「あっ、これ上司がミスしているな!」と気づくことはないでしょうか。そのときに指摘をするべきか悩むこともあるでしょう。
もちろんミスは指摘して修正すべきです。
しかし、相手は上司。指摘することで機嫌を悪くしたり、八つ当たりされたら面倒ですよね。
とはいえ、その上司のため、仕事のためを考えると、指摘した方がいいのか・・とも悩んでしまうかもしれません。
上司へミスを指摘する方法を知っておけば、トラブル無く伝えられます。そのため、スムーズに上司へ指摘する方法を心得ておくと安心でしょう。
そこで、今回は上司に指摘するときのポイントについてまとめました。
ミスが多い上司、指摘しずらい雰囲気を持つ上司に悩んでいる場合は、この内容を参考にしてもらえれば幸いです。
目次
上司のミスは指摘するべきなのか
そもそも論ですが、まずは上司のミスを指摘すべきものなのかを考えてみましょう。
仕事である以上は成果を求めるべきですから、その妨げになるようなミスがあれば、指摘して修正するべきだと考えられます。
しかし、ミスを部下から指摘されることで、上司のプライドが傷つきます。
そのため指摘された内容を素直に受け入れることができず、「そんなことを言うなんて生意気だ!」と逆ギレされてしまう危険性があります。
もちろん、ミスを指摘するのは上司のことを思ってのことであり、ミスを指摘された上司は感謝こそすれ怒り出すというのは勘違いもはなはだしいものです。
とはいえ、立場が下の社員にミスを指摘されるとプライドが傷ついてしまい、素直誤りを認められない上司が多いようです。
また、普段から威圧的な雰囲気の上司には、ミスを指摘したときのリアクションが怖いために話したくないというケースもあります。
そのような背景で上司にミスがあってもそれを指摘せず、部下の心の中にしまっておかれることも多くあります。
しかし、部下がミスを指摘しなかったために、そのミスが大きな問題となって発覚して責任を負うということもあります。
実際に、部下がミスに気づいたものの、上司に怒られてしまうのを恐れて指摘せず、問題が大きくなりその上司が左遷されてしまったという例も聞きます。
また、ミスによって会社が損害を受けたり、お客様に迷惑をかけてしまうということもあります。
「ミスを指摘して上司に怒られたらどうしよう」と考えるのではなく、高い視点で会社・顧客のことを考えて指摘はすべきという考えも大切なことです。
このように考えると、上司にミスを指摘するときは以下の2点に注意しましょう。
①「顧客に迷惑をかけることにつながるミスは指摘し、ちょっとした間違いなら放置する」
など、あなたの中で「この場合は指摘する・しない」の線引きをする。
②伝え方を工夫し、上司のプライドを傷つけないように指摘する
上司のミスを指摘する方法

このように、上司のミスを指摘するときには、プライドを傷つけないことがとても大切です。
そのためのコツは5つあります。
①質問や確認の体で指摘する
「この数字まちがっていますよ」と直球表現で指摘をせずに、上司が自分で誤りに気づくように仕向けます。
例えば「この資料について確認なんですが、前年比で大きく違う結果になっていますが間違いなさそうでしょうか?」と聞きましょう。
実質言っていることは同じですが、質問という形を取ることで、上司が自分で誤りに気づく形になります。
部下から「あなたは間違っている」と決め付けられるより、プライドは傷つきません。
②1対1で話す
他の人がいる前で指摘されてしまうと、まずそれだけでプライドが傷ついてしまいます。
相手が上司だけに限った話ではありませんが、人が周りにいると特にプライドが傷つきやすいので、指摘するときは1対1の場がよいでしょう。
そういう意味では、対面よりもメモやメールでこっそり伝えるというのも効果的な方法です。
③やわらかく伝える
上司が素直に聞き入れるためにもであれば、穏やかな言い方のほうが良いでしょう。
枕詞として「私の勘違いかもしれませんが・・」のような言葉をつけるのも効果的です。
上司にしてみれば、部下に指摘されること自体が恥ずかしく辛いことになります。そのショックを和らげてあげることも必要です。
また、フォローを入れつつ指摘するというものもあります。
例えば「いつも以上に忙しかったのでミスがあっても仕方ないと思います。」というような言葉を添えて伝えると、上司も受け入れやすくなるものです。
フォローの言葉よりも、フォローしようとするあなたの姿勢に感謝してくれます。
このような意識がなく、乱暴な言い方をしてしまうと、「なんだその口のきき方は!」と言われ、あなたの態度についての話にスライドされる危険もあります。
④「成果を出すためにはどっちがいいか」という視点で話す
この方法は、上司の考えとは別の案を提案するときに特に有効です。
上司の案の場合に起こりうる問題を伝え、そのリスクを防ぐためには別の案がよい、と論理的に伝えます。
そのためには、根拠を明確に紹介しながら意見を伝えましょう。
ここで注意したいのは、「上司の案が間違っている」だとか「私の案が正しい」だとかというフレーズを使わないことも重要です。
あくまで「成果を出すためには、こちらの案のほうがいいと思うがどうしましょうか」というイメージで話しましょう。
⑤タイミングを考える
プライドが傷つくような指摘は、上司の側に精神的な余裕がないと冷静に受け止められません。
そのため、上司にストレスが溜まっているときに指摘をすると逆ギレしやすくなります。
上司の機嫌がよさそうなときや、余裕がありそうなときに声をかけると良いでしょう。
あとから指摘内容を受け入れることもある
なお、ミスを指摘されたときに八つ当たりされたとしても、あとから指摘を反省する場合もあります。
指摘して逆ギレされた場合、その後の上司の様子を見てみましょう。
指摘を改善している場合、実はあなたからの指摘を参考にしているかもしれません。
逆ギレされてもあきらめるのではなく、その後の上司の様子をよく見てみる価値はあります。
もし改善しているようであれば、指摘を受け入れる度量はあるようなので、今後も必要に応じて指摘をしたほうが良いでしょう。
一方で全然変わらない場合は、あきらめてもいいかもしれませんね。
伝え方を工夫して上手く指摘してあげたい
本来、仕事で成果を出すためには、上司だろうとなんだろうとミスを指摘する必要があります。
「仕事を上手く行かせたい」という気持ちがある場合は、やはり必要な指摘をするべきです。
しかし上司も人間なので、プライドが邪魔をして指摘を素直に聞き入れられないときもあります。
上司によって部下からミスを指摘されると、自分の存在が否定されたような気持ちになるものです。
そこで、あなたの方から伝え方を工夫して、上司が受け入れやすいように話しましょう。
そうすることで上司も話しを素直に受け入れられ、仕事の成果も上がりやすくなります。
そして、それが自分たちの評価にもつながります。気遣いながら指摘するのは回りくどくて面倒くさいのですが、このような方法で指摘するのがよいでしょう。
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