとても丁寧な仕事ぶりで、いつもフォローしてもらい助かっていました。本当にありがとうございました。
これからは新天地で頑張るということで、活躍を祈っています。」
「今までお疲れ様でした。○○さんはいつも笑顔で職場を明るくしてくれましたね。
飲み会でひたすら日本酒を飲み続ける姿が印象的でした笑。
仕事が大変なときも○○さんの言葉で明るく元気に仕事ができました、ありがとうございました。退職後も明るい○○さんでいてください。」
このように、「お疲れ様でした」→「エピソード」→「感謝」→「活躍や幸せを祈る」という順番でつなげましょう。
このときのエピソードとしては、
- 本人の人柄がよく出ているもの
- その人の大きな成功
- あなたがその相手に一番感謝していること
というものをチョイスするといいでしょう。
このようなポイントを押さえれば、退職する部下へのメッセージが出来あがります。
退職メッセージはよくある文例を参考にしよう
このように、退職する部下などへのメッセージは、テンプレートを意識すれば難しくありません。
関係が深い相手へは簡単に浮かぶかもしれませんが、そうでない相手へのメッセージを求められることもあるでしょう。
そういうときには、ここでまとめたメッセージや文例が参考になると思います。
また、その場に応じて適切な送別のメッセージを、即席で言えたり書けたりすると、社会人として信頼されるものです。
そういう意味でも、ここで紹介した内容は、一つのビジネスマナーとして覚えておくと役立つと思います。
なお、メッセージと同じくらい困るのが、プレゼントをどうするかという問題です。
上司や部下など、職場の人へのプレゼントの定番についてはコチラの記事にまとめているので、必要であれば参考にしてください。
